親愛なる隣人として転生した男   作:サミン

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めんどくさくはありますが、本作でも聖詠の歌詞コードを入力して投稿していきます


3話 覚醒、シンフォギア

とあるビルの屋上

 

「はぁ、はぁ……シェルターから離れちゃったけど、ここでノイズが自壊するのを待つしかない……」

 

そこに、ツヴァイウィングのCDを買おうとCDショップへと向かったはずの響が、1人の小さな女の子を抱えて佇んでいた。

 

実はCDショップに向かってる途中で、炭の臭いを嗅いだ。その臭いの先へと足を進めると、不自然に山積みとなっている大量の炭が広がっていた。

 

それを見て、ノイズの仕業と認識した響は、ノイズから逃れるためのシェルターへと向かおうと足を動かし、走り出したのだが、その道中で女の子の泣き声を聞き、女の子の元へ駆けつけた。話を聞くと、女の子は母親とはぐれてしまったらしい。

 

その後、再び逃げようとしたのだが、シェルターとは反対方向へ逃げてきていたため、どこか隠れられそうな場所を探し、今いるビルの屋上へと逃れ、ノイズが自壊するのを待っていたのだ。

 

ノイズによる炭化を防ぐための対処法としては、ノイズが一定時間で自壊するまで逃げることのみとされている。しかし、自壊するまでの間はノイズ自身が自分の一定の範囲内にいる人間を炭化させようと襲ってくるため、ビルの屋上に逃げたところで完全に助かったとは言えない。

 

「……私たち、死んじゃうの……?」

 

女の子は恐怖のあまり、涙を流して響に問い質してくる。そんな様子を見て、響は女の子をなんとか元気付けようとする。

 

「大丈夫だよ。絶対に死なない、必ず助かるから……だから―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生きるのを、諦めないで!!」

 

女の子に向けてそう口ずさむと、突然響の心の中に1つの歌が浮かんできた。

 

 

━━━Balwisyall Nescell gungnir tron

 

 

響は心の中に浮かんだその歌を自然と歌っていき、歌い終えると彼女の体が光に包まれた。

 

 

 

 

 

「もうすぐ近くだ!」

 

スパイダーセンスでノイズの出現を察知したスパイダーマンは、それを頼りにスパイダーセンスの反応が強い場所を突き止めようとしていた。

 

そして、もっとも反応が強く感じられるビルを目視した。

 

「あそこか―――って、なんだあの光は!?」

 

スパイダーマンが目視したのは、響たちが隠れていたビルだった。その屋上で、響が先程歌を歌ったことで発生した光が出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心の中に浮かんだ歌を歌い、体が光り出したことで思わず目を閉じた響だが、光が収まったことで目を開く。

 

「……ん?あ、あれ?私……って、えぇ!?」

 

目を開いて自分の身を確認すると、橙色の機械的なアーマーを身に纏っていた。

 

「ええええええっ!?何で!?どうなっちゃってるの!?」

 

体が突然光り出しただけに留まらず、全く知らないアーマーを身に纏っていることに、響は仰天していた。

 

「お姉ちゃんかっこいい!!」

 

女の子は響の今の姿に目を輝かせていた。

 

「そ、そうかな?……って、今はノイズが来てるんだった……!」

 

そう言うや否や、響は女の子を抱き抱え、迫ってきたノイズたちから逃げるように飛び上がった。

 

「えい―――って、うわあああああああああああっ!?!?!?」

 

しかし、何も考えずに飛んだためか、勢いよく飛び上がったは良いものの、重力に従って落ちていく。

 

 

 

 

 

だが、いつまで経っても痛みが伝わってくなくて、誰かに抱えられてるようだった。

 

「―――ったく、君はトラブルに遭うのが得意だな。しかもコスプレまでしてるなんてね」

 

呆れた声が聞こえたのでその方向へ視線を向けると、スパイダーマンが響を女の子共々片手で抱えて地面に着地していた。

 

「スパイダーマンさん!」

 

「あっ、スパイダーマンだ!!」

 

スパイダーマンの姿を確認した響と女の子は、彼が来てくれたことに嬉しさの声を挙げた。そしてスパイダーマンは2人を地面へと降ろす。

 

「コスプレとか言わないでください!私だってしたくてこの格好をしてるわけじゃないんですよ!それに、スパイダーマンさんだってコスプレと言える格好じゃないですか!」

 

嬉しさの声を挙げたと思ったら、今度は謎のアーマーを纏ってることに対してコスプレと称されたことが不満だったのか、スパイダーマンも一見すればコスプレではないかと響は反論した。

 

「ははっ、まぁ確かに、お互い似たようなものだ―――ッ!?」

 

響からの反論にスパイダーマンは苦笑いすると、突然息を飲んだかのように黙り込んだ。

 

「……?スパイダーマンさん?」

 

「どうしたの?」

 

突然スパイダーマンが黙り込んだので、不思議になり問いかけてみる。すると、ほんの数秒だけ黙り込んだ後、口を開いて呟いた。

 

「……またスパイダーセンスが反応したと思ったら……よく見るとそれ、彼女たち(・・・・)が纏ってたのと同じ鎧……もしかして、君もシンフォギア(・・・・・・)を使えるのか?」

 

「……え?」

 

どうやら再びスパイダーセンスが反応したらしいが、スパイダーマンの呟いた言葉の意味が分からず、響は首を傾げる。

 

すると、響たちが先程までいたビルの屋上から、追いかけてくるかのようにノイズが次々と降りてくる。思考を切り替えたスパイダーマンはいち早くそれを察知し、クモの巣を張ってノイズの行く手を阻んだ。

 

「君、自分が今どうしてそれを纏ってるのか、もしかして頭の中ごちゃごちゃかな?」

 

「えっ、あっ、はい!」

 

「なら、ひとまずここは僕に任せて、その子を安全な場所まで連れてってやれ!今の君の重要な役割はそれだ!」

 

「わ、分かりました!行くよ、お姉ちゃんにしっかり掴まっててね?」

 

「うん」

 

女の子の返事を聞いた響は、スパイダーマンに言われた通りに女の子を再度抱え、安全な場所へと走っていった。

 

「さて、雑音(ノイズ)除去の開始といきますか!」

 

響が走っていったのを確認したスパイダーマンは、そう見得を切って足止めしておいたノイズの群れへと突っ込んでいく。

 

そしてノイズとの距離が縮まったと同時に回し蹴りを食らわし、他のノイズにはアッパーをかまし、殴り飛ばされたノイズをクモの糸で捕らえて地面に叩きつけた。

 

さらには糸でノイズの足を封じるが、その隙を突こうと1体のノイズが飛行型へと変形し、スパイダーマンの背後から突っ込んでくる。しかし、そのことなど既に察知していたスパイダーマンはバク宙することで回避し、飛行型ノイズは先程スパイダーマンによって足を封じられたノイズの方へと突っ込んでしまい、そのダメージにより2体もろとも自壊していった。

 

「相変わらずノイズの攻撃はワンパターンで助かるよ」

 

ノイズ自身に意思はなく、学習能力も有していないため、攻撃がワンパターンでしかないことにスパイダーマンはそう呟いた。

 

その時、響が走っていった方角へとスパイダーセンスが反応した。顔をそちらに向けると、なんと別のノイズが、まだ女の子を抱えたままの響の行く手を阻んでいた。

 

「しまった!ノイズはその時の内に増殖するんだってのを忘れてた……!」

 

ノイズが増殖するのを忘れていたスパイダーマンは苦虫を噛み、もう一度クモの巣を張って目の前のノイズを足止めし、糸を飛ばして響たちの元へ駆け寄ろうとする。

 

しかし、クモの巣から逃れた1体の飛行型ノイズが体当たりし、スパイダーマンの動きを封じてしまった。

 

「うぅっ!」

 

「あっ、スパイダーマンさん!!」

 

飛行型ノイズによってスパイダーマンは地面に伏せられ、その声を聞いて思わず響は振り向いてノイズに背を向けてしまう。その隙にノイズは響を炭化させようと距離を近づけてくる。

 

「……ッ、しまった……!」

 

反応が遅れてしまい、せめて女の子だけでも守ろうとそのままノイズに背を向ける響。

 

その時―――

 

 

━━━Imyuteus amenohabakiri tron

 

━━━Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

 

バイクの走る音と共に2つの歌が聞こえてきた。

 

「はぁっ!」

 

「おりゃあっ!」

 

その瞬間、1つの斬撃が響に迫っていたノイズたちを、もう1つはスパイダーマンの動きを封じていた飛行型ノイズを蹴散らした。

 

「……やれやれ、やっと来てくれたのかい?今回ばかりはさすがにやばいから、早く来てくれないかって思ってたんだ」

 

飛行型ノイズが消えたことでスパイダーマンは起き上がり、話しかけるような口調で呟いた。

 

そんなスパイダーマンの目の前には―――

 

 

「今まではほとんどあたしら抜きでノイズを倒せてたってのに、スパイダーマンが聞いて呆れちゃうぜ?」

 

 

なんと、ツヴァイウィングの1人である天羽奏が、響と似たようなアーマーを纏っており、片手には槍が握られている。

 

「言ったろ?あの子がいるから今回はさすがにやばいって」

 

「ま、確かに人質をとられてるような状況じゃ、無理もないか」

 

スパイダーマンと奏がどこか親しげな感じに会話をしてる中、響の方にも同じアーマーを纏っている、青い長髪と左側で結わえたサイドポニーという特徴的な髪型をした少女がいた。

 

「つ、翼さん……!?しかも、あそこには奏さんまで……!?ツヴァイウィングが私の目の前に……ッ!!」

 

響の言うように、目の前にいるのは奏と同じツヴァイウィングの1人である『風鳴(かざなり)(つばさ)』である。そんな翼と奏が目の前にいることに、響は言葉を発するものの困惑したまま動けないでいた。

 

「呆けない、死ぬわよ。あなたはそこでその子を守ってなさい」

 

そんな響に翼はそう言い捨て、スパイダーマンと奏の元へと駆け寄った。そして翼はスパイダーマンの姿を確認すると、彼女も声をかけた。

 

「しばらくね、スパイダーマン」

 

「やぁ、さっきバイクの走る音が聞こえたんだけど、もしかしなくてもまた壊したね?」

 

「しゃーねーだろ。こいつにとっちゃ、バイクは乗り捨てるもんなんだって」

 

「当然よ」

 

スパイダーマンの指摘した通り、2人はバイクに乗ってここへやって来た。そしてノイズを倒そうとした際に、同時に飛び上がったことで、実質乗り捨てられる形でノイズに突っ込んでいき、壊れてしまった。奏は呆れながら肯定し、翼はなぜかドヤ顔しそうな感じに答えた。

 

「まっ、バイク云々はこの際いいとして―――今回は状況が状況だから、2人の力を貸してほしい」

 

「いいぜ、久々にあんたと一緒に戦えるんだ。こちらとしても本望だよ」

 

「同じく」

 

スパイダーマンの言葉に2人はそう答え、奏は槍、翼は刀を構える。

 

そして、スパイダーマンが飛び出していったと同時に2人も駆け出していき、ノイズの殲滅を開始した。




タグや前回の話で察した方も多いと思いますが、本作でも奏は生存して進んでいくルートになります。さすがに二作ともに死亡キャラを生存させるのはどうかなとか、アメスパ2のように乗り越えさせるために敢えて原作通りに死亡させるべきか、などと考えたのですが、どうにも死なせたくないという謎の強い意思が勝り、本作でも生存させようという結論に至りました(苦笑)

ちなみに、次回は原作シンフォギアの2年前のライブ事件及びツヴァイウィングとスパイダーマンの出会いのエピソードを投稿する予定です。いわば、過去編です
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