元不良は一年留年している   作:アッシュクフォルダー

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第二十一話 絵本と歌

門藤一也は、東雲絵名がアリエの歌手に応募しており、

一也自身は絵名の手伝いをすることになっていた。

 

「相手は歌の経験者だな…」

 

と、一也は、こはねを見て考え込む。

 

「私は、その…歌を歌い始めたのは、

ついこの前だったから…でも、絵名さんの歌も上手でしたよ」

 

「そ、そんなこと言われても…

その…歌うコツとか!」

 

「うーん、そう言われても…」

 

「あれ?絵名さんにこはねちゃん?」

 

「この人は?後、奏ちゃんまで」

 

「穂波ちゃん、宵崎さん」

 

「二人とも、どうしてここに?」

 

「一緒にお買い物をしていたんだ」

 

「絵名さん達は何をしていたんですか?

歌が聞こえていたんで…」

 

「私は歌の練習をしていて、同じ曲を歌うことになってて、

こはねちゃんに見てもらうことになって…」

 

「同じオーディションに応募するみたいです」

 

「あっ、そうだったんですね…えっと…お名前は?」

 

「門藤一也です」

 

「初めまして、望月穂波です。

よろしくお願いします」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「同じ曲を歌うって、何かあったんですか?」

 

すると、奏が

 

「アリエの庭の悪夢の曲だね」

 

「それって、絵本ですよね?少し前に話題になった絵本」

 

「望月さんも知っているんだ」

 

「はい。絵本の読み聞かせをする時に、

何度も候補に挙がっていたほどで…」

 

「じゃあ、話が早いかもね。

実は今度、その絵本の個展があって」

 

と、絵名と一也が説明した。

 

「なるほど、それで審査で絵名さんの歌を…」

 

「よかったら、わたしにも聴かせてくれる?」

 

「え?」

 

「絵名に教えて貰って、ちょっと絵本を読んでみたんだ。

だから、どんな曲で、どんな歌い方をしているか、

気になっていて…」

 

「ほんと?よかった…ちょうど、アドバイスが欲しいって、

思っていたんだ!あ、それならせっかくだし、穂波ちゃんも、

聴いてくれない?客観的にどうなのか?

こはねちゃんや一也くんにもだけど、意見が欲しくて…」

 

「はい!わたしも聴きたいです」

 

「ありがと!じゃあ、歌うね」

 

と、絵名が歌いだす。その後。

 

「みんなは、どう思う?」

 

「俺は歌に詳しくないけど、その…絵名ちゃんの歌声は、

俺的には良いと思う」

 

「やっぱり、凄く雰囲気があっていて、良かったです」

 

「うん…!絵名さんは歌声がキレイだから、良かったです」

 

「そっか…」

 

「絵名は納得していないの?」

 

と、奏が心配しだす。

 

「あ、ちょっとね」

 

「二人が言ってくれたみたいに、絵本らしい雰囲気は出せていると思うけど、

本当にイヲさんが表現したいことか、よくわからなくて」

 

「表現したい事…?」

 

「うん」

 

「この絵本、結構自由な解釈が出来るから、

これ!っていう、答えが存在しなくて、ある訳じゃないと思うけど、

でも、イヲさんが作品を通じて、

伝えたかったことが、作りながら考えていた事とか、

絶対にあると思うけどね。

だから、それを出来る限り汲んで表現したいって思っているんだ」

 

「そっか…」

 

「え、何?」

 

「ううん、絵名らしいなって思った。

イラストを観ていたら、インスピレーションが沢山浮かび上がるんだ」

 

「当然でしょう?イラスト担当だから!」

 

「ふふっ」

 

「そ、それより!絵本の話しない?

イヲさんが何を伝えたかったか、少し考えたいし」

 

「私は友達を失う後悔を感じました」

 

「友達を失う後悔…?」

 

「私は大事な存在がいるから、頑張れると思って、

内容は暗いですけど、前向きなメッセージがあるって感じました」

 

と、穂波とこはねは読んだ絵本で、感じたことを伝えた。

 

 

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