チームハダルとそれにまつわる短編集 作:FlankerのFnキー
明けましておめでとうございます。
これまでに起きた3つの出来事
1つ、
弥生賞にてサイレンススズカが奇行に走った!
2つ、
マルゼンスキーがトゥインクル・シリーズ引退時期を発表した!
3つ、
グラスワンダーと春雲雪が出会ってしまった!
選抜レース。最大で4回行われるん…だっけ?俺は自分で言うのも変な話だが、トレーナーとしてある意味、異端だ。なにせ、トレーナーとして必要…どころか競バのファンであれば誰もが知っているレースの日程といえば良いのか?この月にはこんなレースがあるというのをちゃんと覚えていない。流石にGⅠのレースが何時あるのかぐらいはだいたい覚えているけど。というか、担当を持った時に彼女が目標にするだろうレースはだいたい覚えた。だいたい。それでも、ダートだとかマイル、短距離みたいな元担当の適正距離外のレースは全く分からない。(一応、デジたんのために勉強はしている)なので、選抜レースが年に何回何時あるのかが曖昧でも仕方がない。そもそも、俺のスカウトはこれまで大抵、一回目で終わっていたし。
というわけで、先日、俺をトレセンまで連れ帰ってきてくれたグラスワンダーとの約束を果たすため、ついでにうちのチームにスカウトしたい子を見つけるために俺はターフにやって来ていた。
事前に仕入れた情報というか、入学試験の時の結果を見ると、どうやらこの世代は高い素質を持った子が4人(と個人的にあと1人)、いる。で、
「おい、お前は誰狙いだ?」
「俺はあのエルコンドルパサーかなー」
「セイウンスカイはどうかしら?」
「あの子はサボり魔で有名だから、扱いが難しいそう」
「じゃあ、スペシャルウィークとグラスワンダーかね」
「どちらもいい末脚を持ってるな」
どうやら他のトレーナーの噂話的にもやはりその4人が注目されていた。
適正距離が全員似たり依ったり…か。エルコンドルパサーがダートも走れるから、どう出るか分からないけど、スペシャルウィーク、セイウンスカイ、グラスワンダー、キングヘイロー。この子たちが今年のクラシックを席巻しそうだ。
まぁ、とりあえずチームにスカウトする候補はこの4人の中の誰かだな。あとは桐生院とウマが合うか。因みにセイウンスカイはもしも
「あら、迷子のトレーナーさん来てくださったんですね。ありがとうございます」
トレーナーの一群から離れた木陰でターフを眺めていると噂のウマ娘、グラスワンダーが話しかけてきた。
「うぐ、迷子だったのは事実だが、あんまり言わないでくれ。」
「ふふ、ごめんなさい。…風邪ひきませんでしたか?」
「あぁ、おかげさまでピンピンしてるよ。」
「それなら、良かったです。…レース、見ててください」
「当然だ。楽しんできてくれ。」
「はい、行ってきますね」
うん。雰囲気こそ、おっとりとしているが彼女が内に秘めている、駄々漏れな闘争心はやはり本物だ。目が違う。選抜レースなのに少し熱くなりすぎていないか?もう少し、セイウンスカイぐらいに内に秘めてほしい。ま、アレに気がつくのは相当な観察眼がないと難しいのか…。
「そうなんだよな…全部、分かってた。なのに…どうしてなんだろうな……?…本当に大馬鹿野郎だよ、俺は。」
俺にはそれを見抜く力があるのに……何で、持ってる力を活かさなかったんだろうか。それこそ、俺が一番嫌いな行動なのにさ。
アグネスデジタルのヒミツ
実は、春雲が担当トレーナーじゃないことにほんの少し安心している。