飲み会は合流してきた空手部・ラグビー部の面々が集い、地獄の様相を呈していた。ミスターコンテストに出場するため、という名目で伊織と耕平は早々に姿を隠していたが、金一はそうもいかない。
洗面器飲みという悪魔のゲームから始まり、一発芸のマジックショー(お酒が消えるマジックのこと)、古今東西ゲーム(飲みのゲーム)、炙りカルビゲーム(飲みのゲー(ryを余すことなく堪能した金一は、早々に外でグロッキーになっていた。
「うっぷ…男コン出場回避のツケがこんなところに回ってくるとは、あいつら早々に引き上げやがって、絶対許せん…」
おぼつかない視界と頭の中で鳴り響く騒音に顔をしかめながら、水を買うため自販機へと向かう。しかし、女性二人が道をふさいで話し込んでいるようだ。
「申し訳ないんだが、ここを通してもらってもいいか?」
「あ、ごめんなさい」
ツインテールの女性が振り向くと、朧だった金一の視界にも女性の表情が見え始めた。
派手な金髪のウィッグ、ぐちゃぐちゃに崩れ落ちたメイク、あたりに散らかる酒瓶と缶。控えめに言ってモンスターである。即座に飛びのき戦闘態勢をとる。金一はこちらを見てぽかんとしている小柄なサイドテールの子に呼びかける。
「君は逃げて、他の人間を呼んでくれ。俺がこの怪物を押さえる!」
喧嘩の経験はあるが、人外との戦闘は全くない。こんなことならCR牙狼(※1)をもっと打ち込んでおくべきだったか…!?
未だにぽかんとしているサイドテールの子を背中にかばいながら、目の前の化物に啖呵をきる。
「かかって来いよ化け物..!お前の相手はこの俺だ!!」
__________
端的に言うと、化け物の正体は人間であった。サイドテールの少女が腹を抱えて転げたと思ったら、涙をこらえつつ教えてくれたのだ。
「あーめちゃくちゃ笑っちゃった。心配してくれてありがとう、でもその子は人間だから大丈夫だよ」
……
…
どうやら本当に人間らしい。
しかしどこかで似たような話を聞いた気がするが…
「そうか、君が伊織と耕平が言っていたケバ子か」
確かにこれはケバ子の名に恥じないメイクだ、あいつらのネーミングセンスも捨てたもんじゃないな。
ケバ子がいきり立ちながらこちらへ話しかけてきた。一応人間だとは知っていても、まだちょっと怖い。
「だれがケバ子よ!ってあの二人と知り合いなの?」
「遺憾ながら」
アイツらと交友があることは末代までの恥だ。
本当に遺憾である。
サイドテール(仮称)がケバ子に問いかける。
「愛菜が言ってた2人のこと?」
「そう、面白いものを見せてやるとか言ってた…」
面白いもの?
鏡を見たら良いと思うが…
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「うひゃははははははは!!残念でした!!男ですぅーーー!!」
会場から飛び入り参加した伊織の馬鹿笑いが壇上に響く。会場は大盛り上がりである。
ケバ子から話を聞いた金一は大体の事情を察し、行動を開始した。
手始めに賄賂をばらまき、エントリーナンバーを変更し、不正の証拠をちらつかせることで客席からの入場を認めさせた。
手間はかかったが、それだけの価値はありそうだ。
美形がけちょんけちょんにされているのを見るのはたまらんものがあるな。
会場脇からにやにやと美形の醜態を眺めていると、ちょんちょんと肩をつつかれる。
「?」
振り返るとケバ子と一緒にいたサイドテールがいた。
「ありがとね、君も愛菜のためにいろいろしてくれたんでしょ?」
「面白いものが見れそうだったから一枚噛んだだけだ。礼ならあいつらに言うんだな。」
「それでも、ありがとね!」
ニコッと笑うサイドテール。背丈の差で自然と上目遣いに礼を言われる。
「…おう」
そんなに素直に言われたら照れるじゃん…(くそチョロギャンブル屑)
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※1 「牙狼剣を押し込め!!!」でおなじみのパチンコ機種。リーチ後はたいてい異形のモンスターとのバトルが始まり、勝てば大当たりである。余談ですが私は最近この台で5万負けました
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不定期ですが、エタらんようがんばります。
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