農家「あなたは農業好きですか?yesか農家で答えてください」 作:寝た奴が悪い
早朝雀のチュンチュンという鳴き声で男は眠りから目を覚ました。さて、今日も仕事頑張ろうと布団から起き上がろうとした。
しかし完全に覚醒しきってはいないが強烈な違和感を感じた。
「布団?確か昨日は台所で寝ていたような・・・」
何故自分は布団で寝ているのか?昨日は台所で寝てしまったような・・・
なぜか起き上がろうにも体が動かない。がっちり体をホールドされている感じだ。
そして何故かいい香りがする。心が落ち着く香りだ。
胴体は動かせないが頭は動かせるため周囲を確認する。
天井は多分自室で間違えないだろう。
夜中に起きて部屋に戻っただけか、と男は安堵した。
右を向く。自室の壁が見える。
だけど、体が動かせないのは病気的なものだろうか、と今度は不安になる。
左を向く。自室の壁が見える。
見えるが本来あり得ないモノが見えた。
布団から黒髪とウマ耳が見えたのだ。つまり布団に何者かがいる。一夜を共にしていたのだ。
「は!?何事!?誰!?何者!?オヌシナニモノ!?」
思考が追い付かない男。
男の声に反応するようにウマ耳がピクピクと動く。その後モゾモゾと布団が動き、ウマ耳の持ち主の顔が見えた。
「・・・おはようカズちゃん。よく眠れたかな?」
なんとランが布団で寝ていたのだ。
「・・・お、おはようございますランさん。あの・・・何があったのでしょうか?」
「何がねぇ~。…えへへ。」
ランはイタズラっぽく笑うと頬を少し染めて男の耳元で囁く
「カズちゃん。昨晩はお楽しみでしたね。お姉ちゃんは大満足だったよ」
「おっお楽しみ・・・大満足・・・はっ!?」
ランからの衝撃の言葉に男は再び意識を手放した。ショックのあまり気絶したのだ。
その後
「も~。カズちゃんをからかっただけだから。何もしてないし、何もなかったんだって。だから土下座なんて止めてよ。」
気絶から復活した男はすぐに土下座をした。
男の意地か、はたまた女性関係の無さがそうさせたのか。理由はわからない。しかしその土下座の姿勢はそれはそれは見事な姿だった。
「何もなかったとしても、ランさんと一夜を同じ布団で過ごした事実は変わりません。どうか許しを。」
「そんなに重く受け止めなくても。後恥ずかしいから同じ布団とか言わないで」
「いえ。重くなどありません。なんでもしますので、どうか許しを。」
男は気づかなかったのか、この状況でハイリスクノーリターンの言葉を口にする。
そしてその言葉を聞き、ランの表情はとても悪い考えをしていた。耳はピンピンに立ち、尻尾は千切れるのではないか心配になるレベルでブンブンに振っている。
「へ~。(なんでも)ね~。カズちゃん本当に(なんでも)してくれるの?」
「はい。許しをもらえるなら、なんでも致します。」
「・・・わかりました。お姉ちゃん今日の夕方18時にまた来るから、その時にお話しましょう。」
「ありがとうございます。ただこの事はだれにも言わないで下さい。お願いします。」
「わかりました。お姉ちゃんは誰にも言いません。じゃあまた後で」
そう言うとランは部屋を出て行った。
最後まで悪い表情は崩さず、尻尾はブンブンに振っていた。