元不良は一年留年している   作:アッシュクフォルダー

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第十二話 ポイポンX

門藤一也のスマートフォンに着信音が鳴った。

通話の主は…桃井愛莉だった。

 

(どうしましたか…?)

 

(あっ、一也。雫がスマートフォン買いたいって、

言っているから、一緒に付いてきてくれるかしら?

真二くんも一緒に行くけど、それでも、雫が心配だわ)

 

(どうして、俺が?)

 

(私は追試を受けないといけなくなって…

だから、雫が無事にスマートフォンを買えるように、

真二と一緒に護衛してくれない?)

 

(護衛って…わかった。引き受ける)

 

(それじゃあ、日曜日の午前11時に宮益坂女子の

正門に来てくれないかしら?)

 

(わかった)

 

愛莉の話によると、雫のスマートフォンが、

水没で壊れたらしく、

そして、雫はいっその事、わかりやすい機能が付いた、

新しく格安の初心者のスマホを買うことになった。

 

日曜日。宮益坂女子学園の正門にて。

 

「真二くん。一也くん。今日はよろしくね」

 

「まぁ…俺は、さほど、スマートフォンに詳しくないが…

俺で大丈夫だろうか…?」

 

「俺もスマートフォンは、あまり使ったことが無いからな…」

 

こうして、三人でスマートフォンの店にやって来た。

 

雫は(ポイポンX)という、格安の初心者スマホが買いたい様だ。

なお、値段は10000円。

 

「いらっしゃいませ」

 

「すみません。ポイポンXが欲しいです」

 

「えっと…」

 

「前のスマートフォンが水没で壊れちゃって…」

 

「はぁ…」

 

雫をフォローしつつ、俺と真二は、

ポイポンXの機能カタログを見た。

 

見た目は、そこら辺の、スマートフォンと変わらないデザイン。

なお、雫はスカイブルーを買うらしい。

 

ポイポンXは様々な機能が付いている。

 

ナイフ、栓抜き、缶切り。

 

おサイフ機能付きで、万札と500円玉が各5枚ずつ収納可能。

 

イヤホンジャックが付き。

5つのカメラ機能を搭載しており、幽霊を写すことが可能。

 

ワイヤレス充電、4G対応。

宅配サービス『UBA-BA』が内蔵されている。

 

最後に、着信音は、カワイイ赤子の鳴き声である。

 

スマートフォンやタブレットを開発している、

かの有名な、ポイポン社が、今までのポイポンの機能を、

詰め合わせて、コンパクト化した、

ポイポン社の最高傑作である。

 

「まぁ!とても、便利な機能が付いているわね」

 

(全部、雫に必要な要素とは思えないが…)

 

と、一也と真二は思ったが、口には出さなかった。

 

真二と一也は雫の為だと思い、

2人で5000円ずつ出して、10000円で購入した。

 

 

「これが、ポイポンX…!

説明書が、丁寧に書かれていて、わかりやすいわ!」

 

と、雫は大喜びしていた。

 

(胡散臭い機能ばかりだ…)

 

だが、雫がご満悦の為、

一也と真二は、止めようとはしなかった。

 

「この着信音なら、私のスマホって、わかるわ!

宅配サービス…?支払方法が、わからないわ…

おサイフ機能が付いていて、便利だわ…!

ナイフに缶切り、栓抜き…!

スマートフォンに、こんな機能があるのね!」

 

と、雫が関心を持っていた。

 

(愛莉に何て言えば…!)

 

と、真二と一也の、金で買ったとはいえ、

愛莉に怒られてしまった。

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