どうも、今年初の投稿はスパイダーマンとなるサミンでございます
今回の話を見せる前に教えておきたいことが……主人公が身に纏うスパイダースーツはタグの通りライミ版のスーツであり、ウェブシューター無しで糸を出せるのもライミ版の設定から―――ただし、シンフォギアの世界でライミ版の能力だけを取り入れるのもさすがに無理があるので、生身でノイズを倒したり、スパイダーセンスでノイズの出現地を感知するのとは別の能力も複数備わっております
では、どうぞ
匠馬がスパイダーマンになるために、人目につかない場所を探していた頃―――
「ちっ、今日は厄日かよ。ノイズまであたしらのライブ邪魔しに来やがって……」
ステージに残ったままの奏は、大量に溢れ出したノイズに悪態をついていた。
しかし、その目には恐怖というものが全く感じられなかった。
「いくぞ翼!この場に槍と剣を携えているのはあたしたちだけだ!!」
「ええ!」
奏の言葉に翼も恐れることなく応え、ステージを降りる。すると、2人はどういうわけか歌を歌い始めた。
━━━Croitzal ronzell gungnir zizzl
━━━Imyuteus amenohabakiri tron
2人はそれぞれの歌を歌い終えると、ライブ衣装が消えたかと思ったら、奏は朱色、翼は青の機械的なアーマーを身に纏っていた。
そして、アーマーを纏ったと同時に奏は槍、翼は刀を手に持ち、ノイズたちを蹴散らしていく。
その光景に、観客たちはノイズから逃げるのに必死で気づいていなかった―――否、見ている余裕がなかったというべきか。
「うりゃあっ!」
「はぁっ!」
奏の持つ槍がノイズを突き、翼の持つ刀がノイズを両断する。しかし、まだまだノイズはたくさんいる。それでも、2人は決して怯むことなくノイズを一掃していく。
だがそこで、1体のノイズが飛行型となり、翼に向かって突進してきた。翼はそれに気づき、避けようとする。
その時―――
「あらよっとぉ!」
観客に迫っていたノイズを足止めしていたスパイダーマンが、浮遊したまま飛行型ノイズに蹴りをかました。そして、そのまま翼の近くに着地する。
「お初にお目にかかるよ、世界的トップアーティスト様!」
翼の近くに着地したスパイダーマンは、翼の方へ顔を向けながら挨拶した。
「あ、貴方は……!?」
「やぁ、君も知ってるだろう?僕はみんなの親愛なる―――ッ!?」
翼に対して自己紹介しようとしたスパイダーマンだったが、突然息を飲んだかのように黙り込んだ。
「?……どうかしたのか?」
「はっ……こんなこと、初めてだ……けど、君は見た感じ僕と同じスパイディでもないのに、どうしてスパイダーセンスが……?」
どうやら、翼を見た途端にスパイダーセンスが発動したらしい。しかし、なぜスパイダーセンスが発動したのかと、スパイダーマンは疑問を抱いた。
「もしかして、その鎧が関係してるのか……?」
「な、何をさっきから―――ッ!危ない!」
ずっと独り言のように呟くスパイダーマンに痺れを切らしかけた翼だが、スパイダーマンの背後から1体のノイズが迫ってきていたので叫んだ。
しかし、スパイダーマンは瞬時に振り返ったと同時にノイズを殴り飛ばした。
「なっ……!噂で聞いてはいたが、やはりギアを纏わずに……」
スパイダーマンがノイズを殴り飛ばしたのを見て、思わずそう呟く翼。そんな彼女にスパイダーマンは言い放つ。
「……その鎧が何なのか気になるけど、とりあえずノイズどもを倒すのに協力はするよ」
「あ、あぁ……」
翼にそう言い放った後、スパイダーマンはノイズに向けてパンチやキックをお見舞いしていく。翼は戸惑っていたが、ひとまずはスパイダーマンと協力してノイズを倒すことを先決した。
「ん?あれって、スパイダーマンか!?」
「……ええ、どうやらノイズが現れたことで、彼も駆けつけてくれたみたい」
ノイズへと突っ込んでいったスパイダーマンの姿を確認した奏の問いに、翼は彼が来てくれた理由を推測して答えた。
「まさか親愛なる隣人と称するクモ男が、こんな場所にまでノイズを倒しに来てくれるとはね……ま、こうなった以上はあいつにも協力してもらうしかねぇな」
そう呟き、奏は槍をもう一度構えた後、ノイズ殲滅を再開し、翼もそれに続いた。
(……にしても、何がどうなって爆発が起きてノイズが現れたのやら―――とても偶然とは言い切れない何かがありそうだ)
そんな中、先程ノイズへと突っ込んでいったスパイダーマンが、ノイズを倒しながらノイズが出現した原因を考えていた。
そんな中、翼と連携を取っていた奏は苦虫を噛むような表情をしていた。
(ガングニールの出力が上がらない!制御薬を断っていたのが裏目に……!)
『ガングニール』という、自身が纏っているアーマーを見て悪態をつく。すると、ガングニールは徐々に光を失い始めていく。
「くそっ!時限式じゃここまでかよ!?」
恐らくタイムリミットが迫ってきてるということで焦りが募ってくる。
すると―――
「きゃあっ!?」
「ッ!?生存者!?」
恐らく上手く逃げられないがために別の避難ルートを探していたのであろう響が、奏たちが戦っている場所の近くまでやって来たのだが、その場が崩れ落ちてしまって彼女も地面に落とされてしまった。
「翼、悪いけどそっちは頼む!おい大丈夫か!?」
「ま、待って奏!」
なんとか目の前のノイズを倒し、響に駆け寄ろうとする奏。翼は思わず奏と共に駆け寄ろうとしたが、別のノイズが湧いて出てきて行く手を阻んでしまった。
(くっ……これでは連携が!)
なんとしてでも奏と響の元へ駆け寄ろうとする翼だが、ノイズが次々と邪魔をしてきて近づけなかった。
「ん?天羽奏、って……あれは……響!?何であんな場所に……!」
翼と連携を取っていた奏が翼から離れた場所で戦っていたので、どうしたのかとスパイダーマンもそちらの方へ視線を向けると、既に避難したと思っていた響がいたことに驚愕していた。
「でいっ!おりゃあっ!」
しかし驚愕していたのも束の間、響を守りながら戦う奏の姿をもう一度確認すると、彼女の纏ってるガングニールと手に持っている槍にヒビが入っており、いつ砕け散ってもおかしくない状況だった。
「まずい、恐らくあの鎧はノイズを倒すために必須なやつだ……それを失ったら彼女まで危ない……!」
そう言うや否や、スパイダーマンは目の前のノイズの足を糸で封じると、天井へくっつけた糸を使って2人のいる場所までスウィングしようとした。
だが―――
「ぐわっ!?ちっ、飛行型ノイズか……!こいつらが結構厄介なんだよ……」
空を飛んでいた飛行型ノイズが体当たりをしてきて、スパイダーマンは地面に落下してしまった。
そうしている間にも、奏の纏ってるガングニールと槍にさらにヒビが入り、ピシリ、という嫌な音が響いてくる。
「くっそぉぉぉぉぉッ!!!!」
そして、ついにガングニールが砕け、その砕けた欠片が、奏の後ろにいる響の方へと飛び散っていく。
「響!!」
思わず響の名前を叫んだスパイダーマンは、地に伏せたまま両手を伸ばし、飛び散った欠片から響を守るために糸を出した。
(間に合え!)
そう願うスパイダーマンの意思に反応してか、出した糸の先端が手のような形に開いていき、ガングニールの欠片を掴もうとする。
そして、ある程度の欠片を糸で掴むことに成功したが―――
「あっ―――」
最悪なことに、欠片の一部を掴み損ねてしまい、その一部が響の胸を貫いてしまった。そして胸から大量出血を起こし、響は気を失って倒れてしまった。
「あぁ……!」
「大丈夫か!?……おい、死ぬな!目を開けてくれ!!生きるのを諦めるなッ!!!!」
響が大量出血を起こして倒れたのを見たスパイダーマンは声が震え、響の近くにいた奏は悲痛な面持ちで揺さぶりながら叫んで呼び掛ける。
すると、僅かながら響は息を吹き返し、小さな唸り声をあげて少しだけ目を開かせた。
「よかった……!」
響が息を吹き返したことで奏は安堵するが、肝心のノイズがまだ後ろにおり、翼やスパイダーマンと戦ってるノイズもいるため、まだ終わってはいない。
しかし、今の自分では恐らく全てのノイズを倒すことは不可能に等しい。ならばと、奏はこの現状を打破するためにある考えに至った。
「一度……心と体を全部、空っぽにして歌ってみたかったんだよな……」
響を守るように立ち上がり、決意を固めたかのような表情でノイズと対峙する奏。
しかしその時、地に伏せていたスパイダーマンが、俯いたまま立ち上がっているのが目に入った。
「―――って、おいクモ男!ずっとそこで突っ立ってたら危ねぇぞ!」
奏は思わずスパイダーマンに向けてそう叫ぶが、彼はずっと俯いたままだった。
そんな中、スパイダーマンは―――
「……僕が……僕が、響を……僕は
スパイダーマン―――匠馬は、響を守れずに傷つけてしまったことを悔やんでいた。
その時、マスクの下で彼の目に電流が走り、さらにその電流が両腕に宿った。
「ぐっ!がっ……あぁ、おあぁっ……!」
スパイダーマンは呻き声を挙げ、電流が宿った両腕を上空に伸ばす。
「お、おい……何する気だ!?」
スパイダーマンの様子をずっと観察していた奏は思わず問いかけるように叫ぶ。しかし、奏の叫びは彼には届いていなかった。
そして、スパイダーマンは手のひらを上空に向けるように拳を開いた。
その次の瞬間―――
「ああああああああああああああああああああああああああああ――――――!!!!!!!!」
とてつもないほどの叫び声を挙げたと同時に、上空に伸ばしていた両腕を左右の肩の位置まで降り下ろし、そして両手の全ての指先から無数の生体電気の糸を発射した。そしてそれは、この場にいる全てのノイズへと放たれていく。
「す、すげぇ……ノイズが次々と……!」
奏の言う通り、放たれた糸はノイズにダメージを与え、次々と何体ものノイズを炭化させていく。
しかし、狙いはちゃんと定まっておらず、奏や響の近くにまで糸が向かってくる。
「やばい……!」
危険を感じた奏は、まだ意識が朦朧としている響に覆い被さるようにして彼女を守るが、2人でどこかの物陰に隠れなければ流れ弾となって当たってしまう。
「奏!大丈夫!?」
そこへ、翼が駆けつけ、2人を守るかのように立ちはだかった。
「翼……!」
「どうやら、今の彼は暴走に近い状態みたいよ。とにかく、流れ弾が当たらないように私が守るわ!」
「すまねぇ、翼……そうしてくれると助かる」
スパイダーマンの状態を推測した翼がそう宣言し、なんとか流れ弾となった糸から奏と響を守った。
どれくらい経っただろうか……結構な数がいたノイズも、スパイダーマンが放った無数の生体電気の糸によって全て倒された。
「うっ、うあ……」
ノイズの殲滅を確認したスパイダーマンは、翼曰く暴走に近い状態が解けたのか、糸が切れた人形のようにバタリ、と倒れてしまった。
「どうやら、終わったみたいね」
奏と響を守りながら戦況を見ていた翼はそう呟くと、アーマーは解除されていくかのように消え、元のライブ衣装に戻った。
「そうだな……ひとまず、この子を早く病院に運んでやんねぇとまずい。旦那に連絡してくれるか?」
「分かったわ。それと―――」
奏からの指示で、どこかへと連絡を入れようとする翼だったが、まだ倒れているスパイダーマンの方に目が行く。
「―――彼は、事情聴取のためにも
「ッ!?で、でもよ……!」
「奏の気持ちは分かる。でも、彼が一体何者なのか、奏も知りたいはずでしょ?」
「そ、それはそうだけど……まぁ、仕方ねぇか」
その後、数人の謎のスタッフがやって来て、響は担架に乗せられて運ばれていき、さらに救急車に乗せられ、近くの病院へと運ばれていった。
そして、倒れたままのスパイダーマンは意識が戻ってないのか、まだ起き上がってこないので、2人のスタッフが彼の肩を担いで1台の車の中へ運んだ。
その後、念のために手錠を掛けられたスパイダーマンを乗せた車はどこかへと走っていった。
はい。ということで、今回スパイダーマンが披露したのは、マイルス版スパイダーマンの能力の1つであるエネルギースレッドです
ただ、恥ずかしながら自分はスパイダーバースでのマイルス版スパイダーマンしか知らないので、コミック限定である本来のやつと違う気がすると思うかもしれませんが、こちらもオリジナル設定だから別にいいかという気持ちで見てくれたら幸いです
ただ、今回披露した能力は無意識に発現しただけなので、まだ自分の意思では完全にコントロールは出来ていない状態になっております
あと、気づいた方もいるかもしれませんが、アメスパ2のようなシーンも書かせていただきました。どうでもいいことでしょうけど、僕は実写なら断然ライミ版が1番好きですが、最近になって見返してみたらアメスパも捨て難くなり始めましたね
それでは、また……