冷さんがブチギレた結果   作:熊田ラナムカ27

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 思いつきで書いた作品です。人気があったら続くかも。
 
 


1 母を怒らせたらヤバい

 

 

 

「………冷、一体これはなんだ?」

 

「離婚届です。私は印を押したのであとはよろしくお願いします。それと焦凍達についてですが、法律事務所との相談の結果、精神的及び身体的虐待のおそれがあるということで私が引き取る事になりました。次にこの家についてですが───」

 

「待て待て待て」

 

 今直ぐにでも出ていきたいと思いながら、私は夫の炎司ことエンデヴァーの返答を待った。まぁ、この考えを一切変えるつもりはないのだが。

 

「……一体俺の何がいけなかった?何がそんな風な考えを起こさせた……?」

 

「全部です。焦凍が生まれてからやってること全部です。100個以上言いたいことがあるんですけど全てお聞きになりますか?」

 

「………とりあえずだ、俺がヒーロー業でお前達疎かにしてることは───」

 

 

「そのことじゃないんですよ、私が怒っているのは。私が怒っているのは燈矢の夢を否定し、幼い冬美と夏雄に負担を掛け、焦凍に夢を押し付けてることです。あなたそれでも親ですか?No1、No1言いながら私のみならず子供達に負担を掛けるなんて………あなた馬鹿ですか?

 

 

 全て図星のことを言われ、エンデヴァーは押し黙るしかなくなる。

 

「あなたが何を言おうと焦凍達にやったことは変わりません。あなたの事務所の方々に迷惑なので虐待の事は公表しませんが、私はあなたとのよりを戻そうだなんて甘い考えは一切ありません。裁判をしたければどうぞ勝手に。既にあなたを法的に追い詰める準備はできています」

 

「ま、待て!!この家を出ていった後の生活はどうする!?焦凍達の生活費はどうするんだ!?」

 

「数年前から密かにやっている株取引のお金があるので大丈夫です。子供達がどんな進路に進むかはわかりませんが、少なくとも将来に困るということはないでしょう」

 

「ならば焦凍だ!!あいつには俺以上の才能がある!!それを育ててやるのも親の役目だろう!!」

 

 離婚するということで焦る彼の言葉に、私は呆れを隠せない。

 

「焦凍だけの夢じゃありません。燈矢と焦凍の夢です。燈矢の夢を否定するな、と私はつい先程申し上げましたよね?」

 

「うっ………」

 

「まぁ確かにその事は問題ですね。個性の伸ばし方に関してはプロヒーローのあなたの方が勝っていますし、かと言ってあの子達の夢を応援しないわけにはいきませんしね」

 

「だ、だろ!だから───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

「なので私、つい先日にプロヒーローの資格を取りました。更に言えば雄英高校で教鞭をとる事も決まっています。なのでその問題は既に解決してるんですよ」

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………えっ?」

 

「独学でしたので難しかったですが、根津校長の協力もあって6度目でようやく合格したんですよ。古典の教師資格も1年前に取っていますし、これでようやく働くことができます。ではこれで話は終わりです。焦凍達をこれ以上待たせるわけにはいかないので私は行きます」

 

「ま、待て!!」

 

「そうそう。一応資格は取ったので私は個性を使う資格があります。その意味、理解していますか?」

 

「ま、まさか………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「氷の中で頭を冷やしていろ。このヒーロー馬鹿が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

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「……これって、エンデヴァーさん生きてますかね?」

 

「本人曰く手加減したらしいから大丈夫だろうが、見事に凍らされてるな。それも否応なしに」

 

 数分前に掛かってきた電話を下に現場に来たバーニン達サイドキックは自分達の上司、エンデヴァーが夫婦喧嘩の果に凍らされてる状況に頭を抱えた。

 

 家自体は一切凍結されておらず、器用にもエンデヴァーのみが彫像のようになっている。プロヒーローの資格を持ってたとしても、このような緻密な個性操作はそうに見ない。よほど怒り狂っていたんだな、と同性であるバーニンは思わずにはいられなかった。

 

「そんで結局、エンデヴァーの息子さん達と奥さんはどこいったんだ?あんな大人数、友達の家に連れて行くわけにも行かないだろ」

 

「なんでも雄英高校の近くの一軒家を一括で買って、そこに全員引っ越したらしい。ここからだいぶ距離あるし、なかなか会う機会はないんじゃないか?」

 

「離婚した相手が家の場所を伝えるわけもないし、こりゃどうあがいても離婚確定だな。………でもなんか安心したわ。エンデヴァーさんも俺達と同じように、家庭とかで苦労してるんだなって知れてさ」

 

「………エンデヴァーさんには悪いけど違いないな、それ。なんつーか……一気に印象変わったわ」

 

 上司が目の前で氷漬けにされてるというのに、同僚ときたら何を言っているんだか。…………私も少しだけ思ったけど。

 

「じゃあバーニン、エンデヴァーさんの解凍よろしく頼むよ。俺達は適当に事故処理やって、適当に飲み物買ってくるからさ。なにか欲しいもんある?」

 

「あっつあっつのコーヒをよろしく。エンデヴァーさんの分ももちろん合わせてね」

 

 その後、エンデヴァーは無事解凍され、とんでもなく暗い顔で離婚届に判を押した。

 

 このことが一部に伝わったことで、エンデヴァーは実は親しみやすいヒーローなのでは?などという声が集まり、ランキングの票数が少し上がった。

 

 そして轟 冷ことブリザードヒーロー『イゾルデ』はその高い戦闘能力と母親を始めとした多くの者に親しまれ、一気にヒーロービルボードチャートを駆け上がっていくのだが………これはまた別のお話。

 

 

 

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