日本ウマ娘トレーニングセンター学園。通称トレセン学園。
みんなもう知ってるから説明は省く。
そこのトレーナー室の端の端。
およそ6畳半のハズレ部屋。
そこに居る、彼の名は。
コンコン
ノック音が聞こえる。誰かが扉を叩く。
「どぞ〜··········」
ガラッ
「失礼します。あら、まだ寝ていたのですか?」
「たずなサン·····何の用ネ。部屋の家賃は払ってるぞ」
「理事長から手紙です。」
「へいへい。えーっと眼鏡眼鏡··········」
『拝啓
もう間もなく梅が芽を開く季節ですね。』
「梅初夏の頃ヨ」
『貴公に置かれましてはトレーナーとしてますますご発展のこととお慶び申し上げます。』
「今年は何も頑張ってないヨ、俺。」
『つきましては新しいパートナーとの契約を締結させ、早期なれど職務に尽力していただきたく存じます。以上!』
「··········つまり働けってことか。通りで短い文だネ」
「まあ、今年は例年と違って燻ってるウマ娘が多いですからね。異例の大雪で冬のレースが殆ど中止になるなんて、想像できませんでしたから。今年の春は荒れますよ〜」
「僕はあんまり乗り気じゃないけどネ·····」
彼、鴫原凱は不運で不遇だった。
「ところで、えーっと··········」
「たづなです。駿川たづな」
「ああそうだった。たづなさん」
時折起こる、記憶障害。
「お薬、ちゃんと飲んで下さいよ」
「わかってますよ。んくっ。すみません、そこの呼吸器、ングっ、取って·····」
「はい。朝は大変ですね」
「ッスウ·····ふう·····ほんとですよ」
喘息と肺胞の異常による呼吸障害。
「朝ご飯も食べてくださいね」
「味しませんけどネー」
味覚と嗅覚の異常。
パリン!
「あ··········クソっ」
「もう、大丈夫ですか?」
四肢の痙攣。
彼は生まれつき脳だけでなく体に異常を持ち、さらにはアレルギーを4つほど持っている。
医者には「不運」と言われ、周りからは「不幸」と言われた。
「午後から行きます。たづなさんは?」
「私は、今から校門で遅刻監視です」
「そりゃ大変ダ。急いでください」
これは、彼と疾走の天使達の話···············
主人公
プロフィール
不運の人。四肢の痙攣、肺、味覚、嗅覚、記憶神経の異常と4つのアレルギーに喘息持ち。医者から生きているのが不思議と言われるほど。本人曰く『生き地獄』
趣味
ボードゲームやテレビゲームは幼少期の入院中に始め、今でも続けている。入院時期が長かったため、ダラダラすることにかけては、まさにプロ級。
座右の銘
決して曲げるな反骨精神。