第三十三話「消えたクラン」
ユウトside
あの全国大会からそれなりに過ぎたある日、俺は変な夢を見た。
額にシールみたいなのを貼ってる少年とファイトしたのだが、気が付くと自分の家にいて...デッキは手に持っていた。
あの夢の少年は、俺がネオネクタールを使ってることになぜか驚いていた。
ロイヤルパラディンでもシャドウパラディンでもない、と困惑していたようだ。
そのまま普通にファイトして俺の勝ちで終わったのだが、彼は見たことのないクランを使っていた。
【ゴールドパラディン】...どことなく、ロイヤルパラディンとシャドウパラディンに似ていた気がする。まあ、同じパラディンだし、それもそうか。
だけど、違和感はすぐ感じた。誰もロイヤルパラディンもシャドウパラディンも使っていない。使っていた人のデッキはすべてゴールドパラディンになっていた。
そして、それはレンも...
「え、僕のデッキは最初からゴールドパラディンでしたよ。ね、テツ。」
「ああ。急にどうしたんだ、ユウト。」
「いや...なんでもない...」
俺がおかしくなったのか...?
ロイヤルパラディンも、シャドウパラディンも本当はなくて、ゴールドパラディンだったのか?
ヴァンガードファイト甲子園に向けて、準備を進めていかなければならないというのに...俺は少し疲れているのかもしれん。
そう思った俺は、レンとテツに外の空気を吸ってくると言い、外出することにした。
「なぜ、ロイヤルパラディンとシャドウパラディンが消えた...セシリアの声も聞こえないし、いったい何が起こってるんだ...?」
最近、セシリアの声が聞こえない日が多い。
アイチ君、レンからはPSYクオリアが消えたが、俺にはまだ残ったままだ。
「そうだ、アイチ君のデッキはどうなったんだ?」
アイチ君のデッキも、ロイヤルパラディンからゴールドパラディンになっているのだろうか。
「確かめに行くか。」
.....
....
...
..
.
アイチside
「じゃあ、櫂くんは自分のデッキが変わってることに気付いてないの...?」
「...俺のデッキは、このなるかみだ。それが違うというのか。」
「うん...櫂くんはかげろうを使ってたんだ。」
「かげろう...聞いたことのないクランだ。」
ある日、僕のロイヤルパラディンデッキが消え、ゴールドパラディンデッキに入れ替わっていた。そして、キャピタルで櫂くんのデッキを見て、櫂くんのデッキも変わっていることに気付いた。
でも、櫂くんはそれに気付いていないようだった。
一体、何が起こってるんだろう...
「アイチ、俺とファイトしろ。」
「え?」
「お前の言うことを信じる。だが、原因がわからない以上、今はお前の言うその少年を探すのがいいだろう。それにはどれくらいかかるかわからない。」
「うん...」
「ならば、少しでもそのデッキに慣れておくことだ。俺が相手になる。」
「櫂くん...わかった、ファイトしよう。」
僕たちは話をしていた公園にあるステージ上のファイトテーブルに向かい合う。
このゴールドパラディンを使うのは初めてだ。それに櫂くんのなるかみデッキも初めて対戦する。
「行くぞ、アイチ。」
「うん。」
「「スタンドアップ」」
「THE」
「「ヴァンガード。」」
「"スパークキッド・ドラグーン"。」
「"紅の小獅子キルフ"。」
「俺から行くぞ。ドロー。"デモリッション・ドラゴン"にライド。"スパークキッド"のスキルで1枚ドローし、ターンエンド。」
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櫂 手札:6枚、ソウル:1枚、ダメージ:0枚
□□□
□■□
V : デモリッション・ドラゴン
□■□
□□□
V : 紅の小獅子キルフ
アイチ 手札:5枚、ソウル:0枚、ダメージ:0枚
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「僕のターン、ドロー。えっと..."美技の騎士ガレス"にライドします。"キルフ"のスキルで1枚ドローし、クイックシールドを得ます。」
えっと...このカード、序盤に出して展開していきたいし、使うべきかな。
「"小さな闘士トロン"をコールします。これでバトルです。"ガレス"でアタック。」
"美技の騎士ガレス" : パワー8000
「ノーガード。」
「ドライブチェック、"だんてがる"。フロントトリガーだから...えっと、前列にパワー+10000です。」
"美技の騎士ガレス" : パワー18000(8000+10000)
"小さな闘士トロン" : パワー18000(8000+10000)
「ダメージチェック、"ダストプラズマ・ドラゴン"。」
「"トロン"、櫂くんにアタック!」
「"ドラゴンダンサー カタリナ"でガード。」
"デモリッション・ドラゴン" : パワー23000(8000+15000)
「"トロン"でリアガードを展開しようとしたみたいだが、甘いぞアイチ。」
「さすが櫂くん、お見通しか。ターンエンドです。」
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櫂 手札:5枚、ソウル:1枚、ダメージ:1枚(表:1)
□□□
□■□
V : デモリッション・ドラゴン
□■■
□□□
V : 美技の騎士ガレス
R右 : 小さな闘士トロン
アイチ 手札:7枚、ソウル:1枚、ダメージ:0枚
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「俺のターン、ドロー。"サンダーストーム・ドラグーン"にライド。さらに"希望の雷ヘレナ"、"ドラゴニック・デスサイズ"をコール。"デスサイズ"のスキル、SB2してお前の前列のリアガードを1枚バインド!」
「ああ!"トロン"が...」
「そして、"デスサイズ"はパワー+3000。」
"ドラゴニック・デスサイズ : パワー12000(9000+3000)
「くっ...」
「バトル。"デスサイズ"でアタック!"デスサイズ"はスキルでパワー+5000!」
"ドラゴニック・デスサイズ" : パワー17000(9000+3000+5000)
「"だんてがる"でガードします。」
"美技の騎士ガレス" : パワー23000(8000+15000)
「ならば、"ヘレナ"のブースト、"サンダーストーム"でアタック。」
"サンダーストーム・ドラグーン" : パワー17000(9000+8000)
「ノーガードです。」
「ドライブチェック、"ドラゴンダンサー ライライ"。」
「ダメージチェック、"神技の騎士ボーマン"。」
「これでターンエンドだ。」
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櫂 手札:4枚、ソウル:0枚、ダメージ:1枚(表:1)
□■□
□■■
V : サンダーストーム・ドラグーン
R右 : ドラゴニック・デスサイズ
R中央 : 希望の雷ヘレナ
□■□
□□□
V : 美技の騎士ガレス
アイチ 手札:6枚、ソウル:1枚、ダメージ:1枚(表:1)、バ:1
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「僕のターン、スタンド&ドロー。"神技の騎士ボーマン"にライド。スキルで手札を1枚捨て、山札から"ガレス"をコールします。クイックシールドを捨て、コール。さらに、"ガレス"はカードの能力で登場したとき、CB1することでパワー+10000!」
"美技の騎士ガレス" : パワー18000(8000+100000)
「バトルです、"ガレス"でリアガードにアタック!」
「"ライライ"でガード。」
"ドラゴニック・デスサイズ" : パワー19000(9000+10000)
「なら、"ボーマン"でヴァンガードにアタックします。」
"神技の騎士ボーマン" : パワー9000
「ノーガードです。」
「ダメージチェック、"ワイバーンガード ガルド"。1枚ドロー。」
「トリガーを引かれた...」
「アイチ、この程度では俺には勝てんンぞ!」
「っ....ターンエンドです。」
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櫂 手札:4枚、ソウル:0枚、ダメージ:2枚(表:2)
□■□
□■■
V : サンダーストーム・ドラグーン
R右 : ドラゴニック・デスサイズ
R中央 : 希望の雷ヘレナ
□■■
□□□
V : 神技の騎士ボーマン
R右 : 美技のカレス
アイチ 手札:6枚、ソウル:2枚、ダメージ:1枚(裏:1)
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「俺のターン、スタンド&ドロー。見るがいい、アイチ。これが俺の本当の姿。ライド・THE・ヴァンガード!封印の檻を突き破り降臨せよ、雷の化身!"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン"!」
「"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン"...!?」
「イマジナリーギフトアクセルⅡを得て、1枚ドロー。そして、リミットブレイク!」
「リミットブレイク!?」
「CB2、"ヴァーミリオン"はパワー+5000、クリティカル+1!」
"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン" : パワー17000(12000+5000)、☆2
「コール、"サンダーブレイク・ドラゴン"、"レッドリバー・ドラグーン"。」
"レッドリバー・ドラグーン" : パワー14000(9000+5000)
「バトルだ。"サンダーブレイク"でリアガードにアタック。」
"サンダーブレイク・ドラゴン" : パワー12000
「ノーガードです。"ガレス"は退却します。」
「続けて、"ヴァーミリオン"でアタック。」
"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン" : パワー25000(12000+5000+8000)、☆2
「く...ノーガードです。」
「ツインドライブ、1枚目、"ドラゴニック・デスサイズ"。2枚目、"サンダーストーム・ドラグーン"。」
トリガーは出なかった。けど、クリティカル2の攻撃が来る...!
「受けるがいい、終末の時を告げる稲妻!ヴァーミリオン・サンダーボルト!」
「うわああああ!」
櫂くんの激しい雷のようなイメージが、僕を襲う。
思わず僕は激しくのけぞってしまう。
「ぐ...ダメージチェック、"聖弓の奏者ヴィヴィアン"、"神技の騎士ボーマン"...」
「"レッドリバー"、追撃しろ!」
「"フレイム・オブ・ビクトリー"でガードします!」
"神技の騎士ボーマン" : パワー24000(9000+15000)
「これは守るか。ならこっちはどうだ。"デスサイズ"でアタック!スキルでパワー+5000!」
"ドラゴニック・デスサイズ" : パワー14000(9000+5000)
「"フレイム・オブ・ビクトリー"!」
"神技の騎士ボーマン" : パワー24000(9000+15000)
「ふ...これでターンエンドだ。」
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櫂 手札:5枚、ソウル:1枚、ダメージ:2枚(裏:2)
□■□
■■■■
V : ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン
R右 : ドラゴニック・デスサイズ
R左 : サンダーブレイク・ドラゴン
R中央 : 希望の雷ヘレナ
Rア1 : レッドリバー・ドラグーン
□■□
□□□
V : 神技の騎士ボーマン
アイチ 手札:4枚、ソウル:2枚、ダメージ:3枚(表:2、裏:1)
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「僕のターン、スタンド&ドロー。ライド、"大いなる銀狼ガルモール"!イマジナリーギフトフォース...あ、えっと、アクセルⅡを得ます。...あ、1枚ドローします。」
「(アイチ、本当にそのデッキを初めて使うかのような、覚束ない姿...お前の言っていることは本当なのかもしれないな...)」
「"ガルモール"のスキル、CB1、山札から3枚見て、"聖弓の奏者ヴィヴィアン"をコールします。そして、ユニット6枚にパワー+3000。」
"大いなる銀狼ガルモール" : パワー15000(12000+3000)
"聖弓の奏者ヴィヴィアン" : パワー12000(9000+3000)
「"戦場の嵐サグラモール"をコールし、スキル。SB1で1枚ドローし、手札から1枚コール。"照映の騎士ミュア"をコールします。そして、"ミュア"は能力で登場したとき、SB1することでパワー+10000!」
"照映の騎士ミュア" : パワー17000(7000+10000)
「さらに"小さな闘士トロン"、"美技の騎士ガレス"をコールし、バトルに入ります。」
「来い、アイチ。」
「"ガルモール"でアタックします!」
"大いなる銀狼ガルモール" : パワー32000(12000+3000+17000)
「ノーガード。」
「ツインドライブ、1枚目、"美技の騎士ガレス"。2枚目、"戦場の嵐サグラモール"。」
「ダメージチェック、"ドラゴンダンサー ライライ"。」
「一気に攻める!"サグラモール"でアタック!」
"戦場の嵐サグラモール" : パワー12000
「"デスサイズ"でインターセプト。」
"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン" : パワー17000(12000+5000)
「続けて、"トロン"でアタックします!」
"小さな闘士トロン" : パワー13000(8000+5000)
「ノーガード。ダメージチェック、"ワイバーンガード ガルド"。ゲット、ドロートリガー。1枚引き、パワー+10000。」
"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン" : パワー22000(12000+10000)
「これで、お前の残りのアタックは通らない。」
「く..."トロン"のスキル。山札から1枚見て..."守護聖獣ネメアライオン"をコール。コールした位置にいた"トロン"は退却します。」
「だが、ヴァンガードへのアタックは通らない。」
「でも、リアガードなら...!"ネメアライオン"、"サンダーブレイク"にアタック!」
"守護聖獣ネメアライオン" : パワー14000(9000+5000)
「ノーガード。"サンダーブレイク"は退却。」
「"ヴィヴィアン"、"レッドリバー"にアタック!」
"聖弓の奏者ヴィヴィアン" : パワー20000(9000+3000+8000)
「"ドラゴンダンサー カタリナ"でガード。」
"レッドリバー・ドラグーン" : パワー24000(9000+15000)
「く...これでターンエンドです。」
--------------------------------------------------
櫂 手札:5枚、ソウル:1枚、ダメージ:4枚(表:2、裏:2)
□■□
□■□■
V : ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン
R中央 : 希望の雷ヘレナ
Rア1 : レッドリバー・ドラグーン
■■■■
■■□
V : 大いなる銀狼ガルモール
R右 : 戦場の嵐サグラモール
R左 : 聖弓の奏者ヴィヴィアン
R中央 : 照映の騎士ミュア
R左下 : 美技の騎士ガレス
Rア1 : 守護聖獣ネメアライオン
アイチ 手札:4枚、ソウル:3枚、ダメージ:3枚(表:1、裏:2)
--------------------------------------------------
「アイチ。その程度では俺だけではなく、他のやつらにも勝てないぞ。」
「ご、ごめん、櫂くん...(初めて使うデッキだから、全然使い方がわからない...)」
「俺のターン、スタンド&ドロー。ライド、"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン"!イマジナリーギフトアクセルⅡを得て、1枚ドロー。そして、"ドラゴニック・デスサイズ"をコール。SB2、前列をバインドし、パワー+3000。"ネメアライオン"をバインド。」
だめだ...勝てるイメージが全然沸いてこない。
櫂くんは本気で僕とファイトしてくれているのに。
「"デモリッション・ドラゴン"、"サンダーストーム・ドラグーン"をコール。そして、リミットブレイク!"ヴァーミリオン"はパワー+5000、お前のリアガードが2枚以上なら、このユニットのアタックは前列のユニット全てとバトルする。」
「なっ...!?」
「行くぞ!ヴァーミリオン・サンダーボルト!」
「(守護者があるから守れるけど...)ノーガードです。」
「甘いな、アイチ。ツインドライブ、1枚目、"イエロージェム・カーバンクル"。ゲット、クリティカルトリガー。クリティカルはヴァンガード、パワーは"デスサイズ"へ。」
"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン" : パワー25000(12000+5000+8000)、☆2
"ドラゴニック・デスサイズ" : パワー22000(9000+3000+10000)
「2枚目、"イエロージェム・カーバンクル"。ゲット、クリティカルトリガー。効果はすべてヴァンガードへ!」
"ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン" : パワー35000(12000+7000+8000+10000*2)、☆3
そんな...これで、3点ダメージを受けなくちゃいけない。
ここでヒールトリガーを引かないと、僕の負けだ。
「ダメージチェック、"照映の騎士ミュア"、"戦場の嵐サグラモール"、"大いなる銀狼ガルモール"...僕の負けです。」
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「アイチ、今はまだ俺たちの道は交わらない。だが、この道が交わるとき、その時に答えは出ているだろう。」
「道が交わるとき...」
「じゃあな、アイチ。」
櫂くんは去っていった。僕と櫂くんの道が交わるまで、それまでお別れってことだね
櫂くん、僕はゴールドパラディンで強くなる。そして、ロイヤルパラディンとシャドウパラディン、かげろうを取り戻して見せる!
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