「緊急事態だっ!!」
朝の寝ぼけゾンビ事件から一転、朝食を取っていた我々を会議室へと集めたココは切羽詰まった表情をしていた。
「これは今から三時間前、北の国境から入国した輸送団。情報とカウントが正しければ攻撃ヘリMil-24D、即ちハインドD十五機分が予備部品一式とともに詰まっている」
そう言うと彼女は一枚の写真を出した。上空から撮られたであろう写真には、大型トレーラーが三台映っていた。
「これは、この間の私達の成功を聞いた誰かが「一枚噛ませろ」と参入したものに他ならない。こんな事はよくあること……。」
横合いから嘴やら何やら突っ込みたがるのはどの世界にもいるもんだ。商売なら猶更だ。
「問題は、この情報が本部から送られてきたこと……、下手すると給料減らされるぅ……」
するとココは会議テーブルに突っ伏すと
「ううぅわあぁぁヤバいヨ~~ぅぅぅぁああぁぁぁぁぁああぁあ……」
とゴロゴロ転がり始めた。
「あの転がり方は相当ヤバいって意味だぜ」
丁寧にもワイリが説明してくれた。他にも転がり方がある言い方だが、どんなんだ?
「状況を開始する!」
そう言って起き上がった彼女は先程までテーブルでゴロゴロ転がっていたのと打って変わって眼光が鋭くなった。
「敵商品の納入阻止。邪魔者の排除を含むハード・ネゴシエーションの確率が高い。各員、気を引き締めろ!!」
と檄を飛ばすが――
「「「「「「「「ウェ~~~イ」」」」」」」」
と気の抜けた返事が返ってきた。
ココはげんなりとしていたが、現状は鯱張る必要は無いのでこれ位が丁度いい。システマの教官は常々「どんな状況でも良きリラックスを」なんていってたものだ。
「バルメ、トージョと共に国防軍司令部で交渉(ネゴ)。レーム、ルツ、ウゴ、マオは武装して私の直掩に。アールとワイリは私と本社との情報整理。そしてヨナ、私と来い!!」
きびきびと指示を出すココ。
「行くぞ!!!」
その掛け声とともに皆が動き出す。ついて来い、という命令に少し戸惑ったが――護衛なら厳つい方が良いのだが――、自分も装備を整えるために席を立った。
~~
車内ではココがインカムを付けてアール達から来る情報に耳を傾けていた。
「C.K.クロシキン。諜報員崩れのフリーランス。噂は聞いてたしさっきから詳細は届いているんだけど、ちょっと嫌な相手だなぁ…」
「武器商人にいい奴っているの?」
「ヤな奴ばっかだけどね。ああ、これを持っているんだ」
すると彼女はダッシュボードから拳銃を出して渡してきた。大型拳銃の1911だ。アメリカ製のそれは少し小さい手の私には少々持て余すが、鋼由来の重さが頼りになる。受け取ると弾倉を外して装弾しているか確認する。薬室もスライドを操作して空にすると弾倉から弾を全て抜く。八発全てを点検して、錆や雷管に異常がないか確認する。確認できると弾を詰め直した。
「武器商人に渡された武器がそんなに信用できないかい?」
そう聞くココの声色は少し不満気だ。
「ああ、ごめん。自分が弾を込めないと
「ん?」
「ジンクスなんだ。今まで僕が撃たれたのは他人から貰った弾倉で撃った時しかなくて、自分で込めると撃たれないからいつもそうしてるんだ」
「へぇ……、驚いた。ヨナも縁起なんて担ぐんだ」
「そりゃあね。偵察中に狙撃手に追跡されたことなんて何度もあったし、攻撃ヘリに食いつかれたこともあった。けど、今まで
45口径の詰まった弾倉を押し込んでスライドを操作して薬室に弾薬を送り込み、撃鉄を上げたまま安全装置を掛けた。
さて、相手はどんな罠を張っているやら……。
続く
中々オリジナル感が出せずに困っています。というより下手だからうまい会話が思いつかないのが問題だよな・・・。
今回は少し短めなのは、次回から端折っていくかもしれないので、キリのいいここで終わらせます。こんな小説ですが、次回もよろしくお願いいたします。