不運で不遇な彼と疾走する天使達。   作:気まぐれな富士山

4 / 6

ちょっと短めです。


Mathematician/ノイズは不要

いきなりエアシャカールside··········

 

 

トレーナーが決まって何か色々変わるかと思ったが、案外そうでもねェ。

トレーナーの指針は、ウマ娘のやりたい事を徹底的に強化するらしい。1日目のトレーニングでは、

 

「体幹を上げる」

 

と言い出し、トレーニングルームで体幹祭り。

 

この数式の走りに近づくには、体を上げるピッチ走法ではなく、歩幅を広げるストライド走法を極限まで鍛え上げるそうだ。

 

「こんなのっ、なにがっ、できんっ、だよ!ハァ·····」

「いいゾ〜ハムストリングスが仕上がってきた」

 

バーベルでのスクワット、プランク、ランジと体幹を徹底的に虐める。

 

「走るのに最も重要視される筋肉はどこか知ってるか」

「·····体幹と脛、あとは裏モモ」

「惜しいがハズレだ。正解は、腕だ」

 

最初聞いた時は、流石の俺でも少し考えた。

 

「··········振りか」

「Excellent!ヒトの体である以上、足の動く範囲、歩幅の範囲は全て腕に委ねられる。腕を速く動かせれば、足はそれだけ前に速く動く!」

 

ベンチプレスに、プランカーカールなどで上腕二頭筋を鍛えた。

 

「ッハァ·····終わった··········」

「お疲れさん。ほれ」

 

トレーナーは筋肉こそ無いものの、体の鍛え方をよく知っている。

 

「げ、このプロテイン不味いぞ」

「美味さ考慮すんなプロテインに······」

 

トレーニングをやってまだ1日だが、コイツの事がよくわかっていない。

 

「さ、早めに寮に戻れよ。フジがキレるぞ」

「おいトレーナー」

 

まあ、計算に必要ないことは聞く必要ねェな。

 

「忘れてるぜ、薬」

「お、悪いな」

 

··········俺には関係ないことだ。

β2刺激薬、エピペン、抗ステロイド吸入器に小型酸素吸入器。

それに鎮痛剤と精神安定剤··········明らかに喘息だけじゃねぇ。

抗ステロイドやβ2刺激薬は喘息に使われるが、酸素吸入器や鎮痛剤は喘息なんかじゃ使わない。

脳系、神経系ってとこか?だとしてもなんであんな薬を服用して··········

 

「チッ、なんで俺がこんな考えんだよ!」

「お、おうどうしたヨ」

 

自分の心が解らねぇ。なんでアイツの事を考えてんだ?

 

「··········フジキセキは知ってるのか?」

「まあ、一応な。契約の時に伝えた。詳しいことはまだだけど、いつか話すよ」

 

そのいつかは来るのか?

 

「その不便な体で、よくトレーナーなんて続けられるよな。辛くねぇのか?」

「お前、優しいナ」

 

急に言われて、飲んでいた水を吹き出した。

 

「ハ、ハァ!?お、おお俺が優しいだと!?」

「めっちゃ優しいヤツだよお前は」

 

思わず声が裏返って、赤面する。

 

「いつか話す。それまでは自分のことに集中してろ」

「···············チッ」

「そうそう、それでいいんだ」

 

ここからコイツとの日々はどうなるかなんて興味無いが、

 

(キャラが崩れるぜ···············)

 

この気持ちの正解くらいは見つかるか。

 





『ノイズは不要』はSSRエアシャカールのイベント名です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。