【凍結】少し歪んだハリー(♀︎)をどうにか支えたい転生オリ主の話 作:わんだー
暴風と雷雨に揺れる、ボロ屋を見つめる一羽のカラス。
そのカラスは、荒れ狂う暴風と雷雨の中心で飛んでいながら、一切濡れることも風にあおられることもない。
──まあ、魔法の力なんだが。実は家庭の事情で俺の杖には『におい』の魔法が付いていない。
ちなみに『におい』というのは未成年が
今日はハリーの誕生日──11歳になり、ホグワーツ魔法魔術学校の入学許可が出る日だ。
普通に拘るバーノン家には、ハリー宛のホグワーツからの手紙が山のように届き、それに堪らず逃げ出して今に至るわけだ。
レイと視線を共有し、バーノン家の逃避行を眺めていると、バシンッ!という特徴的な音が背後から響く。
「──ダンブルドア先生?」
「久しぶりじゃのう、ノア」
姿現ししたのは俺の両親との繋がりで知り合ったアルバス・ダンブルドアだった。柔らかい微笑を口元に浮かべ、どこか楽しげにこちらを見つめてくる。
──この眼が、昔から苦手だった。
「お久しぶりです、ダンブルドア先生。何故俺の家に?」
「うむ。実はキミに頼みたいことがあってのう」
ダンブルドア先生の話を纏めると、大体はこんな感じだった。
『今日ハリーを迎えに行くホグワーツの職員がハグリッド。
ハグリッドが無意識に問題を起こす可能性が高い。
なので俺にハグリッドとハリーを迎えに行って欲しい。』
ということだった。
「それは構いませんけど…ダンブルドア先生が行けば問題は全て解決するんじゃ…」
「そうしたいのは山々なんじゃがのう。実は今日ホグワーツの理事会があっての、どうしても席を外せんのじゃ」
申し訳なさそうに言うダンブルドア先生の言葉に納得した俺はその頼みを受け入れることにした。
まあ、正直な話ハリーが心配ではあったからだ。
最近、バーノン家に届く手紙のせいで軟禁状態だったのか俺の家にも来れていなかったし、久しぶり─と言っても一、二週間程度だが─に顔を見に行くとしよう。
「ダンブルドア先生、俺はどうやってハリーたちの元へ迎えば?」
「ほっほっほ。それはのう──」
『私が送ろう、ノア』
美しい声と共にダンブルドア先生と俺の間で焔が弾ける。焔の中から産まれるようにして現れたのは美しい紅い鳥──不死鳥のフォークスだった。
「なるほど、不死鳥の力で行くんですね。久しぶり、フォークス」
『うむ、久しいな盟友よ。さあ、私に掴まれ』
久しぶりに会えた友人ではあるが、あまり雑談にふける時間も無いようで、ハリーたちは絶賛
「ああ。じゃあ行ってきます、ダンブルドア先生」
「うむ、ハリーとハグリッドを頼んだぞ」
フォークスに掴まると俺の視界が焔に包まれ、次の瞬間にはバーノン家が逃避行の果てに辿り着いたボロ小屋に立っていた。
「ノア!?」
「やあ、ハリー。誕生日おめでとう」
ここに来る前に用意しておいた誕生日プレゼントを手渡すと、顔を綻ばせて満面の笑みを浮かべるハリー。
ハリーに送ったのは魔法界でもこちらの世界でも使える懐中時計だ。
なにせ、魔法界に入るとマグルが作った道具は機能しなくなる。そのため、ホグワーツでも使える時計があった方がいいと判断したからだ。
その上、行きたい場所がある方角を自動で指し示す小型のコンパスも付いてある貴重な魔法道具だ。
「わあ…時計だ!ありがとうノア!」
「どういたしまして。その時計は魔法界でも使える代物だから使い道は多いと思うよ」
「うん!大切にするね!」
機嫌良さげに笑うハリーに微笑み返すと突然現れた俺にどうするべきか迷っている大柄の男性──ホグワーツの森番、ハグリッドに話しかける。
「久しぶり、ハグリッド」
「お、おう。久しぶりだなノア」
ハグリッドに事の経緯─ハグリッドがやらかすかもしれないとダンブルドア先生が言っていたことは伏せて─を話すと納得したように頷くハグリッド。
「おおそうか!手を貸しに来てくれたんか、ありがとな」
「どういたしまして、ハグリッド。ハリーが元気かどうかも気になっていたし、丁度良かったよ」
バサリとフォークスが俺の肩に止まる。そろそろ時間なのだろう。会話は後でも出来る。
「ハグリッド、なにか荷物はあるかい?ハリーもだ」
「私は特に無いかな」
「俺もバイクくらいだ」
「OK。そのバイクは…あれか。この中に入れておこう」
ポケットから取り出したのは縮小呪文によって極限まで小さくしたトランク。トランクを元の大きさに戻して杖を振るう。浮遊呪文でバイクを浮かせ、トランクの中にバイクを収納する。
「さあ、ハリー、ハグリッド、俺に掴まって。…ハリー、別に抱きつかなくても」
「私がしたいの!魔法界ってところに行くんでしょ!行こっ!」
「あ、ああ…わかった。それと、バーノン一家の皆さん、お騒がせして申し訳ありませんでした。良い夢を」
杖を降るってバーノン家の面々を眠らせるとベッドや小屋を新品同然まで綺麗にするとフォークスの力で俺、ハリー、ハグリッドをロンドンまで転移させる。
『私は一旦帰らせてもらおう』
「ああ、ここまでありがとう。次はホグワーツで」
『うむ。ではな、盟友たちよ』
焔と共に消えていったフォークスを見送り、ハリーとハグリッドに目を向ける。
「さあ、漏れ鍋に行こう。ダンブルドア先生が既に泊まれるように準備してくれているそうだからね」
「漏れ鍋?」
「ああ、魔法界とこちらの世界の境界の役割をしている店でね、そこからは──うん、行ってからのお楽しみにしようか」
ハグリッドに目配せして、二人して笑う。ハリーの驚く顔が今から楽しみだ。
「む、二人して分かり合ったような顔して…。あっ、そうだ!ねぇ、ノア!一緒の部屋に泊まろーよ!」
「う、うーん…俺は構わないけど…」
「よし!決定!」
ハリーに手を引かれて漏れ鍋に入る。背後からハグリッドの生暖かい視線を感じたような気がしたが、気の所為だと思うことにした。
アルバス・ダンブルドア
作者が原作読んでた時から思ってた、何故ハグリッドに行かせたのか問題を理事会という理由付けで何とか解決させた。
正直、ハグリッドが行きたいと言って、ダンブルドアがそれを承諾した形にしようかと迷ったがどちらでもいいやの精神で理事会にしておいた。
マクゴナガル先生が正解だったと思うなぁ…
フォークス
ダンブルドアが飼ってる?と思われる不死鳥。不死鳥を飼うと言って良いのか…コレガワカラナイ。
焔による転移が出来、その力は姿現しができないホグワーツ内でも出来ることから妖精に近い力か、不死鳥に産まれ付き備わっている力なのだろうと作者は考えている。
ちなみにオス。