デコのヒーローアカデミア   作:かにかまとかにたま

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No.15 期末試験、vsオールマイト

「……夏休みに林間合宿をします」

「「うおーーっ!!」」

 

「ただし、期末テストで赤点取ったヤツらは補習地獄だ、覚悟しとけ。筆記と実技の両方あるからな」

 

 

 

 

「全く勉強してねーーー!!」

 

上鳴くんの悲痛な叫びが教室に響く。

 

「ねえかっちゃん、一緒に勉強しない?」

「しねえよアホ」

「そんなあ……」

 

 

「なあ爆豪、俺に勉強教えてくれ!頼む!」

「……仕方ねえな、教え殺してやるよ」

 

私は断られたのに……切島くんはあっさりOKもらえてる……

 

「あのねデコちゃん、私ちょっと不安なとこあってね……教えてもらえたらなって……」

「お茶子ちゃ〜ん!!」

「わっ、どうしたの?」

 

 

 

 

昼食

 

「……カツ丼うまい!!」

「機嫌なおっとる…………演習試験って何するのかな?」

「分かんないけど、なんとかなる!」

 

水をとってこようと席を立つと、後ろを通っていた人とぶつかりそうになった。

 

「……ギリギリセーフ!」

「危ないなあ、君は周囲の安全確認もできな――」

「物間くん、こんにちは!」

「……そういえば君ら、ヒーロー殺しに遭遇したんだって?怖いなあ、いつか僕たちも巻き込んで――」

「あ、拳藤さんこんにちは!」

 

「ああ、こんにちは……物間が余計なこと言わなかったか?」

「……?ううん、特になにも」

「そうか、ならいいんだ」

「…………」

「……期末の演習試験、入試ん時みたいな対ロボットの実戦演習らしいよ。先輩に聞いたんだ」

「なるほど、教えてくれてありがとね!」

「なにしてるんだ拳藤!せっかくの情報をA組に流すなんて……!!」

「お前はもう少し平穏に生きろ……お互い頑張ろうな」

 

 

 

放課後、クラスのみんなにさっき聞いた情報を伝える。

 

「んだよロボならラクチンだぜ!」

「やったあ!」

 

 

「お茶子ちゃん、勉強会いつどこにする?ウチはアパートだけど……」

「私もアパート、一人だしこっちでいいよ。日にちはね、うーんと……」

 

 

 

 

 

そして時は過ぎ、演習試験当日……

そこには多くの先生方が待っていた。

 

「さて、試験の内容なんだが……」

 

根津校長が相澤先生の肩から飛び出す。

 

「諸事情あって、今回から内容を変更しちゃうのさ!!」

「二人一組で、教師一人と戦闘を行ってもらう!!」

 

「まず轟と八百万がチームで、俺とだ」

 

「次に緑谷と爆豪がチーム、相手は……」

「私がする!!」

 

 


 

『緑谷と爆豪ですが、オールマイトさんに頼みます』

『二人は優秀ですが、先走った行動をとりがちです。他の教員じゃ手に余る、No.1直々に挫折させてやってください』

『なんなら勝ち筋残さなくてもいいです』

 

『容赦ないね相澤くん……』

 


 

 

「さて、ここが我々の戦うステージだ」

 

オールマイトに連れられ、ビルが立ち並ぶ市街地ステージへとやってきた。

 

「制限時間は30分で、君たちの勝利条件は二つのうちどちらか……『このハンドカフスを私にかける』、もしくは『どちらか一人がゲートから脱出する』こと!!」

「ヴィラン役であるこの私と、戦うか逃げるか……その判断も含めての試験だ!!」

 

「オールマイトと戦う!?そんなの……」

「……そこで、ハンデをつけるのさ!」

 

「超圧縮重り!体重の約半分の重量を装着する!……ちなみにこれのデザインはサポート科の発目少女だ」

 

さすが発目さん……

 

「重りのハンデに、手錠掛けるだけで勝ち……ナメてんな」

「……どうかな……?さあ、君たちはステージ中央からのスタートだ」

 

 

 

「かっちゃん、作戦どうしよっか?」

「ブッ倒す」

「いやいや、相手はオールマイトだよ!?」

「うるせえ……!あんなクソニセ筋、ボコればヒョロガリに戻んだろが!!」

「ニセ筋!?……無理だって!二人で牽制しながら逃げたほうが――」

「逃げたきゃ一人で逃げろや!!」

「戦っても勝てないって!!」

「黙ってろ!!」

 

 

 

『期末テスト、レディ……スタート!!』

 

 

 

「勝つんだよ、ヒーローは……!!逃げたりなんかしねえ!!俺は認めねえ!!」

「かっちゃん……どうしたの……?なんかおかしいよ最近……」

 

 

 

「……じゃあ私も戦う」

「……は?」

 

「勝てる見込みのない仲間を置いて逃げるなんて、ヒーローじゃない」

「テメェ……バカにしてんのか……?」

「してないよ、やるなら()()()やろう。二人で一緒に――」

「うるっせえ!!!!テメェと協力なんざ――」

 

 

ドガァアアアン!!!!

 

「「ッ!?」」

 

風圧で思わずよろめく。土煙の中から、人影が近づいてくる。

 

「街への被害などクソくらえだ……試験だなんだと考えてると、痛い目みるぞ」

 

何だ…この…とてつもない威圧感は……!

 

「私はヴィランだヒーローよ……真心込めてかかってこい……!!」

 

向かってきた!!かっちゃんは引く様子がない、やはり戦うしかない!!

ワン・フォー・オール、全身20%!!

まずはかっちゃんの出方に合わせる、爆発に巻き込まれないように少し後ろで待機……

 

 

かっちゃんが手を構えると、眩しい光が放たれた。

飛びかかるかっちゃんにオールマイトが手を伸ばし、顔を掴む。

BOMBOMBOM!!

爆破を浴びてもオールマイトはものともせず、かっちゃんを地面に叩きつけた。

 

 

――瞬間、40%!!今扱える私の全力!!

SMAAASH!!

渾身のパンチがボディを捉え、オールマイトを吹き飛ばす。

 

「かっちゃん!大丈夫!?」

「うるせえ……!余計なことすんな!」

 

 

「……いいパンチだ、成長したな……かなり効いたよ」

「なっ……!?」

 

効いたという言葉とは裏腹に、オールマイトは悠々と歩み寄る。

 

「ほんのお返しだが……受け取れ!」

 

――速い!!ガード――

 

「……っぁ!!」

 

なすすべもなく吹き飛び、地面を転がる。

 

「オエッ……」

 

口の中に不快な酸っぱさが広がる。

直後、かっちゃんも同じように飛ばされてきた。

 

「オエッ……」

「…かっちゃん、これで気ぃ変わった?」

「……変わるかよ」

「このままじゃ勝てないよ、分かってるでしょ?二人で息を合わせないと――」

「黙ってろ……!勝つんだよ……!」

 

再び、オールマイトはゆっくり近づいてくる。

 

「なんか、()()()()だなあ」

 

「……は?」

「いつもはもっと、自信満々でカッコいいのに……」

「…………」

 

「前方に爆破をお願い、隠れて作戦立てよう」

 

 

――BOOOM!!

 

 

 

 

 

 

「あの頑丈さじゃKO勝ちは望めねえ。かといって逃げようとしても、バカみてえなスピードで追いつかれる。だから、ある程度のダメージを与えつつ距離を取る……さっきテメェがブッ飛ばしたみてえに、逃げ切るまで何度もだ」

「私の攻撃より、範囲の広いかっちゃんの爆破の方が捉えやすい。私が先に飛び出して気を引くから、タイミング合わせて」

「どうするつもりだ?」

「……これを見せびらかせば、私への警戒が強くなるはず」

 

 

 

 

 

出口へ向かうオールマイトを一度やり過ごし、後ろから声を掛ける。

 

「オールマイトォ!!!」

「……呼んだかい?」

 

私はオールマイトに向かって走っていく。そこそこ近づいたところで……

 

「今だ、かっちゃん!!」

「――そういう感じか!」

 

オールマイトが振り向いたが、誰もいない。

 

「――いないんかい!!」

「はあああっ!!」

 

マントの陰に隠していたハンドカフスを手に掲げ、突撃する!オールマイトの視線が再び私に向く。

……瞬間、30%!!地面が割れる程に強く踏み込む!!

――身構えているオールマイトの頭上を飛び越えた。空中でかっちゃんとすれ違う。

 

「いるんかい!!」

「ったりめえだ!!」

 

ピン!

BOOOOM!!

 

巨大な爆発がオールマイトを包んだ。

私は全身20%で、かっちゃんは爆破で加速して駆ける。

 

「これ間に合うかなあ!?」

「黙って走れや!!」

「……出口だ!!」

 

脱出ゲートが見えてきた……後ろを振り返って確認する。

――オールマイトがすぐそこまで迫っていた。

 

「――近っ!!」

「クソッ……!!」

 

かっちゃんがさっき撃ったのと反対側、右の籠手を構える。

 

「TEXAS SMASH!!」

 

オールマイトが放った風圧が、振り返って構えていた私たちを押し倒す。

体勢が崩れたところを狙われて、瞬く間にかっちゃんの籠手が両方とも破壊された。ついでに私が持っていたカフスも。

二人とも持ち上げられ、地面に叩きつけられる。

 

「「がはッ……!!」

「……さてと、どうしたものかな……?まだ時間はあるんだが……」

 

強すぎる……攻撃が通じない上に、逃げ切ることもできない……!!

 

「最大火力の爆発で距離を取る……しかし、頼みの綱も壊れてしまった……これで終わりだ!!」

 

――やるしかない、なりふり構ってられない!!

少ない動作で悟られないように、距離を取るための効果的な攻撃――

指先に意識を集中、100%……デラウェア――

 

SMAASH!!

BOOOOM!!

 

偶然かっちゃんとタイミングが合い、オールマイトを上に高く吹き飛ばした。二人とも手を押さえながら立ち上がる。

 

「ったぁ……」

「ってえ……」

 

「デコ!ゲート行け!!」

「かっちゃんが行って!!」

「テメェが行けや!!」

「空中ならかっちゃんの方が速いでしょバカああ!!!!」

「――オイ何すん――」

 

かっちゃんの腕と腰辺りを掴んで持ち上げる。瞬間、40%!!力任せに投げ飛ばした!!!

 

「ってめぇええ!!!」

 

すぐに自分も駆け出す。風圧での空中移動、私にできるならオールマイトはもっと速く移動できる……!!

 

「New Hampshire SMASH!!」

 

オールマイトが、真っ直ぐかっちゃんへ向かっていく。

かっちゃんの爆破なら、迎撃と加速を同時にできる……逃げ切れるはず……!!

BOOOOM!!

 

「――こっちだ少年!!」

 

空中で横に避けたオールマイトが拳を振る。風圧でかっちゃんが飛ばされて、ゲートへの向きから逸れてしまった。

 

「――ッソがぁああ!!」

 

BOOOOM!!

かっちゃんは再び大爆破でゲートに向かい、オールマイトは横から迫る。

真っ直ぐ駆けていた私は何とか追いつき、二人の間に飛び込んだ。

 

左腕に意識を集中……!!

 

「――緑谷少女!そいつは――」

 

――あの日私が飛び出せたのは、すぐについてきてくれると信じてたから……私一人じゃ出来なくても、二人なら……

あなたがいてくれれば、私は何でも出来る……出来そうって思えるから……!!

 

「はあああっっ!!!」

 

ワン・フォー・オール、100%……!!

デトロイト……SMAAAASH!!

 

 

 

 

 

「……全く、相変わらず無茶をする……」

「…………」

 

撃つ前から分かっていた、相手はオールマイトなのだから……大振りな攻撃だと、たとえ100%だろうと相殺される。私の″個性″について、私よりも詳しい人なのだから。

 

辺りに土煙が舞い、私のマントがはためくのを背中で感じた。

 

「……君たちの勝ちだ、おめでとう」

「……気が早いですよ?」

「むむっ?」

 

振り返って、足に力を込めた――

 

BOOOOM!!

 

 

「テメェ自分で言っといて、自分が残ってんじゃねえよ……!!」

「残ってないよ、ほら脱出できた」

 

 

『緑谷・爆豪チーム、条件達成!!』

 

 

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