ポケットモンスター:エキスパンションレポート 作:224番道路
とあるおとぎ話
むかしむかし あるところに
とてもしんせつな わかものが おりました。
わかものは きずついた ポケモンを みかけると
かならず たすけ きずの てあてをし
なかまの もとへ かえしたり と
とても ポケモンおもいの やさしいわかもの でした。
あるひ の こと
わかものが ちかくのまち から かえってくると
いえ の ちかくに
1ぴきの ポケモンが たおれているのを みつけました。
ふしぎな ふしぎな ポケモンでした
からだは まっくろで
かわった かたちを しており
からだの まんなかに おっきな めが あります。
そのポケモンは からだじゅうが きずだらけで
とっても くるしそうに ふるえています。
「これは たいへんだ」
わかものは いそいで そのポケモンを いえに つれかえると
ちりょうを してあげました。
わかものは いままで たくさんの ポケモンを
ちりょう してきた ので
きずついた ポケモンを たすけるのは
だいの とくいです。
とくべつなくすり を ぬりぬり。
ほうたい を やさしく まきまき。
さいごに
ふかふかの ふとんに ねかせて すやすや。
くるしそうだった ポケモンは
すっかり いたみが なくなったのか
とても きもちよさそう に ねむりました。
つぎのひ わかものが め を さますと
そのポケモンは げんきそうに
いえのなか を はねまわって いました。
よかった よかった げんきに なったんだな。
わかものは うんうん と うなずきました。
そのポケモンも わかものを みて
うんうん と うなずく まねを しました。
しかし そのポケモン の からだには
まだまだ きずが たくさん のこっています。
なので わかものは
そのポケモンの きずが すっかり なくなるまで
いえに すませる ことに しました。
わかものは そのポケモン を
『まっくろ』と よびました。
まっくろ は とっても よわく
1ぴきでは ムックル にも まけそうでした。
だから わかものは
まっくろ が また きずだらけに ならないよう
ずーっと やさしく めんどうを みて あげました。
そして なんにちか たったころです。
わかもの の いえに たくさんの ポケモンが やってきました。
その ポケモンたちは
まっくろ と とっても にた かたちを していました。
わかものは おもいました。
まっくろ の なかまが むかえに きたんだ。
わかもの が おもったとおり でした。
いえ から とびだしてきた まっくろ は
なかまたち の おむかえに おおよろこび。
ぴょんぴょん と げんきに はねまわりました。
ちょうど まっくろ の からだの きずも
なおってきた ころです。
なので わかものは まっくろ を
なかまの もとに かえすこと に しました。
「じゃあな まっくろ げんきでな
こんど は なかまと はぐれるんじゃ ないぞ」
わかものは えがおで まっくろ を みおくりました。
しかし どうしてでしょう。
まっくろ と そのなかまたち は
なぜか かえろうと しません。
どうしたんだろう と わかものが おもっていると
まっくろ が まっすぐ
わかもの の まえ まで くると
なんと ことばを しゃべりだしたのです。
「わたしを たすけてくれて ありがとう
わたしを たすけてくれた あなたに
おんがえしが したいのです」
わかものは びっくり しました。
けど すぐに おちつくと
こう ききかえしました。
「おんがえし なんて いらないよ
きずついた ものが いたら
たすけるのは あたりまえ じゃないか」
すると まっくろ は いいました。
「あなたは とても すてきな にんげんです。
ポケモンを あいして
ポケモンと いっしょに いきることが できる。
そんな あなただから
わたしは おんがえし が したいのです」
わかものは しつもんを しました。
「おんがえしって いったい
どんなこと を するんだい」
まっくろ は こたえました。
「あなたに わたしたちの 『ことば』を あげます。
それは ポケモンの 『ことば』です。
ポケモンの 『ことば』を つかえば
あなたは ポケモンと じゆうに おしゃべりが
できるように なります。
その ちからを つかえば
あなたは もっともっと ポケモンと なかよくなり
ポケモンを たすけ
そして ポケモンから たすけられる。
どうか ポケモンの 『ことば』を
うけとって くれませんか」
まっくろ は とても やさしい まなざしで そう いいました。
わかものは うーん と なやみました。
そして いいました。
「おんがえし を したいと おもってくれて ありがとう。
とっても うれしいよ。
けれど やっぱり ぼくは うけとれない」
まっくろ は 「どうしてですか」 と きくと
わかものは こたえました。
「たしかに ポケモンと おしゃべりが できれば
とっても たのしいだろう。
これから もっともっと おおくの ポケモンを
たすけること が できるかも しれない。
けれど 『ことば』が わかってしまうと
こんど は 『こころのこえ』が きこえなくなって しまう。
このポケモン は なにを おもって いるのだろう。
なにを かんがえて いるのだろう。
そういうこと が わからなくなって しまうんだ。
『ことば』も だいじ だけれど
ぼくは 『こころのこえ』を もっと だいじに したい。
だから ポケモンの 『ことば』は
うけとれないんだ」
わかものが そう いうと
まっくろ は あのひ の わかもの の ように
うんうん と おおきく うなずきました。
「やっぱり あなたは とても やさしい にんげんです。
おんがえし が できないのは ざんねん だけど
あなたの ような やさしい にんげんと であえて
わたしは とっても しあわせです。
わたしを たすけてくれて どうも ありがとう」
そう いうと まっくろ と そのなかまたち は
ぐるぐる と おおきく うずをまいて
そらの むこうへと とんで いきました。
「これから あなたの じんせいには
こうふくが おとずれるでしょう。
どうか おげんきで。
さようなら ありがとう」
「こちらこそ であってくれて ありがとう。
たっしゃでな」
わかものは そう いって
とんでいく まっくろ たちを
てをふって みおくりました。
そのひ から わかものは
いままで よりも がんばって
ポケモンを たすけるように なり
いつしか 『ポケモン の おいしゃさん』 と
よばれるように なりました。
ポケモン の おいしゃさん の まわりには
いつも げんきな ポケモンたち が
あつまりました。
おいしゃさん は いろんな ポケモンを たすけながら
やさしい こころをもった ポケモンたち と
いつまでも いつまでも しあわせに くらしましたとさ。
めでたし めでたし。