年内の馬編はこれがラストになるかと思います。
【馬】小ネタまとめ※会話文アリ
①トレセン入厩前、陽来暮らしのサンジェ
1歳の11月に栗東トレセン入りが決まるまでの間、生産元である社来ファーム・
リハビリテーションセンターも兼ねている陽来は馬体に詳しいスタッフが多数在職してるため、サンジェの育成は完璧なサポート体制の下で実施されていた。
若馬にありがちなソエはもちろん、コズミ、フレグモーネ、疝痛など、各種怪我や疾病の発生率を極限まで下げた環境を整備され、実際にサンジェは無傷無病でトレセン入りすることに。
放牧地兼調教コースは国内では珍しく洋芝を使用。坂まで完備し、その高低差は6mと、中央競馬の各競馬場と比較しても最も落差がある特別仕様だった。
これは旧・陽来牧場がサラブレッドの生産部門を有していた頃、パワー・スタミナ重視の血統配合に傾倒していたことに由縁する。
サンデーサイレンスが導入される以前、日本競馬は長距離重視の傾向が強く、天皇賞・春を最大目標とすることも多かった。
陽来牧場でも天の盾を目指したステイヤー配合と、その育成のために重めの洋芝コースを多数所有していた。
しかし時代も移り変わり、やがて中距離・マイルへ向けた配合が主になると牧場施設を整理。維持費が高い洋芝から和芝へと徐々に移行。
生産部門もいよいよ廃止し、リハビリテーション専門のような牧場になっていた。
それが2000年に入り社来グループに吸収されてからは、配合実験も兼ねて生産部門が復活。
中距離・マイルで活躍したジェニュインを血統モデルとし、その母クルーピアレディの全妹ピュアレディーを呼び寄せて誕生したのがサンジェだ。
そのサンジェが使用していたコースは牧場内に唯一残されていた洋芝コースだった。
サンジェは基本昼夜放牧されていたが1頭ぼっちでやることもなく、暇すぎてひたすら坂を上り下りしていた。結果得たのが洋芝への適性と強すぎるパワー。
反面、そのコースはカーブのないストレートレイアウトだったが為に、後に会得するスピードと併せサンジェがカーブを曲がれない要因ともなった。
併走相手も調教パートナーも群れる相手もなく、遊び相手として陽来のスタッフたちが自転車に乗って一緒に駆ける等、ほとんどの時間を人間と過ごす。
競馬に関する情報はそのスタッフたちの会話から得ていた。
社来ファーム・陽来としては初年度であり唯一の生産馬として大きな期待をされ、その望みに違わないようサンジェも駆け抜けて来た。
「いつ潰れてもおかしくなかった牧場に陽が来た」
牧場の名前の通りに。
みんな、みんな、そう思っている。
サンジェが活躍して以降は社来グループよりさらなるテコ入れがあり、古くさかった厩舎設備が一新。
母馬と仔馬が暮らす馬房もより広くなり、そこから数々の名馬が育っていくこととなる。
使用されていた調教コースも、令和となっては海外、とりわけ欧州に挑戦する日本馬の練習コースとして社来グループ傘下の各クラブ馬に開かれていた。
いつかここからもう1頭、凱旋門賞馬が生まれるかもしれない。
②カネヒキリくんと暮らし始めたサンジェ(種牡馬5年目)
2010年に引退し、陽来でのリハビリ生活も終えたカネヒキリくんが無事にスタッドイン。
当り前のように同厩舎だと思っていたらスットコドッコイ、カネヒキリくんは一般馬たちと同じく社来スタリオンステーションのメイン厩舎へ。
俺がなんのためにここで大人しくしてたと思って……とぶち切れるサンジェ。
もちろん血統を繋ぐ意志にカネヒキリくんは介在しないし、これはサンジェが自分自身と『サンジェニュイン』という馬を愛するすべての人間の為に行ってる努力でしかないんだが、それを維持するモチベーションとして『仲良しの親友と楽しいセカンドライフ』を心待ちにしていたのでガッカリ。
なんとかして同じ厩舎にカネヒキリくんを引き込まなきゃ、という確固たる意思のもと飼い葉をダルそうに食い、寝姿もだるんだるんにして人間を惑わせる作戦に出た。
ちなみに、飼い葉を残した方が効果がある! とは思ってたが、それをすると栄養不足になって仮病どころじゃなくなってしまうので断念し、いつもよりダルそうに具合悪そうに食う(完食)作戦にした。
さすがに本当に病気になったら管理してくれてる人間たちに申し訳ないから……。
効果は抜群で、同じ厩舎の隣馬房にカネヒキリくんが引っ越し、放牧地はカネヒキリくんが入れられている時に人間の隙を突いて同じ所に入った。
突破されたスタッフたちは慌ててたけど、喧嘩するでも無く寄り添って寝そべり始める2頭を見て次第に諦め、同じ放牧地に入るのはオフシーズンのみ(種付け業務終了後の7月以降から12月末まで)という条件で放牧地共有が叶った。
『まさかこんなに上手く行くとはなァ……俺の演技の才能が恐ろしくなっちゃう~~!! な、カネヒキリくん!!』
『あ、ああ……かわ……かっこいいな』
『んふふふふふ』
なお、目黒さんはサンジェの仮病に気付いている。
『そうだ、カネヒキリくんも間もなく試験種付だし、俺の体験談話そうか?』
『そう言う話は聞きたくない』
『でも念のため』
『聞きたくない』
『そ、そんなハッキリ……?』
親友のそういう(種付)話はまだ聞きたくないカネヒキリくん(牡・9歳)
③突発的に牝馬会に巻き込まれるサンジェ(3歳秋)
坂路調教を終えて帰宅中にラインクラフトちゃんを見つけ、つい話しかけたら同期牝馬会合に連れ込まれるサンジェニュイン(牡3)
『まあ、毛並みが綺麗! どういうお手入れをされてらっしゃるの?』
『え、え? お手入れ……基本ヒトにおまかせなんで詳しくは……っていうかなんで俺がここに……?』
『すっごい暇そうな顔してたからじゃないっスか? 知らんスけど』
『連れ込んだ張本馬が何言ってんだよ!?!?』
『んまぁ! 御覧になって、この方、瞳がキラキラしてらっしゃる!』
『本当ね! どうしてこんなに綺麗なの?』
『トモの張りもよくて素敵ね! 安産型だわ!』
目を輝かせる牝馬たちにタジタジのサンジェニュイン。
基本オッスオッスな馬たちに囲まれてるので慣れてないのと、完全に勢いに押されている。
『んも~、なんでそんなテンパってんスかサンジェニュインくん。褒められるのは慣れっ仔でしょ』
『いやいやラインクラフトちゃん、俺、普段はこんな風に牝馬のみなさんとお話しないから……慣れてないんだよね。みんな小柄でやわらかそうな馬体してるし……うっかり接触して折っちゃいそうじゃんか』
『その割には自分との距離近いっスけど』
ラインクラフトちゃんにピッタリとくっついてるので。
指摘されたサンジェは言われてる意味がわからずポカンとするしかない。
まさかそんなことを今更言われるとは思ってなかった。
『そらラインクラフトちゃんはな』
『なんスか、牝馬に見えないっていうんスか』
『そんなこと言ってねえよ!?!? めちゃめちゃカワイイと思ってますけど!!!!』
『んまっ、情熱的な方ねえ!』
『あらでもお口がちょっとやんちゃね。もう少ししとやかにお話なさったほうがいいわよ』
『やだわメサイア、この方はこんなに可愛らしくても
『なんで自分に振るんスか? ノビアちゃん』
『うふふ、お好みなんじゃなくって?』
『いやお子様はちょっと』
『お子様? ……ふふふ』
『まぁ! 大きなレースを勝った同世代よ? 確かに既に実績ある年上の牡馬に惹かれる気持ちもわかるけれど、未来を考えたら妥当な相手だわ』
『そこら辺は人間が決める領分っスよ、自分らじゃどうしようもないし。それにサンジェニュインくんはなぁ、話しやすいけどよく泣くしふわふわしてるし』
ごく自然にディスられるサンジェ。
全部事実ではある。
『かわいいじゃない! 茶目っ気があるのも素敵だわ』
『茶目っ気? それに何より……』
『何より?』
『自分ら牝馬より牡馬にモテるっス』
解せないっス、となるクラフトちゃん。
『あら?』
『っふふ、薄々そうなんじゃ無いかとは思っていたけれど、ねえあなた、あの方なんでしょう、「かわいこちゃん」?』
『「かわいこちゃん」? なんだか聞いたことがあるわ……勿体ぶってないで教えてちょうだいメサイア』
『そんな前のめりにならないで、ノビア。聞いたことがあるのは当然だわ。ほら、あなたが前に素敵だとおっしゃっていた、あなたと同厩舎の
『え!? 想い寄せてもつれない態度ばかりとって、挙句に「親友の方が美しい」と宣ったあの方の!? ……こんの、泥棒馬!!』
『どうしてそうなるんだよ!?!?』
ヒィン!!!!
④馬になってはじめてアイスを食べるサンジェ(1歳夏)
トレセン入り前、生まれて満1歳になったお祝いかつ熱中症対策も兼ねてタカハルが作った、粉末ポ○リで少し濃いめに作ったスポーツドリンクを凍らせた、特製アイスキャンデーを実食。
人間とは味覚が違う為、こういった味を嫌う馬もいるなか普通に美味しく頂くサンジェ。
他にもブドウ絞って入れたり、梨を細かく刻んで一緒に凍らせた等フレーバーを多数用意。
水桶の真上に来るようにアイスキャンデーを吊るし舐めやすくなってる。
溶けたら溶けたで水に混ざるだけなので良し。
トレセン入りした後は西の想像以上の蒸し暑さにバテ、困り果てた目黒さんがタカハルたちに相談して特製アイスキャンデーを作ってもらうことになる。
このアイスキャンデーはのちに本原厩舎の鉄板夏バテ対策になったとかどうとか。
サニーメロンソーダもサンサンプリンスもサントゥナイトもみんなペロペロした。
⑤蹄鉄すぐボロボロになるサンジェ
いつも力一杯に大地を蹴りあげるせいで蹄鉄がすぐダメになってしまうサンジェ。
装蹄師からは「蹄に大したダメージがないのが不思議」と言われるほど本当にボロボロ。
そのせいで他馬よりも早いサイクルで蹄鉄をメンテナンスしたりケアを受けたりしている。
本馬は「すぐ足のサイズが変わっちゃう赤ちゃんみたいな扱いやん」などと供述しており……。
そんな訳で大量の蹄鉄を所有しており、引退後は何回も使用済み蹄鉄のチャリティーオークションに出品している。
宣伝も兼ねてオークションに出てる芝木くんはいつも落札したそうに見てたとかどうとか。
見かねたテキがデビュー直前に履き替えた蹄鉄(調教のみ使用レース未使用)をプレゼントしてくれる。
シャレにならないくらい蹄鉄は多いが、それゆえか一時期模造品が出回った。
サイレンスレーシングクラブ怒りの法的手段訴えにより贋作売ったヤツらは御用改となった。
さるドバイの王族も所有してるらしいが真偽は定かでない。
⑥芝木くんとイサノちゃんの結婚式に出たがるサンジェ
自分が引退した後知らんうちに仲が深まってた芝木くんとイサノちゃんがスピード結婚。
愛馬代表スピーチをしたい、結婚式参加したい、と駄々をこねるサンジェ。
もちろん参加できるとは思ってなかったが(さすがに種牡馬が式場行くのはまずいよなと認識)、ワンチャン結婚式のビデオとかは見せてくれるかも、と期待して駄々をこねるこねる。
協議の末、道内で結婚式を挙げたあと、ホクミーホースパークでウェディングフォトやムービーを撮ることになった。
サンジェももちろん映り込む気満々。
芝木くんたちの結婚式に参列してくれてたタッケさんや柴畑さんたちも何故かホースパークに駆けつける事になり、予定外だったけどディープインパクトまで映ることに。
後年とんでもないお宝写真としてネットでバズり散らかす事になる。
⑦若武者の会
若くして素質馬の相棒を務めた経験持ちの騎手の会。
メンバーは世紀末覇王のリュックこと和久田さん、美貌馬サンジェの相棒芝木くん、21年皐月賞馬の主戦こと縦山さん家の三男くんで構成されている。
別名クソデカ感情騎手の会。
結成のきっかけは和久田さんが芝木くんと飲み仲間だったこと。
元々はサンジェの弥生賞後に精神ボロボロになった芝木くんを気遣って和久田さんが飲みに誘ったことがきっかけだったけど、普通に気が合って回復後も飲みに行ってた。
和久田さんは弥生賞後の芝木くんを「オペラオーで負け続けた俺」のように感じて見てた。
若くして素質ある馬の鞍上となり、経験が伴わないまま駆け抜ける苦労をいちばん知っていそうだと思ったので。
芝木くんはサンジェ産駒がデビューするまでG1勝ちもなかなか出来ず、それが和久田さんにもシンクロした形になる。
互いにG1級を制したあとなんかはお疲れ様会もした。
2021年、ダービーで惜敗した三男くんを見て仲間に引入れることに。
この3人で集まって飲んでるとこにタッケさんが合流しようとしたら「これアレな会なんで……」と言われやんわり拒絶されたので、自前の番組で「あいつら僕の悪口大会開いてますよ」とネタにしたのがきっかけでファンにも知られることになる。
実は、クソデカ感情騎手の会、はファンからの別称。
次回から怒涛のウマ娘回に入ります。
だいたい5話分くらいを予定していますが、1話あたりの文字数が凄いことになってしまったので分割するかもしれません。
ちなみに連続物ではなくそれぞれ独立してます。
サンジェのヒンヒンヒヒーンをお楽しみあれ!!!!
アンケートについて
まさかカネヒキリくんがヒロイン()レースで首位独走とはたまげたなぁ(白目)
「なんでヒロインレースに牡馬いんだよ(笑)」みたいな反応来ると思ったらこんな……カネヒキリくんは親友じゃなくてヒロインだった……?
第◇回サンジェニュインのお嫁さんレース(敬称略)
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エアグルーヴ
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ハルウララ
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ウオッカ
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カレンチャン
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海外牝馬組