遊戯王 seven deadly sins   作:弦城音屋

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第2話~始まりの日②~

「ヒヤッハァー!これでテメエの負けだ!」

漆黒の霧が辺りを包む中、不良は俺にそんなことを告げてきた

奴のモンスターの攻撃力は2500。サンシャインバーストより100ポイント上だ

だが、俺はミラフォを伏せている。攻撃した瞬間、お前の負けだ!

 

「いくぜェ!バトル!『強欲な竜グリドネス』でェ!サンシャインバーストを攻撃ィ!グリムブレス!」

紫色のブレスがサンシャインバーストを襲う。かかったなアホが!

 

「リバースカードオープン!『聖なるバリアーミラーフォースー』!これでお前のそのモンスターを破壊する!」

サンシャインバーストを襲うブレスが透明なバリアによって阻まれ、グリドネスに跳ね返っていくーー

ーーはずだった

 

「俺は強欲な竜グリドネスの効果発動ゥ!このカードが破壊される魔法、罠、効果モンスターの効果が発動された時にィ!このカードのオーバーレイユニットを使ってェ!その効果を無効にしィ!互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローするゥ!」

グリドネスの周りを衛星のように回っていた黒い玉がグリドネスに吸い込まれていき、透明なバリアが砕かれた

 

「更にィ!グリドネスの効果によりィ!プレイヤーがドローフェイズ時以外にカードをドローする度にィ!このカードの攻撃力は500ポイントアップするゥ!」

何ィ!それじゃあ……

 

「俺とテメエでカードを合計2枚ドローしたことによりィ!グリドネスの攻撃力を1000ポイントアップゥ!」

 

強欲な竜グリドネス

★8 ドラゴン族 闇

atk/2500 def/0

☆8のドラゴン族×2体

このカードはエクシーズ召喚でのみ特殊召喚できる

自分フィールド上のモンスターはこのカードしか存在できない

互いのプレイヤーがドローフェイズ以外の時にカードをドローする度にこのカードの攻撃力は500ポイントアップする

このカードが破壊される魔法、罠、効果モンスターの効果が発動した時発動できる

このカードのエクシーズ素材を2つ墓地に送り、そのカードの効果を無効にする。その後、互いのプレイヤーはカードを1枚ドローする

 

グリドネスatk2500→3500

マズイ……!

 

「まだバトルは続行してるぜェ!消えろォ!サンシャインバーストォ!」

紫色のブレスがサンシャインバーストを一瞬で粉砕し、その余波が俺にやって来る

 

「ぐわあァァァッ!」

空良LP4000→2900

ARビジョンのはずなのに、全身に激痛が走る。俺はその痛みに耐えかねて膝をついてしまった

 

「痛てェだろォ!受けたダメージが現実になるってのはよォ!」

手を膝に付きながら立ち上がった俺を見て不良は愉悦に浸る

 

「くっ……だが俺は罠カード『スカイ・シグナル』!を発動!このカードの効果によりデッキからS・HERO(スカイ・ヒーロー)グレイ・ミストを特殊召喚!」

霧に身を包んだ、少年が現れる

 

スカイ・シグナル

罠カード

自分フィールド上のモンスターが戦闘によって破壊された時にデッキから☆4以下のS・HEROと名の付くモンスターを特殊召喚する

 

「そんな壁にもならねぇような雑魚を出してどうしようがお前の負けは確定なんだよォ!俺はこのままターンエンドォ!」

 

不良 手札1枚

 

たった1体のモンスターで状況がひっくり返ってしまった。まずは状況を立て直す!

「俺のターン!ドロー!俺はS・HERO(スカイ・ヒーロー)カマイタチを召喚!」

風の双剣を持つ少女が現れた

 

S・HERO(スカイ・ヒーロー)カマイタチ

☆4 戦士族 風

atk/1700 def/700

このカードが守備表示のモンスターを攻撃したときこのモンスターの攻撃力が相手モンスターの守備力を上回った数値分相手にダメージを与える

 

 

「俺はさっきお前が雑魚と呼んだグレイミストの効果を発動するぜ!ディープミスト!」

グレイミストから灰色の霧が噴出し、カマイタチとグレイミストの姿を隠した

 

「グレイミストはこのカード以外のS・HEROが存在する時、相手は攻撃宣言をおこなえなくなる!」

 

S・HERO(スカイ・ヒーロー)グレイミスト

☆4 戦士族 闇

atk/500 def/500

自分フィールド上にこのカード以外のS・HERO(スカイ・ヒーロー)と名の付くモンスターが表側表示で存在する時、相手は攻撃宣言をおこなうことが出来ない

 

とりあえずこのカードで凌ぐしかない……!

「更に俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」

空良 手札1枚

 

「いくぜェ!俺のターン!ドロォ!やっぱりテメエのモンスターは壁にすらならなかったようだなァ!俺は手札から魔法カード『ソウル・クラッチ』を発動ゥ!このカードはァ!相手モンスター1体を破壊しィ!相手はカードを2枚ドローするカードだァ!」

 

ソウルクラッチ

魔法カード

相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。その後、相手はカードを2枚ドローする

 

グレイミストが内側から膨張し、それが限界を迎えると砕け散った

手札が重要なこのゲームは普通ならモンスター1体の破壊の代わりに2枚ドローするというのは相手が有利になってしまうだけのカードだが今回はそれが仇となってしまう……!

 

「これで俺のグリドネスは攻撃可能となりィ!攻撃力を1000ポイントアップさせるゥ!」

グリドネス atk3500→4500

グリドネスと不良を包む漆黒の霧は一段と禍々しさを増す

 

「バトルゥ!グリドネスでカマイタチを攻撃ィ!グリムブレスゥ!」

紫色から黒へと色が変わったブレスはいとも簡単にカマイタチを燃やしつくした。さらにまだ残っていた黒いブレスが俺を襲う

 

「ぐがああァァァ!!」

空良 LP2900→200

凄まじい激痛のせいで俺はもう立ち上がれなくなっていた

俺、負けちまうのか……ならそれでいいや……

朦朧とする意識の中で俺はそんなことを考えていた

不良が恍惚とした笑みでこちらを見ているのを見ていた

 

「ほらァ!諦めろォ!絶望しろォ!」

よく聞き取れないが多分俺を罵倒しているんだろう……いくらでも言うがいいさ

その時だった。

 

「お兄ちゃん!頑張って!!」

誰かと思って声のした方向を見ると、俺が不良と賭け決闘(アンティデュエル)するきっかけとなった少年が俺を応援していた

そうだ……。この賭け決闘(アンティデュエル)には俺のデッキだけじゃない、あの子の大切なカードが懸かっているんだ……

そう……だよな。ここで諦めちゃいけねぇよな!

俺はなんとか立ち上がった。一瞬でも気を抜いたらまた倒れてしまいそうだ。

正直、膝もガタガタで身体の至るところが痛いがそんなのは関係ねぇ!

 

「絶対にお前を倒してあの子の大切なカードを取り返してやる!」

俺のその言葉に不良は明らかに不快な顔をした

 

「テメエムカつくんだょォ!なんで諦めねェ!何で絶望しねェンだよォ!」

それはデュエリストなら誰でもわかる問いだった

 

「何で諦めねぇかって……そんなの1つしかねぇだろうが!俺は自分のデッキを信じてるからだ!」

 

「綺麗事ほざいてんじゃねェ!俺はこのままターンエンドォ!さァ、見せてみろよォ!テメエの信じるデッキの力をよォ!」

言われるまでもない。俺はこのドローカードに全てを賭けるッ!

 

「俺のッ!ターン!ドローッ!」

引いたカードを恐る恐る見ると……そのカードはこのデュエルを終わらせることができるカードだった

 

「俺はリバースカードオープンッ!『奇跡の幻影(ミラクルファントム)』ッ!このカードはライフを100ポイントになるように支払い、自分の墓地に存在するS・HERO(スカイ・ヒーロー)をこのターンの間だけ可能な限り特殊召喚するッ!蘇れッ!『S・HERO(スカイ・ヒーロー)セレーノ』ッ!『S・HERO(スカイ・ヒーロー)サンダーブレイク』ッ!『S・HERO(スカイ・ヒーロー)グレイミスト』ッ!『S・HERO(スカイ・ヒーロー)カマイタチ』ッ!『S・HERO(スカイ・ヒーロー)ヘイル』ッ!」

空が黄金の光りで満ちた時、空から5体の戦士が舞い降りる

奇跡の幻影(ミラクルファントム)

罠カード

このカードは自分のライフを100ポイントにすることで発動することが出来る。

自分の墓地に存在するS・HEROと名の付くモンスターを可能な限り特殊召喚する。

このカードの効果で特殊召喚されたモンスターはこのカードを発動したターンのエンドフェイズ時に破壊される

 

「なんでテメエのフィールドにヘイルが……まさか!」

 

「あぁそうだよ、ヘイルはサンシャインバーストの効果で墓地に送っていたのさ!」

 

S・HERO(スカイ・ヒーロー)ヘイル

☆4 戦士族 水

atk/1700 def/1200

このカードが戦闘によって破壊された時、相手モンスターの攻撃力を500 ポイント下げる。その後相手ライフに500ポイントのダメージを与える

 

ともあれ俺のフィールド上には5体のS・HEROが揃った。そして、俺が引いたこのカードでデュエルに決着を付ける!

 

「俺はフィールド上の5体のS・HEROをゲームから除外し、現れろ!7色に輝く勝利のヒーロー!『S・HEROレインボーヴィクトリー』!」

5体のS・HEROが空へ消え、空から7色に輝く剣と1対の翼を持つ男が現れる

 

「どうだ!これが俺のデッキを信じる力だ!」

 

「笑わせンじゃねェ!たかが攻撃力3500のモンスターじゃねェか!そんな雑魚で俺のグリドネスに勝てると思ってンのかァ!」

その答えはお前が散々とドローさせたカードの中にあったんだよ!

 

「俺は装備魔法『星屑の剣』をレインボーヴィクトリーに装備!このカードは装備モンスターの攻撃力をそのレベルの数×100ポイントアップさせる!レインボーヴィクトリーのレベルは10!よって攻撃力は1000ポイントアップ!」

白銀に輝く剣がレインボーヴィクトリーの前に舞い降りた

 

レインボーヴィクトリー atk/3500→4500

 

「攻撃力4500……だとォ!」

これでレインボーヴィクトリーの攻撃力はグリドネスとならんだ!

 

「行くぜバトル!レインボーヴィクトリーでグリドネスを攻撃!レインボースタースラッシュ!」

 

「何ィ!」

 

レインボーヴィクトリーが2本の剣をグリドネスに突き刺す。グリドネスも負けじとレインボーヴィクトリーに漆黒のブレスを吐く。その後大爆発が起こり2体の姿は煙に隠れて見えなくなった

しかし、晴れた煙から現れたのはレインボーヴィクトリーだけだった

 

「何故だ……何故テメエのレインボーヴィクトリーが生きてんだよォ!」

 

「俺はレインボーヴィクトリーの3つある効果の内の1つ、このカードは1ターンに1度戦闘によって破壊されないを発動していたのさ!」

 

S・HERO(スカイ・ヒーロー)レインボーヴィクトリー

☆10 戦士族 光

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に存在する炎、光、風、闇、水属性のS・HEROと名の付くモンスターをゲームから除外する場合のみ特殊召喚できる

1ターンに1度以下から1つ発動できる

●このカードは1度だけ戦闘によって破壊されない

●自分の墓地に存在するS・HEROと名の付くモンスターをゲームから除外する。このカードは2回攻撃できる

●1度だけこのカードを対象とするカードの効果を無効にして破壊する

「なん……だと……」

グリドネスが消えた途端、場を覆っていた漆黒の霧は消え失せ、狂っていた不良も目が虚ろになっているが正気に戻っている

だがな……まだ俺のバトルフェイズは終了しちゃいねぇ!

「この瞬間!星屑の剣の効果発動!装備モンスターが攻撃を終了した時、このカードを墓地に送り、装備モンスターの攻撃力をそのレベルの数×100ポイント下げることによってもう1度攻撃が出来る!」

 

白銀の剣が光の粒子となって消滅し、レインボーヴィクトリーは雄叫びを上げた

 

星屑の剣

装備魔法

このカードを装備したモンスターはそのレベルの数×100ポイント攻撃力を上げる。

装備モンスターが攻撃を終了した時、このカードを墓地に送り、装備モンスターの攻撃力をそのレベルの数×100ポイント下げることにより装備モンスターはもう1度攻撃できる

 

レインボーヴィクトリー atk/3500→2500

 

「行くぜ……!レインボーヴィクトリーのダイレクトアタック!レインボースターセカンドスラッシュ!」

 

7色の剣が不良を貫く

 

不良LP1600→0

☆☆☆

D・ゲイザーを外した空良は倒れた不良のもとへ駆け寄り不良が起き上がるのを助ける

 

「大丈夫か?」

近くにあるベンチに腰掛けた不良はポケットから1枚のカードを空良へ渡した

 

賭け(アンティ)だ。持って行け」

空良は渡されたカードをケースの中へ仕舞いながら

 

「そーいやアンタのグリドネスってどこで手に入れたんだ?」

 

不良は頭に手を当てながら

 

「いや、それが全く覚えていねぇんだ。誰かに渡されたと言うのは確かなんだがな……」

 

空良はそーかいと返事をしながら少年の元へ向かった

勿論、少年の大切なカードを渡すためだ

 

「ほら、お前のカードだ」

カードを手渡された少年は満面の笑みを浮かべ

 

「ありがとう!お兄ちゃん!」

そう言って帰っていった

 

空良がデュエルも終わったのでどうしようかと悩んでいると、突然ドサリという音が聞こえた。何事かと思って見るとさっきの不良が胸を押さえてうずくまっていた

 

「おい!どうした!」

不良は返事をすることも出来ないまま意識を失った

その直後、不良のデッキケースからさっきの黒い霧とグリドネスのカードが飛び出た

どこからともなく声が響く

 

「さっきはウチの者が世話になったねぇ」

その声は音声加工したかのようにノイズ混じりに聞こえてきた

 

「お前がコイツにグリドネスを渡した張本人か」

声は悪びれる様子もなく

 

「えぇ、そうよ。この子は私のためにカードを集める手駒だったのよ」

それを聞いた瞬間、空良のなかで怒りが沸き上がってきた

 

「なんのためだ!言え!」

 

「|この世の全てを手に入れるため《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》」

言っていることのスケールがあまりにも大きすぎて空良は理解できなかった

 

「……何が言いたい?」

そう質問するので精一杯だった

 

「あなたには偉大なる私の考えは理解できないようね。まぁいいわ。また会いましょ、ヒーロー使い君」

その言葉と共にグリドネスのカードは碎け散り霧は晴れていった

 

「何だったんだ……今の?」

空良はそのことについて考えたかったが今はやらなければならないことがある

 

「……救急車の番号って何番だったっけ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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