ボイスロイドたちが聖杯戦争TRPGをするようです   作:天平

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第1話:1ターン目/ゲーム開始

タカハシ/GM「みんな、よく集まってくれたな」

 タカハシの家。今日はここに友人らが集っていた。

 目的はTRPGセッションのためだが、今日遊ぶものは少し変わっているようだ。

結月ゆかり「いきなり呼び出すのはいいのですが……やけに多いですね。複数の卓を立てるのですか?」

さとうささら「ひい、ふう、みい……タカハシ含めて9人いますね。2卓同時に立てるなら丁度いい人数ですが」

 タカハシとゆかり、ささらを始めとして、この部屋にいるのは合計9人。

 通常のTRPGセッションは進行役であるゲームマスター(GM)を含めててもせいぜい6人。それ以上となるといささか多いと言えるだろう。

タカハシ/GM「いや、今回遊ぶゲームはプレイヤー(PL)7人のものだ」

ついな「それはまた……えらく多いわな」

琴葉茜「それで、一体何を遊ぶんや」

タカハシ/GM「それは、聖杯戦争TRPGだ」

結月ゆかり「聖杯戦争……あー、Fateのアレですね」

IA「過去の英雄召喚して殺し合わせるアレ、だね」

タカハシ/GM「そのアレだ。それをTRPGで再現したものを遊んでみようと思う」

琴葉葵「そんなものがあるんだね」

 そんな話をしている横で、和服の少女東北きりたんは手持ちのタブレット端末を使ってネット検索をしている。

東北きりたん「聖杯戦争TRPG、で検索したらなんか色々出てきたんですが……どれを使うんです?」

タカハシ/GM「今回使うのは上から3番目(2021年10月7日現在)のFate/IRC改というものだな」

弦巻マキ「一番上じゃないんだ」

タカハシ/GM「おそらく一番主流の聖杯戦争TRPGは一番上のものだが……今回はこっちを使うぞ。それじゃあみんな、まずは希望クラスを出してキャラクターを作ってくれ」

 

 数時間後、PLたちはGMから配られたクラスに従ってキャラクターを作成する。

タカハシ/GM「よし、みんな出来上がったようだな。普通のセッションならキャラクター紹介といくところだが……このゲームは情報の秘匿が重要だからカットさせてもらう」

ついな「戦う前から勝負は始まってるんやな」

タカハシ/GM「それじゃあゲーム開始だ。まずは1ターン目の行動シーン……の前に、まずは公開される情報があるな」

琴葉葵「私のサーヴァントの能力だね」

タカハシ/GM「ああ。葵のサーヴァントはマイナススキルとして『慢心』を持っているから、ゲーム開始時に能力を公開するんだ」

 マイナススキルとは、強いキャラクターに与えられるペナルティ能力である。

 種類は色々あり、令呪を失うものや他の陣営から能動的に接触されるものまで様々だが、『慢心』はキャラクターシートが公開されるというペナルティを持つ。

 以下が、琴葉葵のサーヴァントの能力である。

 

===================

クラス:ライダー

真名:アキレウス

容姿:人参!!

属性:秩序・中庸・地、南欧、男性、人型、サーヴァント

 

ステータス

【使用ポイント】310

【レベル】30

【技能点】3

【筋力】B+(40)50

【耐久】A(50)

【敏捷】A+(50)60

【魔力】C(30)

【幸運】D(20)

【宝具】A+(50)60

【機先】E(10)

 

遭遇シーン時公開用ステータス

容姿:人参!!

属性:秩序・中庸・地、南欧、男性、人型、サーヴァント

カウンター:

【レベル】30【筋力】B+(40)【耐久】A(50)【敏捷】A+(50)【魔力】C(30)【幸運】D(20)【宝具】A+(50)【機先】E(10)

 

クラススキル

【名前】高機動

【タイミング】遭遇シーン

【タグ】移動

【効果】自分が関わらない遭遇シーンに参加できる。

マイナススキル

スキル1

【名前】慢心

【タイミング】シナリオ開始時

【タグ】マイナス

【効果】自身のキャラクターシートを公開する。

スキル2

【名前】不退転

【タイミング】常時

【タグ】マイナス

【効果】重複取得可能。自陣営の撤退回数-1。(0を下回るように取得できない)。

固有スキル

スキル1

【名前】女神の寵愛:B(専科百般)

【タイミング】リザルト

【タグ】-

【効果】任意のステータスを+20。3/シナリオ。

【技能点】1

スキル2

【名前】『彗星走法(ドロメウス・コメーテース):A+』(ステータスアップ)

【タイミング】リザルト

【タグ】バフ

【効果】自身の【敏捷】を+20。

【技能点】1

スキル3

【名前】『宙駆ける星の穂先(ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ):B』(二種弱化)

【タイミング】リザルト

【タグ】デバフ

【効果】敵陣営メインの【敏捷】と【幸運】を-15する。

【技能点】1

スキル4

【名前】急速休眠

【タイミング】行動シーン

【タグ】キャントリップ

【効果】自陣営は通常の行動の他に追加で休憩を行うことができる。1/シナリオ。

【技能点】0

属性スキル

【名前】神性

【タイミング】バトルフェイズ

【タグ】属性

【効果】自身がメインの時、勝率+15%。

宝具

【名前】勇者の不凋花(アンドレアス・アマラントス)

【種別】対軍宝具

【タイミング】バトル

【コスト】4MP

【効果】戦力の劣位を1つ以上獲得したときに使用可能。勝率を戦力の劣位×40%増加する。

===================

 

東北きりたん「人参」

IA「人参」

結月ゆかり「原作サーヴァントなんですね」

琴葉葵「とりあえずアキレウス使っておけばなんとかなるかなって」

タカハシ/GM「いろいろな制約の中でキャラクター再現を行うゲームだから、必ずしも原作通りの活躍をしてくれるとは限らないけれどな」

琴葉葵「そうなんだよねえ」

タカハシ/GM「そして、まだ1ターン目前に行うことがある」

琴葉茜「お、まだなにかあるん?」

タカハシ/GM「マスタークラス、傭兵の処理だ。ささらは参加者から一人を選んで遭遇シーンを行ってくれ」

さとうささら「はーい……それじゃあ、マキさんお願いします」

弦巻マキ「私だね。よろしく頼むよー」

 マスタークラスとは、「誓約スキル」と並んでFate/IRC改のアピールポイントとしている項目である。

 マスタークラスはマスター側のキャラクターが、どのような立ち位置で聖杯戦争に関わっているかを表現するクラスで、これによって現地の魔術師なら土地勘に優れて自身と他陣営の遭遇を操作できる、黒幕なら戦闘で大きく強化される代わりにどれだけ戦況が優位でも敗北するリスクがある、などという特徴を表現できる。

 一方で「誓約クラス」は、キャラクターが大きく強化される代わりに、条件を満たさなければ自動的に敗北するという特殊なスキルのことだ。

 どちらも、PvPのこのゲームでキャラクター表現を特徴づけるための要素だ。

 ささらの使用するマスタークラス「傭兵」はこのようなスキルである。

 

【クラス名】傭兵

【制限】なし

【クラススキル】雇用関係

【タイミング】シナリオ開始時

【タグ】-

【効果】シナリオ開始時、このスキルを開示する。

自身はマスタークラスが傭兵以外の陣営1組と、最初から同盟を結ぶことができる。

このとき、全陣営が見学可能な遭遇シーンとして交渉を行うことができる。

ただし、自身は聖杯戦争中裏切ることができず、聖杯戦争に参加する陣営が自身と最初に同盟を結んだ相手のみとなったとき、同盟は自動的に解消される。

【解説】貴方は傭兵として他の参加者と共に戦う。

 

 つまり、本来ならゲーム中に結ばなければならない同盟を、最初から結んでいたことにできるというものだ。原作関係であれば、Fate/Zeroの衛宮切嗣のような、なにかに雇われたマスターを表現するのに役立つだろう。切嗣は同盟を結んでいないが。

 

タカハシ/GM「では、ささらとマキは1ターン目前に遭遇を行うよ。必要な情報を公開したらRPに入ってくれ」

 

さとうささら/アーチャー陣営

アーチャー

容姿:分厚い羽毛のフードを被った女性

属性:秩序・悪・人、東欧、女性、人型、サーヴァント

【レベル】30【筋力】E(10)【耐久】D(20)【敏捷】B(40)【魔力】E(10)【幸運】D(20)【宝具】C(30)【機先】B(40)

マスター

名前:さとうささら

容姿:サイドテールの少女

属性:中立・中庸・人、女性、人型

 

弦巻マキ/セイバー陣営

セイバー

容姿:寡黙な甲冑の騎士

属性:混沌・善・地、西欧、男性、人型、サーヴァント

【レベル】40【筋力】A+(50)【耐久】B+(40)【敏捷】E(10)【魔力】C(30)【幸運】E(10)【宝具】B(40)【機先】E(10)

マスター

名前:弦巻マキ

容姿:元気みなぎる少女

属性:中立・中庸・人、女性、人型

 

さとうささら/マスター「マキさん、出会ってしまいましたね……」

弦巻マキ/マスター「出会ってしまったって……呼び出したのはそっちじゃないか」

さとうささら/マスター「バレちゃいましたか。まあ、いいです。単刀直入に言います。一緒に勝利を目指しませんか?」

弦巻マキ/マスター「裏切りはなさそうだし、断るメリットはなさそうだけど……セイバー、どうかな?」

弦巻マキ/セイバー「たしかに手を組まない理由はないが。同盟を申し出るなら姿を表したらどうだ、そちらのサーヴァントよ」

 セイバーの言葉に従ったのか、ささらの背後から近代的な軍服の女性が姿を表す。どうやら、彼女がそのサーヴァントらしい。

さとうささら/アーチャー「……格上とわかっている相手にうかつに手の内を見せたくないだけです。失礼しました」

弦巻マキ/セイバー「ふん、俺の実力は既に知れたこと。だが、その敬意は受け取ろう」

さとうささら/マスター「それで、どうです? 同盟の件は」

弦巻マキ/マスター「うん、いいんじゃないかな。さっきも言ったけど断るメリットないし」

さとうささら/マスター「では、よろしくおねがいしますね、マキさん」

 

 こうして、7人の魔術師と7騎のサーヴァントによる聖杯戦争は幕を上げた。

 最後まで生き残るのは、果たしてどの陣営か……。

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