「選手宣誓!代表、1-A 爆豪勝己!!」
「代表かっちゃんなんだ」
「あいつ一応入試1位だしな」
「え、そうなの瀬呂くん?」
「開示されてたろ、合計90ポイントでダントツだ」
「せんせー、俺が1位になる」
「絶対やると思った!」
「調子のんなよA組!!」
「何様のつもりだ!?」
「なめてんのか!?」
「潰したるわ!」
「はっ、ザコどもはよく騒ぐよなぁ!?」
「煽り過ぎだよかっちゃん……」
「第一種目、障害物競走!!コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」
何をしても……つまり、妨害ありの早い者勝ち……
「3、2、1、スタート!!」
開始直後、足元に氷が張り詰める。
「うわっ!?」
跳躍して回避!前に抜け出す。
『実況はこの俺プレゼントマイク!!解説はイレイザーヘッドでお送りするぜえ!!』
『まずは第一関門、ロボインフェルノ!!潰されんなよヒヨッコども!!』
待ち受けていたのは、入試の仮想
轟くんが凍らせてすり抜ける、あれにはついていけない……
かっちゃんが爆破でロボを登っていく、あっちについて行こう!全身10%を維持!!足場を見極めて駆け上がる!
「爆豪、正面突破しそうな性格してんのに避けんのね」
「便乗させてもらうぞ」
私の他にも二人、瀬呂くんと常闇くんがロボの上に登る。
「着地どうしよう!?……瀬呂くん!」
「なんだよ緑――うおっ!?おいっ!?」
テープを巻き取るタイミングで抱きついて、自分も勢いを殺してもらう。
「ありがとね!助かった!」
「……真っ平ら……じゃなかった、なんなんだよ……」
第一関門付近で団子状態になっているみたいだ、早めに抜け出せてよかった!
『第二関門、ザ・フォール!!落ちたら即アウトの綱渡りだぜ!!』
かっちゃんが綱を渡らず飛んでいく。爆破の頻度が増えてきてる、エンジンかかってきたみたい……
エンジンといえば飯田くん、圧倒的速さで後ろから私を追い越して綱渡りにたどり着く。
「恐らく兄も見ているのだ……かっこ悪い
『カッコ悪ィィ!!』
何あのポーズ……バランスとるためだろうけど……
私は飛び越えれそうな幅のとこだけ跳んで、大人しく綱を渡った。
それでも、私だって常時発動で駆けているため、かなりの好順位だ。先頭が轟くん、次にかっちゃん、飯田くんに続いて4番手。
『さあ最終関門!!一面地雷原!怒りのアフガンだ!!』
『ちなみにその地雷…威力は大したことねえが、音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』
『人によるだろ』
お下品ですよマイク先生……
『先頭の轟、ペースが落ちる!……おおっと!?ここで爆豪が来たあ!!1位に躍り出る!!後続もスパートかけてくるぞ!!』
あ、待って飯田くん、その速さのまま突っ込んだら……!!
BOM!
「くっ!」
BOM!BOM!BOM!
「飯田くーーん!!」
バランスを崩した飯田くんが地面に倒れ、連鎖的に爆発を引き起こす。
私は冷静にそれを避けて、なるべく轟くんが通った部分を選んで進む。
BOM!
「わっ!?」
まだ残ってた、でも…かっちゃんの爆破に比べれば大したことない。
それになにより、かっちゃんと轟くんが足を引っ張り合ってる今がチャンス!さっき二人が踏んだ箇所を覚えている……ここだ!!
『3番手の緑谷!!地雷を恐れず跳躍!!一気に先頭の二人に迫るぅ!!』
『恐れずじゃねえ、あいつはよく見てるよ』
「待てぇー!!」
着地地点は二人の真上!あわよくば踏みつけて――
BOOM!!
『爆豪が大爆破!!二人を妨害しつつ、大きく引き離したああ!!』
『一度の爆破で轟と緑谷の両方を巻き込めるタイミングを狙っていたな』
『さあさあ諸君!!先頭で帰って来たのはこの男!!宣言通りにまずは快勝!!爆豪勝己ィィ!!!』
ゴール直前、足元凍ってて転びそうになった……
とりあえず予選は3位、まあ上出来でしょ!!
「さて、予選上位42名が本選に出場!!気になる第二競技は……騎馬戦!!」
「2〜4人で1チーム、一人ずつ順位に応じたポイントが配られるわ!下の順位、42位から5Pずつ……2位までくると205P!!そして……」
「1位は特別に、1000万ポイント!!上の者ほど狙われる、サバイバルバトルよ!!」
「……上等だ、かかってこいよ!!」
「制限時間は15分、チームの合計ポイントが書かれたハチマキを騎手が装着!お互いに奪い合ってもらうわ!なお、取ったハチマキは首から上に巻くこと!あと、脱落は無しだから、どのチームも時間いっぱい戦って頂戴!」
「もちろん″個性″はアリ!でも、騎馬戦を逸脱する悪質な攻撃は一発退場だからね!」
「チーム決めの交渉タイムも15分!始め!」
「かっちゃん!組もう!」
「組まねえ、失せろ」
「デコちゃん、どうするの?」
「うーん……」
とりあえずお茶子ちゃんを誘ってから、現在考え中。
「かっちゃんがいれば絶対負けないんだけどなあ……飯田くんにもさっき断られちゃったし……なんなら二人のままでもいいかなって。私がお茶子ちゃん背負えば、他の騎馬より圧倒的に身軽だし……」
「なるほど……でも私が騎手だと、決め手に欠けちゃうよ?……相手浮かせちゃうとたぶん反則やし」
「それもう騎馬戦じゃなくなるもんね。じゃあ欲しい人材は、決め手になる誰か……」
「そこの人!私と組みませんか!!」
「……どちら様?」
「サポート科の発目 明といいます!」
「1位、2位の人にも声をかけたのですが、あっさり断られたのですよ!そこで3位のあなたのとこに来ました!!」
「はあ……」
「大企業の目に留まるためにも、なるべく注目度の高い方と組みたくて!!どうでしょう!?こちらのベイビーたちはいかがでしょう!?きっと役に立ちますよ!!特にこれ!私のお気に入り!!とあるヒーローのバックパックを参考に……」
「それってバスターヒーロー『エアジェット』!?私、事務所が近所でさ……。それ、使えるね……組もう!」
「ありがとうございます!!それではコレなんてどうでしょう!?こちらは――」
「デコちゃん、決め手になる人を探すんじゃ……」
「それはそうだけど、残り二人は機動力と決定力が一人ずつ欲しい。それにこのジェットパック、お茶子ちゃんの″個性″
と相性いいし」
「たしかに……」
よし、もう一人……″個性″を知ってるA組の誰かを……
みんな大体のグループがまとまってる……ん?隅っこにいるのは……
「常闇くん、一人なの?」
「……生ける者は常に、孤独な影と隣り合わせ……」
「私たち三人と組まない?」
「妖精の花園に影が差す……」
「……もしかして、女子三人で照れてる?」
「…………」
相談の結果、常闇くんが騎手で私が前騎馬。
常闇くんの″ダークシャドウ″には自我があって、命令せずとも攻撃・防御をこなすが、自分で操作した方が対応は素早い。つまり、操作に集中してほしいから騎手になってもらった。また、明るさでダークシャドウの強さが変わるため、騎馬になって騎手の影に入ろうかとも思ったのが、ぶっちゃけそれぐらいじゃ変わらんらしい。
「作戦立てたのは私だけど、競技中の指揮権は常闇くんで!」
「おっけい!!」
「ダークシャドウ!!目立ちますね!……そうだ、いいアイデア思い付きました!!持ち運びできてかさばらない黒布を格納できる――」
「緑谷、俺が指揮でいいんだな……?」
「任せた!!」
『よおーし待ってたぞ!!準備は当然いいよなあ!?残虐バトルロイヤル、カウントダウン!!』
「我が眷属たちよ、
「けんぞく……」
「らぐなろく……」
「アイヨ!」
「あいよ!」(最後ではなくない?)
『3…2…1…!スタートォ!!!』
「オラァ!!かかってこいよモブカスども!!」
BOM!BOM!
作戦で大事なのは、常闇くんと相性の悪いチームとの戦闘を避けること。特にかっちゃん、絶対近づかない。というかたぶんかっちゃん、近寄ったら迎撃して逃げ切りじゃなくて、普通に奪いにくる。
他に強い光を出すのは、轟くんと上鳴くん、あとヤオモモちゃんがなんか創れるかも。この三人は同じチームだ。
つまりはこの2チームをなるべく避ける。
1000万ポイントであるかっちゃんチームを避けるということは、最大の混戦に加わらないということでもある。安定はするが、ポイントは伸び悩む。
終盤に仕掛けにいくかどうか、そこは実際のポイント次第だ。
「緑谷、予想通りだ……征くぞ!!」
同じく、離れたところから様子を窺うチームが他にもいくつか……悪いけど、狙わせてもらう!
1000万ポイントを狙わない様子見チームは、私たちと似ているようで少し違う。彼らはおそらく、正面戦闘をなるべく避けたいという意図のはずだ。しかし私たちは、
簡単にまとめると、1000万を狙うヤツを狙うヤツ、それをさらに狙う。……ややこしい?
「なんてヤツらだ、こっち来るとは……!A組にはこんなに卑劣なヤツらがいるのか……!?」
名前わかんないけど、B組の人たち!
「そう言わずに、仲良くしようよ!!」
「ダークシャドウ……!」
「
空中で攻撃が止められる。
「不可視の壁……無駄だ……」
ダークシャドウが横から回り込むように伸びる。
騎手からハチマキを掠め取った!
「
「取られた……!」
「……物間くん、ごめんね」
「
「眷属たちよ、撤退!!」
浮かして、跳んで、ジェットで軌道修正。あっさりと離れる。……私たち強すぎない?
「降りるよ!……解除……!」
「よし、次だ……征くぞ!」
あの騎手は……見覚えがある、普通科の人。
騎馬に青山くん、尾白くん、あとB組の人が一人。
「おいおい勘弁してくれよ……お前らなら他狙えるだろ?」
「そりゃそうだけど、悪いね!ポイントいただ――」
「――さん、緑谷さん!?私困ります!!叩いてごめんなさい、でも緑谷さん!!あれ、名前合ってますよね!?他二人も、困りますよ!競技中ですよ!!目立てないじゃないですか!!私が困るんです!!しっかり――」
「……あれ、発目さん?」
「なんなんだよこの黒いの、なんで動く……!ハチマキ取れねえ……!」
「フミカゲ!オキロ!指示ヲクレ!」
「指示…… ――っ!ソイツを引っ込め――」
「――はあっ!!」
とっさに後ろに飛び退く。
「重いっ……!!」
「サポートしますよ!!」
バランスを崩しかけたが、発目さんのジェットパックで立て直すことができた。
「ベイビーが壊れたぁ!?ああっ!!出力が限界超えて――」
「助かった……!」
「……あれ?」
「……闇に惹かれていた……?」
「フミカゲ!」
「常闇くん、ハチマキは!?」
「……あるぞ、問題ない」
その後は順調にポイントを稼ぐことができた。かっちゃんと轟くんがバチバチに戦い続けていたため、私たちの方にその二人が来なかったのが一番大きい。
その2チームを狙うのを諦めて、3位の私たちを狙ってきた他チームも、ことごとく撃退した。常闇くんが強すぎる。
終盤、かっちゃんと轟くんが私たちを気にし始めたが、お互いに牽制し合っていて結局こちらに近づいては来なかった。
それにあの普通科の人……実況によると名前は心操くん。今度は油断せずに彼をマークして距離を取っていたのだが、むしろ私たちを避けるように動いていた。
『3!2!1!タイムアップ!!早速結果は……』
『1位、爆豪チーム!』
『2位、轟チーム!』
『3位、常闇チーム!』
『4位、心操チーム!』
『以上4チームが、決勝に進出だああーーーっ!!』