ポケットモンスター:エキスパンションレポート 作:224番道路
レポートNo.110
次の被験者を見つけた。
医者を装い、血液採取も済ませた。
あの子で最後だ。今度こそ実験を成功させる。
脳波、脈拍、血液の循環、すべて遠隔から把握できるよう機材は整えた。
何度も言う。失敗は許されない。これが最後だ。
今までの実験のデータを再検討し、確実に成功させるよう全力を尽くす。
もう後がない。時間は前にしか進まない。
我が一族の誇りと共に、俺も全てを懸ける。
とある大学教授の許に届いた留守番電話
こんにちは、シロナです。
先日、先生がおっしゃった文献の件ですが、あたしの知り合いの……ホウエン地方の化石マニアなんですけど、その彼が持っているみたいでした。
かなり昔の論文だからか、ネットやジャーナルには掲載されていないようで、現物が数点だけで回っていたそうです。
今の彼には不要の代物だったようなので、あたしが譲り受けました。
後で先生に送っておきます。
先生が受け持つ学生さん、そろそろ論文が大詰めに入っている頃と思います。先生もお忙しいと思いますが、たまには息を抜いてくださいね。
それでは。
【ポケモンニュース】きとうし・イタコ・サイキッカー オカルト座談会
例年からは想像もできないほどの大盛況となったオカルト座談会。今回のゲストは、毎年恒例となった『イタコ』のサワコ氏、『きとうし』のムネ氏、そして今年は『サイキッカー』のリュウゾウ氏も加わり、計3名での講演となった。
「最初は数名のみで楽しんでいた集会が、気付けばここまで大きなものになってしまった。嬉しいような恥ずかしいような、不思議な気持ちです」
ムネ氏はそう語る。
こうして満員御礼の中始まったオカルト座談会。まずはお決まりとなった「本当にあった怖い話」を始め、3名それぞれが、特殊な職業ならではの面白い話を語るなどし、例年とは少し雰囲気が変わり、会場が笑いに包まれる場面も。
そんな中、『イタコ』サワコ氏の語った内容が興味深い。
レポートNo.111
私には、あなたがそこまで必死になる理由が全く分かりかねますがね。
自分が犯した罪というのなら納得できますが、一族の罪、すなわち他人の罪ではありませんか。
そもそもあなたの話を聞いていると、果たしてそれが本当に罪と言えるのか、判然といたしません。
仕方のない事だと思いますがね。
時代や世間、あるいは社会の流れとも言えましょう。
そして、そうした大きな流れに対し、人はあまりに無力です。
それに流されてしまうのを罪と断ずるのは、あまり好ましくはありませんね。
かと言って、別段この実験を拒否する理由も、私にはございません。
あなたの望むままに、どこまでも付き合いましょう。
私は、迷える皆様の味方ですので。