絶対に許さない……!
よくも裏切ったな……!
お前さえいなければ……!
殺してやる……!
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺スコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス……!!!
「うわあああああァァァァ!」
恐怖に歪んだその顔は汗でグッショリと濡れていた
「はぁ……はぁ……何なんだあの夢は?」
夢の内容は思い出せなかったがもう二度と見たくない夢と言うのは確かだった
Pi_Pi_Pi!!
午前8時に設定していたアラームがけたたましく鳴り響く
空良はまだ残っている恐怖を心の底にしまい、リビングへと向かった
リビングには既に1人の女性がいた。
腰まで伸ばした髪と十人が見ても十人とも振り替えるであろう綺麗な顔が特徴の女性だ
「おはよ姉ちゃん」
「おはよ空良」
この女性は空良の姉の理恵だ
二人の両親は仕事でアメリカにいるので今の葵家には空良と理恵の二人しかいない
理恵はコーヒーを飲みながら自分のデッキを調整していた
「今日も試合?」
「まぁね。だから今日は遅くなるかも」
理恵は最近人気のプロのデュエリストだ。
実力と美貌を兼ね備えたルーキー美人プロデュエリストとして連日お茶の間を賑わせている
もっとも、本人はその事をあまり気にしていないのだが
実生活はぐーたらなんだがな
空良はそんなことを考えながらテレビの電源をつけた
土曜日だからなのかいつものニュース番組は流れていなかった
デッキをケースに入れながら理恵は思い出したかのように
「そういえば空良。最近強引な
直後、空良は机をバンと叩く。コップの中のコーヒーが揺れたいたことから相当な威力が伺えた
「はぁ!?そんな奴が居んのかよ!絶対許せねぇ!」
弟の性格を理解している理恵は笑いながら
「意気込んでるようだけど、そいつ、かなりのやり手らしいよ。返り討ちに遭わないようにね♪」
理恵は出発準備ができたらしくドアノブに手をかけていた
「そんじゃ行ってくるわ」
「はいよ、いってらっしゃい」
理恵が出ていった後、空良はテレビを見ながらこの後どうすっかなーと考えていた
悩む事10分。遂に結論はでた。
「よし。カードショップにいくか」
葵家から程近い所にカードショップ『一風堂』は存在する
空良は歩きながらさっきの理恵の言葉について考えていた
「まさか本当にそんな事する奴いるわけないよな」
春の日差しはそんな空良の気持ちを少しずつ薄れさせていった
しかし、一風堂の前にたどり着いた空良は小学生らしき少年と不良が言い争っている光景を目にしたとき空良の中で燻っていた小さな炎が少しずつ燃え出した
「僕の相棒カード返してよっ!」
「へっへっへ。
「そんなのそっちが無理やり
「うるせぇ!負けたお前が悪いんだろうが!」
見てみぬ振りをすればいいだけのことなのだが空良はそんなことが出来るほど人間できていなかった
空良にはどうしても許せなかった。それは彼の扱うデッキにも反映されていた。
気づいた時には不良に話しかけていた
「なぁあんたーー」
「あぁ?何だよ?」
「ーー俺と
唐突にそんな事を言われた不良は一瞬だけ困惑した後、空良を睨んできた
「何でテメェと
「ああ、言い方が悪かったな、単刀直入に言う、俺と
その言葉を聞いた不良は笑みを浮かべ
「いいぜ、俺ぁ見ず知らずの奴との
空良は自分のデッキケースからデッキを取り出し、男の前に突きつける
「俺が賭けるのはこのデッキだ!」
「いいねぇ。その覚悟気にいった。来い!」
二人はD・ゲイザーとD・パッドを付け宣言する
「「
☆☆☆
「先行はお前にくれてやる。かかってきな」
と早速偉そうなことを言う奴に俺は少し苛立ちを覚えながら手札を確認する
うん……良くも悪くも普通の手札だった。でも、この勝負絶対に負けられない!
「俺のターン!ドロー!俺は『
雷を纏った男が俺の前に現れる
☆4 戦士族 光 atk/1800 def/600
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃をすることができる。
その時このカードの攻撃力は元々の攻撃力の半分になる
こいつの攻撃力は1800。そう簡単には突破されないはずだ。
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」
空良 手札3枚
次は奴のターンだ。さあ、来やがれ!
「ほぉ……ヒーロー使いか。面白れぇ。お前を倒してそのデッキを俺のコレクションに加えてやるぜ!俺のターン!ドロー!俺は『古龍の心臓』を攻撃表示で召喚!」
奴の場に不気味に動く巨大な心臓が現れた。
……ん?
「攻撃力0のモンスターを攻撃表示だと!ふざけてんのか!」
と口では言ってしまったが攻撃力0のモンスターにはその攻撃力の低さを補うだけの効果があるはずだ……
「ふざけてなんかねぇよ。俺は古龍の心臓の効果発動!このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下の古龍と名の付くモンスターを特殊召喚し、このカードを装備させることができる!俺は手札から『古龍の槍兵』を特殊召喚!」
さっきの巨大な心臓が槍を持った巨大な龍の中に入っていく。その直後、槍を持った龍は目を覚ました
古龍の心臓
☆1 ドラゴン族 炎
atk/0 def/0
このカードが召喚 特殊召喚に成功したとき、手札から☆4以下の古龍と名の付くモンスターを1体特殊召喚しこのカードを装備させる
このカードが墓地に存在するとき、手札を1枚墓地に送ることでこのカードを手札に加える事ができる
「更に、俺は手札から『古龍の魔眼』を発動!このカードは自分フィールド上に古龍と名の付くモンスターが場に居るとき、相手モンスター1体の表示を変更することができる。俺はS・HEROサンダーブレイクを守備表示に変更する!」
古龍の槍兵の目が怪しく光ると、サンダーブレイクは怯えたように守りの体制を取った
古龍の魔眼
魔法
自分フィールド上に古龍と名の付くモンスターが存在する場合、このカードを発動することができる
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の表示形式を変更する
サンダーブレイクの守備力は600ポイント。これはちょっとヤバい……!
「バトル!古龍の槍兵でサンダーブレイクを攻撃!パイルランス!」
槍兵の繰り出す槍さばきに成す術も無くサンダーブレイクは貫かれてしまった
でも、まだチャンスはある!
「リバースカードオープン!『スカイ・シグナル』!このカードは自分フィールドのモンスターが戦闘によって破壊されたとき、デッキから☆4以下のS・HEROを特殊召喚することができる!……ってあれ?」
おかしい。スカイ・シグナルが発動しない。何で?
「何でスカイ・シグナルが発動しないんだ!?」
すると不良が腹を抱えて爆笑していた
「うわっはははは!!馬鹿かお前は!ちゃんと古龍の槍兵のテキストを見たのかよ?」
えーと……
古龍の槍兵
☆4 ドラゴン族 炎
atk/1700 def/900
このカードの効果はこのカードに古龍の心臓が装備されていない場合、無効となる
このカードが守備表示のモンスターを攻撃したとき、そのモンスターをダメージステップ時に破壊する
「そうか!サンダーブレイクは戦闘で破壊されたんじゃないからスカイ・シグナルが発動しなかったのか!」
だとしたら相当マズイことになった。サンダーブレイクが破壊されただけでは無く、こちらの伏せカードの1枚を晒してしまったということになる
「俺はこのままターンエンドだ!」
不良 手札3枚
俺のターンが回ってきた
ここで良いカードを引かないとかなりヤバい……頼む!
「俺のターン!ドロー!……っ!」
来た!
「俺は『
炎を全身に纏わせた男が現れる
「セレーノの効果発動!このカードが召喚に成功したとき、墓地に存在する☆4以下のS・HEROを1体守備表示で特殊召喚できる!甦れ!サンダーブレイク!」
セレーノが天に腕を突き上げると、上空からサンダーブレイクが降りてきた
☆4 戦士族 炎
atk/1400 def/500
このカードが召喚に成功したとき、自分の墓地に存在する☆4以下のS・HEROと名の付くモンスターを1体特殊召喚することができる。その効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効となり、ターンのエンドフェイズ時に破壊される
「更に俺は手札から魔法カード、『融合』を発動!俺は場のセレーノとサンダーブレイクを融合させ、現れろ!降り注ぐ日差しのヒーロー!
雷と炎が混ざり合い、1つになった所から赤色と黄色の銃を持つ男が現れる
「来たか……融合モンスター!」
不良がそう呟く
悪いが、お前には大ダメージを受けてもらうぜ!
「サンシャインバーストの効果発動!1ターンに1度、手札のモンスターを墓地に送ることで、墓地に送ったモンスターの攻撃力以下の相手モンスターを1体破壊する!行け!サンシャインバースト!フレア・シュート!」
サンシャインバーストの持つ赤い銃が火を吹く
直後、古龍の槍兵は額に穴が空いて倒れた
☆7 戦士族 炎
atk/2400 def/1800
炎属性のS・HEROと名の付くモンスター1体+光属性のS・HEROと名の付くモンスター1体
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない
1ターンに1度、手札のモンスターカードを墓地に送って発動する。墓地に送ったモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する
これで奴のフィールドはがら空きになった。行ける!
「バトル!サンシャインバーストでダイレクトアタック!プロミネンスシュート!」
サンシャインバーストの黄色い銃が不良を撃ち抜く
「ぐぉッ!」
不良LP4000→1600
その衝撃に不良は膝を付く
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」
空良 手札1枚
今伏せたカードは『聖なるバリアーミラーフォースー』だ。これで奴がどんなモンスターを出してきても勝てる!
「俺のターンドロー!」
不良はドローしたカードを凝視した。何を引いたんだ?
「……クックック」
突然不良が笑い出す。
「オイ、どうした?一発逆転のカードでも引いたのか?」
「アッハッハ!あぁ!その通りだよォ!これでお前の負けだァ!俺は手札から魔法カード『死者蘇生』を発動ォ!甦れェ!古龍の槍兵ィ!」
おかしい。奴の口調もそうだが、何よりおかしいのは明らかにこちらが有利なはずなのに嫌な汗が背中を伝うことだ。
何か嫌な予感がする……
「更に俺はァ!
全身に小さなドラゴンを従えた少年が現れる。
「アルスの効果発動ォ!手札を墓地1枚墓地に送りィ自分フィールド上に存在するドラゴン族1体のレベルを1~8に変更するゥ!俺はァ手札を2枚墓地に送りィ槍兵とアルスのレベルをォ!8に変更ゥ!」
☆3 ドラゴン族 光
atk/400 def/600
手札を1枚墓地に送って発動する。自分フィールド上に存在するドラゴン族1体のレベルを1~8に変更できる
「レベル8が2体……」
「ヒャッハァ!行くぜェ!俺は槍兵とアルスでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築ゥ!エクシーズ召喚!現れろ!『強欲な竜グリドネス』ゥ!」
黒い渦から現れたのは漆黒の竜。しかし、その顔は今では禁止カードの『強欲な壺』にそっくりだった。
それだけならまだマシだった。
俺は見てしまった
グリドネスと不良から溢れんばかりに流れ出る禍々しい漆黒の霧を。。。
頑張っていこうと思います。
オリカのことで疑問などありましたら感想で言って下さると嬉しいです