一年A組副担任 プロヒーロー『ステイン』   作:whiteカプチーノ

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どうすかね、ステインも格好いいと思うんですよね。


第一話

「はぁ……はぁ!何だよあのヒーロー!」

「はぁ…!分からねぇがとにかく逃げるぞ!」

 

 犯罪者である二人は息を切らしながら逃げていた。

 

「クソッ!!!」

 

 この二人組はひったくりや詐欺、銀行強盗などの常習犯であり、指名手配がなされていた、だが二人ともかなりの強個性であったため、ヒーローが返り討ちに合うなど、逮捕は難航していた。

 

「あいつに切られた!クソッタレ!」

「大丈夫だ!傷は浅い!ここは一旦引いて、体制を立て直すぞ!」

 

 男達はただひたすらに走る、幸い、憎き件のヒーローは追ってきていない、男達はたまたま見つけた路地裏に身を隠し、呼吸を整えていた。

 

「よし!もういいだろ!今夜は御馳走だぞ!かなり稼げた!」

「ああ!しばらくは安泰だな!」

 

 これが健全な方法で稼いだ金ならば、誰も咎めないが、男達が持っているのは銀行強盗で盗った金、黒も黒の犯罪である。

 腕に傷を受けた男が起き上がろうとした時だった。

 

「! 身体が動かねぇ!!」

「何!?クソッ!ヒーローの個性か!」

 

 片方の男は臨戦態勢に入る、すると路地裏の奥から男が歩いてきた。

 

「ハァ…ひったくり、詐欺、銀行強盗、貴様は刑務所行きだ…」

 

「! お、お前はさっきのヒーロー!動くな!俺の個性は『炎弾』!!丸焦げになるぞ!」

 

「ハァ…さらには脅迫か…」

 

 男は『炎弾』を放とうとするが、仲間の様子が気になり仲間の方を見る、その少し目を離した隙に謎のヒーローが消えていた。

 

「なっ!どこに…!」

「下だ…」

 

 と、同時に謎のヒーローは男の顎に掌底を叩き込み気絶させる。

 

「がっ…!」

「なっ!そんな簡単に!」

 

 謎のヒーローは気絶した男に慣れた手つきで手錠を掛ける。

 

「ハァ…後はお前だけだ、おとなしく刑務所で罪を懺悔するんだな…」

「誰がするか!!クソッタレ!個性を解け!!!」

「解けと言われて解く奴はいないだろう……」

 

 男は必死に身体を動かそうとするが全く動かない、まるで金縛りのようだ。この瞬間も謎のヒーローはこちらへ近づいてくる。

 

「近づくな!!!」

「…動けない奴に言われてもな」

 

 男は必死に声を張り上げるが、動けなくては抵抗もできず、あえなく手錠を掛けられた。

 

「クソ!!お前誰だ!!」

「……………」

「何とか言えよ!!」

 

 

 

 

「……『ステイン』だ」

 

 その言葉を聞くと同時に男の意識は闇へと落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「確保ありがとうございます!ステインさん!」

 

 刑事が赤いマフラーを付けている男へ感謝を伝える。

 この男、身なりがまんまヴィランだが実はヴィランではない、凝血ヒーロー『ステイン』である。

 

「当然だ……ヴィランの逮捕はヒーローの役目…」

「では報告書をお書きください!」

 

 ステインは報告書をすらすらと書く、ヴィランを確保した場合は報告書を書かなければいけないのだ。

 

「ご協力ありがとうございます!!」

「…ああ、こちらこそ」

 

 ステインは報告がすむとビルの屋上に登り、夜の闇へと消えていった。

 

 

 しばらくして、刑事に部下の警察官が駆け寄った。

 

「……いつ見ても、ヴィランっぽいですね」

「……それ、本人の前で絶対言うなよ、気にしてるらしいから」

 

 ステインはボロボロの格好をしていて一般人が見ればヴィランにしか見えない、そのせいでステインは一般人に通報されかけたり、別のヒーローに捕まれられそうになったことがある、ステイン本人もそれを理解して、今の装備から変えた方が良いかと思っているが、今の装備に愛着が沸いていて、変えられなくなっている。

 

「ステインは格好こそ不気味だが、ある意味ヒーローよりもヒーローしてるからな」

「と、いいますと?」

「ステインは地域のボランティアに積極的に参加したり、アイスを落として泣いている男の子にアイスを奢ってあげたりしている」

「……良い人なんですね」

「格好で勘違いされやすいけどな」

 

 その後、警察官達は犯罪者達を護送した。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「ハァ…ただいま」

 

 その声に応える者はいない、勿論当然である。

 このマンションの一室はステインが一人暮らしのために借りたもの、誰かがいるはずもない。

 ステインはコスチュームを下ろし、冷蔵庫を開ける。

 

「ハァ…食材が少ないな、今度買いに行くか」

 

 ステインは余り物で料理を作る。ヒーローたるもの被災地などで炊き出しを行う場合がある、そのためステインは人並みに料理が出来る。

 

「…今日も頑張ったな」

 

 早朝は近所のゴミ拾いなどをして日中はボランティアやヒーロー活動をして、夜も活動している、自分自身に労いの言葉を掛ける。

 テレビを付け、今日何があったか把握する。

 

「そこまでの大事件は起きてないな」

 

 ほぅ、と一安心。

 だが安心しきってるわけではない、テレビに出ないだけで敵の事件はある、明日は別の場所もパトロールしてみようと、思ったところで夕食を完食する。

 

 カチャカチャと音を鳴らしながら洗われる食器、ステインは洗い終わった食器を乾燥機に入れ、スイッチを押す。

 

 その後、少しの間ステインはバラエティー番組などを見ていた。

 

「(こんな時間か……)」

 

 ステインが時計を見ると1時を回っていた。

 

「(寝るか……)」

 

 ステインはクローゼットから布団を取り出し、床に敷き、テレビの電源を消して部屋の電気を消す。

 ステインは目を閉じる。

 

「(全ては……平和な日常のために)」

 

 

 彼、赤黒血染は明日も頑張るのだった。




読んでいただきありがとうございます。
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