【凍結】少し歪んだハリー(♀︎)をどうにか支えたい転生オリ主の話   作:わんだー

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10話

はぁい、みんな。私はハリー。ホグワーツに入学してから2週間くらいが経った。起きたことは初日の授業や暮らしと余り変わらない。

 

ロンや私、それと最近はハーマイオニーも加わった三人で一緒に行動している。ノアはホグワーツに来てから色んな人に頼られることが多く、あまり一緒に行動出来ていない。特に教師に頼られることが多い。

 

あと、ノアは凄くモテる。ひっっっじょうに気に食わないけど。というのも、女の子に、というより天然の人たらしだから色んな人に気に入られてる。血統も、才能も、容姿も、何もかも関係なく誰にでも平等に接するノアは様々な寮の生徒たちから人気者だ。それこそ、スリザリンの生徒にすら。まあ、スリザリン生はグリフィンドールの血筋に惹かれているのもあるんだろうけど。

 

それと、ここに来てよく身に染みたけど、ノアは非常に多才でその全てにおいて天才的だ。難しい教科の変身術や魔法薬学を簡単にやってのける。

 

あと、なんだかんだマルフォイとも話す。ノアやロンに絡みに来るのだが、ノアはいつも通りの対応でマルフォイはタジタジだし、ロンとマルフォイは直ぐに喧嘩するし。なお、その喧嘩は喧嘩両成敗でノアのゲンコツで毎回終わる。

 

マルフォイは多分、ツンデレなんだと思う。というかツンデレだよねアレ。私とハーマイオニーはマルフォイの扱いが分かってきてからは揶揄えるようになるまでは早かった。

 

初めは『穢れた血』とかいう差別用語で対抗していたマルフォイだったが、ノアの『グリフィンドール家よりも尊い血の持ち主なら言ってもいいんだけど?』という言葉に固まってそれ以降その言葉を発することは無かった。案外マルフォイって素直だよね。

 

さて、そんな最近だけど、少し前から禁じられた森の前で面白い光景が見られるようになった。それも今年からだ。まあノアなのだけど。最近、ノアは目覚めると禁じられた森の前で座り込むのが日課になっているようだった。そして、そのノアの周りには禁じられた森に住む大量の魔法生物たちが集まっているのが見れる。

 

その中には珍しい魔法生物達もいるようで、時たまダンブルドア先生やスネイプ先生、ハグリッドが魔法生物たちに会いに現れる。スネイプ先生が現れたのは大蜘蛛が現れる時だけで、何やら毒らしきものを手に入れに来ているだけらしいが。それと、その魔法生物の中には明らかに不死鳥らしき生物もいたけど本物なのかな?

 

まあ最近あったのはこんなところだろう。あと、ダフネ・グリーングラスというスリザリン生と仲良くなったくらいだろうか?マルフォイ経由だけど。あと、パーキンソンとかいう女生徒に随分嫌われてしまった。なお、これもマルフォイ経由だ。まあ、誰に嫌われようとどうでもいいけれど。

 

まあ、私たちはノアのせいかもしれないけど寮とか関係なく分け隔てなく仲良くしている。マクゴナガル先生がスリザリン生であるマルフォイやダフネと会話している私たちを見て両方の寮に五点くれたぐらいにはそこそこ仲がいい。マルフォイとロンは決して認めないだろうけど。

 

あと、ノアの調ky──もとい、教育によってロンのスリザリン嫌いが収まった。別に好きになった訳では無いようだけど、死ぬほど嫌いから気に食わないヤツら程度には収まったようだ。殆ど変わらないって?まあ、確かにそうかも。

 

まあ最近の私たちはこんな感じだったよ。ホグワーツはあのバーノン家の数億倍マシだけど…まあそれでもめちゃくちゃな所だと思うよ、本当に。

 

★★★

 

やあ、ノアだ。禁じられた森に近寄ると大量の魔法生物が近寄ってくるので、彼らと話すのが最近の楽しみだ。

 

動物語(アニマルタング)のおかげか魔法動物によく懐かれるのだが、まさかアクロマンチュラすら来るとは思わなんだ。まあそれ以上に処女厨のユニコーンが来るとも思ってなかったけど。

 

さて、そんな毎日だったが、今日の授業はみんなが目に見えて浮かれている。それは、今日は浮遊術──要するに箒の訓練だ。

 

マグル生まれの生徒たちは何がいいのかよく分かっていないようだったが、クィディッチが大好物…どころか、クィディッチ狂人しかいない魔法族達は浮かれきってワクワクしていた。どれくらい浮かれているかわかるエピソードを言おうか?マルフォイとロンが肩を組んで笑ってるって言えば分かるか?

 

「おい、ウィーズリー、どちらがより良く箒に乗れるか勝負しようじゃないか」

 

「へぇ、お坊ちゃんのマルフォイにそんなことが出来るのか?僕がキミをボッコボコにしてやるよ」

 

軽く肩をたたき合いながら笑う二人を見てハーマイオニーとハリーが呆れていた。やっぱりこいつら仲良いだろ。最初の険悪さどこに行ったんだよお前ら。

 

「ねえ、グリフィンドールくん」

 

「グリーングラス?どうした?」

 

話しかけて来たのは黒髪の少女、ダフネ・グリーングラスだった。スリザリン生だが、マルフォイ繋がりで知り合った。

 

「ハリーちゃんって箒うまいと思う?」

 

「…さあ、どうだろうね。あの子の父親はとても上手だったようだけどね。…うわっ!?」

 

まあ多分上手いんだろうなと思いつつグリーングラスと話しているとハリーが手を掴んで引っ張ってくる。

 

「あらら…やっぱりそうなのね」

 

「貴女も気がついたのね?グリーングラス」

 

「ええ、あれだけ分かりやすいとね。貴女も大変ね、グレンジャー」

 

「もう慣れたわ」

 

後ろで何か言っているが訳も分からずハリーに引っ張られる。まあまあ痛いな…。

 

「ハリー、あまり引っ張らないで欲しいんだけど…」

 

「あ…ご、ごめん!痛かった?」

 

「いや、大丈夫さ。…そういえば、そろそろ授業が始まるね。一緒に行くかい?」

 

「うんっ!行こっ!」

 

またハリーに手を引かれて箒が乱雑に置かれている所へ連れられる。おお、こんなに箒があるのか…。

 

「えーっと、どれを使えばいいんだろう」

 

「どれでも…と、言いたいけどあんまりオンボロだとやりにく──」

 

そこまで言ったところで()()()()()()()()()()()()()()()()()。え、これ使えってことか?

 

「あー…うん、これにしようか」

 

「そ、そうだね…」

 

その箒を持って用意をしてから雑談していると、バラバラと人が集まり出して、乱雑に箒を選んでいた。マルフォイやロンはしっかりといい箒を選んでいたみたいだが。

 

「何をぼやぼやしているのですか!さあ、箒の横に立って!」

 

フーチ先生がせかせかと歩いてきて叱責する。それに堪らず俺たちはぞろぞろと箒を地面において並ぶ。

 

「杖腕を箒の上に突き出して。そして、『上がれ!』と言いなさい!」

 

「あ──いや、まだ言ってないから」

 

あがれのあの字を言った途端に浮かんで手に収まる箒。この箒やる気に満ち溢れすぎてるんだよなぁ…。

 

上がれ!と言って一発で成功したのはマルフォイ、ロン、ハリー、後は俺だった。

 

「さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください。箒はぐらつかないように押さえ、二メートルぐらい浮上して、それから少し前屈みになってすぐ降りてきてください。笛を吹いたらですよ───一、二の──」

 

「うわぁぁぁ!?」

 

三を言う前にネビルが浮かび上がる。浮かぶと言うより箒が暴走している。

 

「ネビル・ロングボトム!?何をしているのですかロングボトム!降りてらっしゃい!」

 

アレスト・モメンタム(動きよ、止まれ)

 

ネビルに向けて杖を向け、魔法で箒を無理やり停止させる。落ちると危ないからね、仕方ない。

 

「あ、ありがとう…うぇっ…」

 

「あらまぁ、酔ってしまっているわ。医務室へ行きましょう。グリフィンドールは良くロングボトムを助けてくれました。グリフィンドールに五点」

 

フーチ先生はその後、箒を飛ばさずに待っていろと告げ、箒を飛ばせばクディッチのクの字も言わさずに出てってもらうと言ってネビルを医務室へ連れていった。

 

「アイツの顔みたか?あの大マヌケのロングボトム」

 

地面に落ちているガラス玉…朝、ネビルがネビルの祖母から送られてきた『思い出し玉』という魔法道具だ。何か忘れていることがあれば赤い霧のような物が中に現れるというものなのだが…うーん、意味あるのだろうか?

 

「返しなさい、マルフォイ。それはネビルのよ」

 

「──へぇ、キミが突っかかってくるのか。良いさ、なら英雄殿の力を見せて貰おうじゃないか」

 

トンっと箒に乗り込むとふわりと浮かぶマルフォイ。あーあ、俺は知らないぞ?

 

「待ちなさい!」

 

「ほら、どうしたポッター!来ないのか?」

 

「やってやるわよ!」

 

苛立ったように箒にまたがるとふわりとハリーも浮かび上がる。あらら、こりゃもう止まらんね。

 

「フォークス、どちらかが落ちそうになったら頼むよ」

 

『ああ、任せろ』

 

浮いているハリーとマルフォイに周りが釘付けになっている間にフォークスを呼んでおく。まあ、備えあれば憂いなしだ。え?なら止めろよって?怒りがこっちに向くからやだ。

 

「ねぇ、ハリーちゃんとマルフォイを止めないの?」

 

「止めたらハリーの怒りの矛先がこっちに来るしね。マルフォイも一度痛い目を見た方がいい。本気でハリーが怒る前にね」

 

グリーングラスが止めないのかを聞いてくるが止めなくても良いと思うし…あ、マルフォイが思い出し玉を投げた!…って、ハリー早すぎん?

 

「わぁーお…お父さんの才能は受け継いでたみたいね」

 

「その上、お母さんの魔法薬学や変身術の才能も受け継いでいるし…っと、帰ってきたね」

 

ハリーはその手にしっかりと思い出し玉を掴んでおり、マルフォイはどこか悔しそうに顔を顰めていた。

 

グリフィンドール生からは歓声が上がり、スリザリン生は嫌そうに顔を顰めていた。しかし、その時だった。

 

「ハリー・ポッター!こちらへ来なさい!」

 

が、歓声をあげていられたのも束の間。駆け寄ってきたマクゴナガルの鋭い声がグリフィンドールのお祝いムードを吹き飛ばした。あらら、

 

「まさか…こんなことはホグワーツで一度も⋯」

 

「分かりましたマクゴナガル先生…」

 

マクゴナガル先生に連れていかれたハリーを見送るとさっさと俺は荷物を片付ける。

 

「あ~あ、こりゃ退学だね。おい、グリフィンドール!助けに行かないのか?」

 

「ああ、別に。必要ないだろうし。さ、授業は終わったから解散しよう」

 

あっさりそう告げて立ち去ろうとするとスリザリン生すらも目を見開き固まっていた。何か変なこと言ったか?

 

「なっ…!じゃあノアはハリーがどうなっても良いって言うの!?」

 

「何言ってるんだい?マクゴナガル先生はそもそも箒で飛んでは行けないことを知らないだろう?ダメだと言われていることを知らない状態でどうやって罰則を受けさせるって言うんだい?」

 

そう言うと納得したように頷く生徒たち。スリザリン生は悔しそうに歯噛みするだけだったが、まあそういうことだ。

 

「それじゃ、お疲れ様。次の授業に遅れないようにしなよ」

 

その場を立ち去った後、次の授業で合流したハリーからクィディッチのシーカーになった事を伝えられた。

 

めでたいことだ。あんまり危ないことはして欲しくないんだけどね。




【悲報】マルフォイ キャラ崩壊
なお、ウザさは変わらない模様。

なお、フォークスはハリーが帰ってきたのを確認した後さっさと立ち去ってます。バレるとめんどいからね、仕方ないね。

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