門藤一也は、桃井愛莉とデートに
出かけることになった。
「あっ、一也!おそーい!」
「愛莉ちゃん!待ってた?」
「冗談だって!待ってるわけないでしょ?
ちゃんと、時間通りに来たから、大丈夫よ」
「それは、よかった!」
「それで、どこに行く?」
「ネコアレルギーだから、ネコカフェには、
行けれないし…どうしよう…」
「ネコは好きだけど…触れないんだよね…」
「友達にノラネコを取り扱う、
カフェを紹介されたのに…あぁ…
情けないぜ…俺」
「ちょっと、ちょっと、いきなり何言っているの?
別の場所を考えましょう」
「うーん…」
と、一也は、しばらく考え込んだ。
「あっ、近くに、小さな子がいる」
「ホントだ、迷子かな?
声をかけてみる?泣いているみたい…」
「そ、そうだね…」
一也と愛莉は、その、三歳くらいの小さな女の子に、
話しかけるのだった。
「ねぇ、キミ、何かあったの?
よかったら、お姉さんが聞いてあげる」
(お、おねえちゃんが…?)
「うん、泣いていたからね」
(おねえちゃん、千春ね…
おとうさんや、おかあさんに、いやがらせをうけているんだ…)
「それは、かわいそう…何かあったのかな?」
「ひょっとして…虐待?」
「ちょっと、ちょっと、それは、考えすぎだよ」
「でも、もしかするとだよ…ヤバイ可能性も否定できない…」
「まぁ…一也の言う事は、一理あるけど…
うん、わかった、聞いてみるね、
じゃあ、千春ちゃんは、どんな、嫌がらせを受けたの?」
「すてられたの…」
「えっ?」
(ちはるをすてて、おとうさんも、おかあさんも、
とおいところに、いってしまったの…)
「はぁ…両親が、千春ちゃんを捨てて、
どこかに、行ってしまったってことか…」
「捨てて逃亡したか…殺されずに、
助けられるだけでも、よかった」
「まぁ…この子、どうする?
私、姉と妹がいるから、引き取れないけど…
相談する場所とか、あるかな?」
「俺、いろんな人に聞いてみる」
「アテとかるの?」
すると、千春が…
(ねぇねぇ、おにいちゃん、おねえちゃん…
ちはる…しんじゃうの…?)
「大丈夫だよ、私たちが助けてあげるから」
「う、うん、俺も出来ること以上の事をするだけだ」
「うーん、いくら、子どもの世話が好きで、
得意とはいえ、これは…大変なことになったね…
あっ、千春ちゃんは、何歳?」
(3さい…)
「いつから、おとうさんと、おかあさんが、いなくなったの?」
(きのうから…)
「そ、そうだったんだ…
それで、公園で一晩…」
「かわいそう…どうしたら、この子を助けられるんだろう…」
「どうしたら、いいんだろう…」
果たして、二人は、三才の幼子である、千春ちゃんを、
助けられるだろうか?