【凍結】少し歪んだハリー(♀︎)をどうにか支えたい転生オリ主の話 作:わんだー
目を覚まし、ハリーに謝るとハリーは優しく許してくれたが。面倒なのはフレッド&ジョージだった。
「やあグリフィンドールの王子様!お姫様の膝からお目覚めかい?」
「目覚めないお姫様が目を覚ますのは王子様のキスだけど、君はどうやって目覚めたんだい?」
そう言って騒ぎ散らかすものだから、めんどくさくなってニッコリ笑いながら杖を向けるとニヤニヤ笑いでこちらを見てくるフレッドとジョージ。
「おっ、魔法か?どんな魔法をかけるんだ?」
「こうするのさ」
軽く二人に向けて杖を振るうと、二人の髪型が勝手に七三分けに変わる。そのついでに口調も敬語しか話せなくする。とはいえ、本当に二人が敬語を話している訳ではなく、魔法で敬語に翻訳して流してるだけなのだが。
「え、何が起こったんですか?」
「フレッドさん、口調がおかしいですよ…私も!?」
「二日間ほどそのまま過ごすと良い。人をからかうとこういうことになると身に染みるだろう」
ニコリと笑ってハリーやロンと合流する。背後ではフレッドとジョージがどうにか呪文を解こうとしていたが、解けない。無駄に高度な呪文だからな、簡単に解けると思うな。
「すごいやノア。あの二人をあんな簡単にあしらうなんて」
「ノアって案外容赦ないんだね」
尊敬したように見てくるロンと呆れたように呟くハリー。そんな二人を促して朝食を取りに大広間へ向かう。
「ミスター・グリフィンドール。ダンブルドア校長からお手紙が届いていますよ。それと、ミスター・フレッドとミスター・ジョージにかけた呪文は見事でした。グリフィンドールに3点差し上げます」
「マクゴナガル先生?ありがとうございます」
大広間に行く途中にすれ違ったマクゴナガル先生から手紙を渡される。ついでとばかりに点数を貰う。多分フレッドとジョージに手を焼かされていたんだろうなぁ…。蝋で封をされた手紙を取り出す。
「何が書いてあるんだい?」
「なんでも、今晩校長室へ来るようにだとさ、しかも校長室の合言葉付き」
「合言葉がアップルパイなんておかしいね」
「まあ、ダンブルドア先生だからな」
あの人ほどお茶目な人はそうそう居ないだろう。というか居てたまるか。あれでも校長なんだなぁ。
「今日はなんの授業があったかな」
「確か薬草学、魔法史、妖精の呪文、変身術だったかな」
「ああ、そうだったね。薬草学や魔法史、妖精の呪文はまだしも変身術は遅れるとまずい。何せあのマクゴナガル先生が教えてくれる教科だからね」
「うげっ、あの先生怖いんだよなぁ…」
まだマクゴナガル先生の授業を受けてすらいないのに、もう既に怖い判定されている。まあ見ただけで厳格な教師なのは分かるが。
「とりあえず朝食をさっさと食べようか」
★★★
薬草学、魔法史、妖精の呪文が終わり、次は変身術の授業だ。遅れるとまずいので、早めに教室へと向かう。
「ねぇ、ノア次はどっちに行けばいいの?」
「ああ、次はその階段で5秒止まってくれ」
俺が指定した階段に俺とロン、ハリーが乗って5秒経つと階段が動き始め、また別の所へ行けるようになる。
「あの先に変身術の教室がある」
「というか、なんで階段が動くんだろう?」
「それはね、階段の移動パターンを覚えれば殆ど動くことなくあらゆる教室へ行けるようになるんだ」
ま、そんなことはそうそう出来ないが。俺は一応全パターンを覚えてはいるが、今でもどこに行けばいいのか迷う時がある。
「えー…これのパターンを覚えるの?」
「まあ覚えなくてもハリーの時計を使えば大抵の場所へは辿り着けるけどね」
「あっ、そっか」
行きたい場所を教えてくれる機能があるからね。まあ方向だけなんだけどさ。
変身術の教室に入ると、半分くらいの生徒が既に席について雑談をしていた。そして、机の上には一匹の猫が座ってこちらを見つめていた。その猫に向けて軽くウインクをすると猫も片目を閉じてウインクを返してくれる。
「ノア?どうしたの?」
「なんでもないよ。さあ、授業の用意をしておこうか」
「えー、まだ時間あるぜ?」
「まあまあ、早く用意しておいて困ることは無いだろう?」
教科書と羊皮紙、羽根ペンやインクを一通り用意する。用意を終えて雑談をしていると授業開始の鐘が鳴る。
その鐘の音と同時に俺は雑談を打ち切る。気がついているのに雑談するほど馬鹿じゃない。
周りはまだマクゴナガル先生が来ていないと思っているのか、会話を続けていた。ハリーやロンも俺が会話を打ち切ったから話すことはしていないが不思議そうに首を傾げていた。
「──静粛に。授業開始の鐘は既になっていますよ」
猫がふわりと立ち上がり、机を飛び降りるとその姿は瞬く間に人の姿に変わる。マグル生まれや魔法族の生まれも関係なくピタリと固まりその光景に魅入る。
それどころか先程マクゴナガル先生の使用した魔法
「よろしい、静かになりましたね。今回は初めの授業ということで大目に見ますが、次からは鐘が鳴ったら静かにするように」
そう言ってマクゴナガル先生はぐるりとクラスを見渡し、淡々と話を続ける。
「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの一つです。いい加減な態度で受けるようならば、私の授業では教室から出て行ってもらいます。二度とクラスに入れません。わかりましたね?」
厳しくそういうと始まったのはほかの授業とは一線を画すレベルの難解な板書。予習をしていたハリーやハーマイオニー、数名の生徒以外は書き取りで精一杯と言った感じだった。
グリフィンドールにいつも突っかかってくるスリザリンもこの授業ばかりはほかのことを気にする余裕もないようで、こちらには目もくれず板書に耽っていた。
「さあ、皆さん。これから皆さんにはこのマッチ棒を銀の針にして頂きます。…ああ、ミスター・グリフィンドールは結構。貴方は他の生徒にやり方を教えるように」
そういうと俺以外の全員の目の前にマッチ棒を配布するマクゴナガル先生。
「ミスター・グリフィンドール、皆さんにお手本を見せて差しあげなさい」
「分かりました」
ハリーに配られたマッチ棒を借りて、杖を振るとそのマッチ棒は瞬く間に不死鳥の尾羽の装飾があしらわれた銀の針に変わる。
「結構。グリフィンドールに五点。いいですか、初めは装飾を付けようなどと思わなくて結構です。少しずつで良いので針に変えてください」
針をマッチ棒に戻してハリーに渡す。ハリーやロンは何度もマッチ棒に杖を振っていたが一向に変化する様子はない。
「なんでだろう…」
「変身術を行うときは、杖をはっきり動かすことが大事だ。不必要に揺らしたり、くるくる回したりすると確実に失敗する。まずは変身呪文を唱える前に、つくり出したい姿をはっきりと心に思い浮かべてみろ」
「こう?…あ、ちょっとだけ変わった!」
「良いね。それを何度も繰り返せばいつか出来るようになる」
俺の説明を聞いていたのか、ロンも少しだけマッチ棒に銀色が出ていた。なんだかんだロンも優秀なのだろう。自分に自信が無いだけで。
数分格闘していると、ハリーはマッチ棒の半分くらいまでが針に変わり、ロンもマッチの火をつける部分が針の糸を通す部分に変わっていた。
「おお、ミス・ポッター。初めての授業でここまで変化させれれば十分以上です。それにミスター・ウィーズリーもです!グリフィンドールに三点あげましょう」
滅多に見せない笑顔を二人に向けてマクゴナガル先生は立ち去って行った。ハリーは少しだけ笑顔を浮かべ、ロンは驚いたように固まっていた。
「もっと怖い先生かと思ってた」
「私、マクゴナガル先生好きかも」
厳格ではあるが、生徒のことをよく見ている良い先生なのだ。クィディッチの時以外はね。
「さあ、皆さん。今日の授業はここまでです!しっかりと復習しておくように!」
そう言ってマクゴナガル先生は教室から出ていく。そして、本日最後となる授業を見て、グリフィンドール生たちからはため息が、スリザリン先たちからは笑顔が漏れていた。
まあつまるところ次の授業は魔法薬学なのだ。スネイプ先生に絡まれなければいいんだけど…。無理か?…まあ無理だな。
マクゴナガル先生がホグワーツの教師で一番好きです。次点でダンブルドア校長。多分マクゴナガル先生を極端に嫌ってるホグワーツ生ってそうそう居ないんじゃ無いかなって思うくらい教師の鏡だと思うんですよね。スリザリン生は例外ですけど。