デコのヒーローアカデミア   作:かにかまとかにたま

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出会い〜神野事件まで
No.0 緑谷出子:オリジン


 

これは私が、最高のヒーローになるまでの物語だ。

 

 

 

 

 

「オールマイト、かっこいいー!わたしも、オールマイトみたいなヒーローになる!」

「デコ、おまえがオールマイトみたいに?ナマイキなこというなよ!ヒーローになれるのはなぁ、おれみたいにつよくてカッコいい、すげーやつだけなんだよ!」

「いたいいたい!かっちゃんひっぱらないで!」

「おれのかちだ!はっはっは!」

 

 

 

 

 

「お母さん、パソコン!はやく見せて!」

「また見るの!?出子(いずこ)、本当に好きねぇ。お母さんなんて危なくて見てられないのに」

「はやくー!」

 

『もう大丈夫!何故って!?』

『私が来た!!』

 

「やっぱりかっこいいーー!私も″個性″出たら、ヒーローになりたい!」

「どんな″個性″なのかなぁ…?強くてカッコイイのがいいなぁ」

 

 

 

 

 

「かっちゃんすごーい!ボカーンってなってるよ!」

「ヒーロー向きの素敵な″個性″ね、勝己(かつき)くん!きっと立派なヒーローになれるわ!」

「すげー!」

「かっけー!」

「いいなぁー!」

 

 

「待ってよかっちゃん!」

「おせーぞデコ!」

「かっちゃんの″個性″かっこいいなぁ…私も早く出ないかなぁ…」

「どんな″個性″でも、俺には敵わねーっつーの」

 

 

 

 

 

「″個性″は諦めた方が良いね」

「そんな……幼稚園の他の子たちはもうみんな発現してるのに、この子だけが……なにか原因は……?」

「断定はできないが、おそらく突然変異だろう。それと……ほら、ここ、足の小指。″個性″の有無と、ここの関節が有るか無いかってことについての研究結果があってね。生活に必要のないこの関節を無くしちまったのが、進化した人類ってことらしい」

「出子ちゃんには関節が2つある。今の世代じゃ珍しい、何の″個性″も無いタイプだよ」

 

 

 

 

 

「…………」

「…………」

『HAHAHAHA!!』

『私が来た!!』

「…お母さん」

「どんなに困っている人でも、笑顔で救けちゃうんだよ…」

「超かっこいいヒーローに、私も」

「なれるかなぁ」

「……出子……!!ごめんねえ出子!!ごめんね……!!」

 

ああ

違うのお母さん

そのとき私が言ってほしかったのは

 

 

 

 

 

「ええっ!出子ちゃん″個性″ないの!?」

「出子ちゃんほんとぉ!?」

「ホントー?」

「マジかよー」

「…………」

 

 

「よぉデコ!″個性″ないって本当かよ!?」

「かっちゃん……うん、本当だよ」

「おいおい、しょぼい″個性″ですらないのかよ!笑えるなぁ!」

BOM!BOM!

「…………」

「なんとか言えよ、デコ!」

「…………」

「ははっ!やっぱりお前じゃ、ヒーローになんか――」

「――ッ!!」

 

初めて、自分から掴みかかった。

 

「離せよ!クソ!」

「私も!!ヒーローに!!」

「″無個性″じゃなれねえよ!!」

バキィ!

ドサァ!

「ほらな!弱いやつはすぐ負ける!」

「うう……」

 

「あああぁっ!!」

「このッ!!」

バキィ!

ドスッ!

「クソッ!痛え!」

「ううぅ……!ああ!」

「しつこいぞ…!」

バキィ!

 

「お前の負けだ、諦めろ!」

「嫌だ!!私も、ヒーローに!!」

「うるせえ!!!!」

 

BOM!!!!

 

 

 

 

 

「奥さん、出子ちゃんの怪我ですが……額の左側、火傷の跡はどうしても残ってしまいます。前髪で隠せそうな大きさではありますが……」

「……そうですか……」

「″個性″での治療が許可されている大きい病院でしたら、綺麗に治せるはずです。費用はかかりますが、何より女の子ですし、傷が残るのは……」

「私からやったケンカなんです……このままでいいです」

「出子……」

「そうは言ってもですね……」

 

 

 

 

 

『出子ちゃん!?どうしてこんなことに!?早く救急に連絡を!!』

『先生、そんなに慌てなくても、私は大丈夫だよ』

『大丈夫だなんて……!!でも、安心して、すぐに助けが来るからね』

 

『……もしもし、こちら○○幼稚園です――』

 

『先生、かっちゃんは?』

『……勝己くんは、向こうで少し待っててもらっているわ』

『かっちゃんは悪くないの、私がやめなかったから……だから捕まえないで……』

『子供は捕まったりしないわ、安心して。大丈夫よ』

『…………』

 

 

 

 

 

BOM!!!!

熱い……

背中から倒れて、空が見えた。

 

「あぁ……ああっ……!!そんな……!!デコ……!!」

 

 

悔しくて悔しくて、涙が止まらない。

 

「私の負け……かっちゃんの勝ち……」

「おい、デコ!!ごめん、ごめん…!!俺は……俺は!!」

「どうして……かっちゃんが泣いてるの……?」

「……っるせえ!!早く……誰か、誰か助けを……!!」

「待って……!!」

 

必死で手を伸ばし、服を掴んで引き留める。

 

「私……ヒーローになりたい……!かっちゃんみたいに、強くなりたい……!!」

「ッ……!」

「なれる、かなぁ……?」

 

 

 

「………………なれる………かもな………………」

 

 

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