ちょっと短めです。
いきなりエアシャカールside··········
トレーナーが決まって何か色々変わるかと思ったが、案外そうでもねェ。
トレーナーの指針は、ウマ娘のやりたい事を徹底的に強化するらしい。1日目のトレーニングでは、
「体幹を上げる」
と言い出し、トレーニングルームで体幹祭り。
この数式の走りに近づくには、体を上げるピッチ走法ではなく、歩幅を広げるストライド走法を極限まで鍛え上げるそうだ。
「こんなのっ、なにがっ、できんっ、だよ!ハァ·····」
「いいゾ〜ハムストリングスが仕上がってきた」
バーベルでのスクワット、プランク、ランジと体幹を徹底的に虐める。
「走るのに最も重要視される筋肉はどこか知ってるか」
「·····体幹と脛、あとは裏モモ」
「惜しいがハズレだ。正解は、腕だ」
最初聞いた時は、流石の俺でも少し考えた。
「··········振りか」
「Excellent!ヒトの体である以上、足の動く範囲、歩幅の範囲は全て腕に委ねられる。腕を速く動かせれば、足はそれだけ前に速く動く!」
ベンチプレスに、プランカーカールなどで上腕二頭筋を鍛えた。
「ッハァ·····終わった··········」
「お疲れさん。ほれ」
トレーナーは筋肉こそ無いものの、体の鍛え方をよく知っている。
「げ、このプロテイン不味いぞ」
「美味さ考慮すんなプロテインに······」
トレーニングをやってまだ1日だが、コイツの事がよくわかっていない。
「さ、早めに寮に戻れよ。フジがキレるぞ」
「おいトレーナー」
まあ、計算に必要ないことは聞く必要ねェな。
「忘れてるぜ、薬」
「お、悪いな」
··········俺には関係ないことだ。
β2刺激薬、エピペン、抗ステロイド吸入器に小型酸素吸入器。
それに鎮痛剤と精神安定剤··········明らかに喘息だけじゃねぇ。
抗ステロイドやβ2刺激薬は喘息に使われるが、酸素吸入器や鎮痛剤は喘息なんかじゃ使わない。
脳系、神経系ってとこか?だとしてもなんであんな薬を服用して··········
「チッ、なんで俺がこんな考えんだよ!」
「お、おうどうしたヨ」
自分の心が解らねぇ。なんでアイツの事を考えてんだ?
「··········フジキセキは知ってるのか?」
「まあ、一応な。契約の時に伝えた。詳しいことはまだだけど、いつか話すよ」
そのいつかは来るのか?
「その不便な体で、よくトレーナーなんて続けられるよな。辛くねぇのか?」
「お前、優しいナ」
急に言われて、飲んでいた水を吹き出した。
「ハ、ハァ!?お、おお俺が優しいだと!?」
「めっちゃ優しいヤツだよお前は」
思わず声が裏返って、赤面する。
「いつか話す。それまでは自分のことに集中してろ」
「···············チッ」
「そうそう、それでいいんだ」
ここからコイツとの日々はどうなるかなんて興味無いが、
(キャラが崩れるぜ···············)
この気持ちの正解くらいは見つかるか。
『ノイズは不要』はSSRエアシャカールのイベント名です。