【凍結】少し歪んだハリー(♀︎)をどうにか支えたい転生オリ主の話   作:わんだー

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6話

哀れマルフォイ・フォーエバー…と言った感じのハリーのオーバーキルが終わってから、俺たちのコンパートメントには穏やかな雰囲気が流れていた。

 

なんだかんだ俺とハリーはロンと仲良くなったし、ロンから俺以外の視点での魔法界…というか、極一般的な魔法界の様子を教えて貰ったりと割と充実した時間を過ごしていた。

 

「そうだ、二人はどの寮に入りたいんだい?」

 

「寮…?寮に違いがあるの?」

 

「ああ、ハリーは知らなかったね。ホグワーツには四つの寮があってね。勇気を尊ぶグリフィンドール、知識を尊ぶレイブンクロー、慈愛を尊ぶハッフルパフ、狡猾さを尊ぶスリザリンの四寮がある」

 

「へぇ~そうなんだ!って、グリフィンドール?」

 

俺の名字と同じ名前の寮があることに気がついたのか首を傾げていたが、ウインクすることでそれを隠すように伝える。

 

「ロンはどの寮に入りたいんだ?」

 

「僕?僕は断然グリフィンドールだよ!!スリザリンだけは絶対やだね!」

 

「ウィーズリー家はほとんど全員グリフィンドールだったかな?」

 

「ウン。でも僕グリフィンドールに入れるか心配で…」

 

心配そうに目を伏せるロンの姿にそんなにスリザリンが嫌なの?とハリーが首を傾げている。

 

「まあ俺としてはどの寮もどんぐりの背比べもいい所だけどね」

 

「え?」

 

「勇気を尊ぶグリフィンドールも寄ってたかってスリザリン生をいじめることがあるし、闇の魔法使いを排出することだってある。レイブンクローは知識以外の存在に興味を持たないし、スリザリンは言わずもがなだ。一番まともなのはハッフルパフじゃないかな。悪いところを強いてあげるなら優柔不断なところくらいだ」

 

「だけどグリフィンドールにはあのダンブルドアがいたんだよ!?」

 

「それを言ってしまえば創始者がいるだろう?どの寮も変わらないよ」

 

ダンブルドアは偉大だが、他にも偉大な者は幾らでもいる。ホグワーツの創始者や、形は違えどヴォルデモートだって捉えようによっては偉大な者だし、他に言うならグリンデルバルドやエクリジスだって偉大だ。

 

「物は考えようだよ、ロン。一つの物事だけに目を向けるんじゃなく、もっと広くを見るべきだ。だけど、スリザリンには一個だけ大きな欠点がある」

 

「それはなんなの?」

 

「恐らく、あの哀れなマルフォイが入ることだ」

 

そう言うと、ロンとハリーは顔を見合わせて、同時に爆笑した。

 

そうこうしていると、扉をガラリと誰かが開ける。栗毛の女の子と丸顔の男の子だった。

 

「ごめんね、僕のヒキガエルを見なかった?」

 

「ヒキガエル?逃げ出してしまったのかい?」

 

「みたいなの。見てない?」

 

栗毛の少女が威張ったようにそう言うと、困ったように頷いた丸顔の男の子はメソメソと泣き出してしまう。ロンがそれを何とかなだめようと話しかけていると、ハリーはあっと声を出した。

 

「ねぇ、君この時計を握ってそのヒキガエルを思い浮かべて?」

 

「え、う、うん」

 

ハリーが渡したのは俺が誕生日プレゼントにあげた時計だ。考えたな、ハリー。あの時計にはものの場所を指し示す能力がある。

 

「えーっと、あっちかな?」

 

「ナイスだハリー。キミ、名前は?」

 

俺は二人を案内するためにコンパートメントを出て、時計を見せて貰いながら先導する。

 

「僕はネビル。ネビル・ロングボトム」

 

「OK、ネビル。よろしく。そちらの君は?」

 

「ハーマイオニーよ。ハーマイオニー・グレンジャー」

 

「俺はノアだ。よろしく」

 

「ええ、よろしく」

 

ヒキガエルを探しながら雑談していると時計の指し示す先へと向かう。時計が下を向くと、その場所は列車と列車を繋ぐ場所を指していた。

 

「ほら、ここだ」

 

「トレバー!良かったぁ…ありがとう!」

 

「これはあの女の子…ハリーの提案だからね。お礼はハリーに」

 

「ハリーって、あのハリー・ポッター?」

 

「ああ、そうとも。でも、あまり騒ぎ立てないであげてくれよ?目立つのが嫌いだからね」

 

「ええ、わかったわ」

 

ハーマイオニーとネビルと雑談しつつコンパートメントへと戻る。

 

「ありがとうハリー!」

 

「どういたしまして。もう目を離しちゃダメだよ」

 

ハリーに礼を言ってネビルたちは去っていく。すると、列車が少しずつ停車し始めた。

 

「ついたな、降りる準備をしようか」

 

荷物を持って列車を降りると、大量の生徒に溢れかえっており、何が何だか分からない状況になっていた。

 

だが、そんな状況でもよく目立つ人物が一人居た。

 

「イッチ年生は俺んとこに集まれ!おーう!ハリー、ノア!よう来た!ほら、イッチ年生は集まれ!」

 

大量の生徒たちの中でも一際目立つ巨体のハグリッドが一年生を集める。二年生以上は別ルートで行くようで、バラバラと違う道へと歩いてく先輩であろう人々。

 

「イッチ年生は俺と一緒にボートでホグワーツだ。なあに安心しちょれすぐに着く」

 

そういうハグリッドについて行くと、船着場へと辿り着く。四人一組になって船に乗り込むと、勝手に船が動き出す。

 

「頭さげい!!」

 

ハグリッドの声が聞こえ、反射的に頭を下げる。そして、顔を上げるとそこには、ホグワーツ城がそびえ立っていた。

 

「うわぁお…すっげぇや」

 

「綺麗…」

 

ハリーとロンが城を見て呆然としているのを見て苦笑していると、船がホグワーツ城の近くに停まる。

 

「マクゴナガル先生、イッチ年生を連れてきました」

 

「お疲れ様ですハグリッド。ここから私が引き継ぎます」

 

「お願いします」

 

ハグリッドが俺たちの方に手を振って立ち去っていく。マクゴナガルが呆れたようにハグリッドを見ていたが、気の所為ということにしておこう。

 

「さて、みなさんまずは入学おめでとうございます」

 

凛とした声が響き、その声を聞いた生徒たちは無意識にすっと背中を伸ばす。

 

「これから皆さんはホグワーツの生徒として7年を過ごすことになり、これからその7年間をどの寮に所属するかを決める組分けが行われます」

 

生徒たちがざわざわと話し始める。まあ俺としてはどの寮でも良いんだけどなぁ。どうせグリフィンドールだろうけど。

 

「しかしどの寮に所属しようとも、皆さんがホグワーツの一生徒と言う事には変わりありません。相応しい振る舞いを心掛けるようにしてください」

 

そういうや否や、城の中に入っていくマクゴナガル先生に俺たちはついていく。すると、にゅっと天井をすり抜けるようにして何かが現れた。

 

「うわぁ!?」

 

「ははは、驚かせてすまんね。新入生諸君、ご機嫌いかがかな?」

 

ホグワーツ城に住む、ゴーストの一人であるサー・ニコラスと呼ばれるゴーストだな。またの名をほとんど首なしニック。

 

「サー・ニコラス、あまり新入生を驚かせないように」

 

「ああ、すみませんな。では、大広間でまた」

 

すっと床をすり抜けて消えていったゴーストに周りの生徒たち…とくにマグル生まれの生徒たちは顔を引き攣らせていた。安心して欲しい、あんなのは序の口だから。

 

時々現れるゴーストに悲鳴を上げる生徒たちの声が響いたり、軽い雑談の声が響く中、ピタリとマクゴナガル先生が立ち止まる。

 

その前には大きな扉。大広間へと繋がる扉だ。

 

「では、これより組み分けを行います。みなさん、用意はよろしいですね?」

 

そう言って、マクゴナガル先生は扉を開く。大広間は天井には、魔法によって美しい星空が作り上げられており、四つの大机には左から寮ごとに別れて先輩たちが座っており、奥にある長机には教師たちが座っていた。

 

そして、その中央にはホグワーツ校長のアルバス・ダンブルドアが座っていた。…おい、こっちを見てウインクをするな目立つだろう。

 

「では、名前を呼ばれたものから前に来なさい。ハンナ・アボット!」

 

という感じで生徒たちが次々と呼ばれ、帽子を被せられると帽子が寮を叫び、その寮にその生徒は所属したことになる。

 

「ねぇ、ノア。私たち同じ寮になれるかな?」

 

「さあ、それは分からないけど…まあ、別の寮でも何時でも遊びに来てくれればいいよ」

 

そんな会話をハリーとしていると、ついにハリーの番になったらしい。

 

「ハリー・ポッター!」

 

ハリーの名が呼ばれた瞬間、生徒たちがざわめき出す。今年入学するマグル生まれの生徒たちですら知っているビックネームだからだ。

 

ざわつき出した生徒たちを煩わしそうに見たあと、面倒くさそうに席に着くハリー。

 

マクゴナガルが帽子を乗せるが、今まで被せてから長くて一分程度で寮分けがされていたはずなのに、五分近くたっても寮分けがされない。

 

「グリフィンドール!」

 

「ポッターを取ったぞ!!」

 

ロンや先に呼ばれていたハーマイオニー達がハリーを迎えるのを見て、自分の番はまだかと静かに待つ。正直、この組み分けは自分の番が来るまで非常に暇だ。ハリーやロンたちはもう組み分けされたため話し相手すらいない。

 

「ノア・グリフィンドール!!」

 

ようやく名前が呼ばれた。周りにいた生徒たちがピタリと固まる。俺の名字のせいだろう、あちらこちらでグリフィンドール?という声が上がっていた。

 

『む、これは…すまないが、閉心術を解いてはくれんかね?』

 

「あ、忘れてた。済まない」

 

『おお!やはり貴方は…!いや、野暮なことは言うまい。貴方には全ての寮へ入る資格がある。どの寮が良いですかな?』

 

「えぇ…じゃあグリフィンドールで」

 

『かしこまりました。グリフィンドール!!!』

 

グリフィンドールの席へ向かおうとした途端、周囲にいた全てのゴーストが一列に並び、俺に向けて最敬礼をしてくる。ええいやめろよ!目立つだろうが!

 

拍手すら起こらない奇妙な沈黙の中グリフィンドールの席につき、チラッとダンブルドアの方を見るとウインクをしてくる。イラッと来ちまったぜ…!

 

「ノ、ノア!キミってグリフィンドールの直系だったのかい!?」

 

「まあね。こうなるからあまり名前を告げるのは好きじゃないんだけどね」

 

ロンが周りの迷惑にならないように詰め寄ってくる。こうなるから名を公言するのは嫌いなんだ。イギリス魔法界においてグリフィンドールの名は良くも悪くも目立ちすぎる。

 

「おいおい!グリフィンドール家の王子様だったのかよ!」

 

「もっと早くに教えてくれても良かったんだぜ?」

 

「フレッドにジョージ?いやまあ、あんまり目立ちたくないしね」

 

そんなふうに色んな人に囲まれながらその日は終了した。ああ、疲れた。俺もハリーも質問攻めで大変だった。

 

「はぁ、叶わぬ夢だけど…平穏に過ごしたいなぁ…」

 

ま、無理なんですけどね!




グリフィンドール家
イギリス魔法界において非常に強い力を持つ一族。その権力は、魔法大臣と対等とも評される。ノア曰く、さすがにそこまでの権力は無いとの事らしい。でも、やりようによっては法律を変えることくらいは出来るらしい。
昔、グリフィンドール家の子供が攫われたことから、代々グリフィンドール家の長男にはにおいの魔法をつけないことになっている。

ゴーストたち
ノアには最大限の敬意を持って接する。理由は定かではないが、ただグリフィンドール家の生まれだからという理由ではない模様。
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