一年A組副担任 プロヒーロー『ステイン』   作:whiteカプチーノ

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最新話をぶちこんでやるぜーー!


第三話

「フゥ…フゥ…」

 

 カラッと晴れた日の朝、ステインは部屋で筋トレをしていた。ステインは一通り筋トレをして、ストレッチを行い、朝食を摂る。

 

「よし……ゴミ拾いだ」

 

 ステインはコスチュームに着替え、常備しているマイトングとゴミ袋を持ち、日課であるゴミ拾いをするために外に出る。

 まず、目指したのは近所の公園、ここは人がかなり集まり、その分タバコの吸殻、弁当の食べ残しなどポイ捨てが多い。

 

「……」

 

 黙々とゴミを拾うステイン、端から見ると地味だが、本来ヒーローの本質は奉仕活動だ。

 

「ハァ…近くにゴミ箱があるのに何故ポイ捨てするんだ」

 

 ゴミを捨てた者に若干怒りが沸くが、それを消すかのようにゴミをトングで拾い、袋に放り込む。

 公園のゴミが無くなった頃、不意に後ろから声を掛けられた。

 

「やぁ、頑張ってるね」

「…!」

 

 ステインは飛び下がる、これも今まで経験してきた実戦で鍛えた反射神経の賜物だ、飛び下がったステインは身体に付けているナイフに手を掛ける。カラン、とトングが地面に落ちる。

 ステインに声を掛けた人物は金髪でガリガリでダボっとした服を着た男だった。

 

「(こいつ……気配を感じなかった、只者ではない)何者だ!」

「いやいや、君に危害を加えるつもりはないよ!」

 

 怪しさは拭えないが、敵意は無いと判断し戦闘態勢を特く。恐らく引退したヒーローか何かだろう、でなければ俺が背後を取られるはずは無い、と確信してステインはゴミ拾いに戻る。

 

「その格好…君はヒーローだよね?何でゴミ拾いをしてるんだい?」

 

 ステインは思わず目を見開いた、ヒーロー活動をして初めて、事あるごとに人からヴィランと呼ばれてきたステインが初対面の人からヒーローと言われた。思わず目尻に涙が溜まる、今までゴミ拾いをした甲斐があった、ようやく認められたのだ、思わず涙が頬を伝う。

 

「大丈夫かい?」

「ああ…すまない、こんな風貌だから今までヴィランと間違えられてきたからな」

「そうなんだ…少なくとも私には君は人知れず頑張ってるヒーローに見えるけどね、その袋の中身も全部自分だろう?」

「……ああ、最近のヒーローは敵退治にばかり手を出すが、そもそもヒーローの本質は奉仕活動だからな」

「!  やっぱりそうだよね!最近のヒーローは派手さばかり追い求めてるよね!」

「…お前、わかってるじゃないか」

 

 ステインはその後、謎の金髪の男と雑談を重ねた、何かの縁かも知れないとコーヒーを奢ったら、金髪の男は喜んでいた。

 

「おっと、どうやら時間みたいだね!HAHA!君と話していると時間を忘れてしまうよ!」

「……こちらこそだ、ああそうだ」

 

 ステインは懐から名刺を取り出し、金髪の男に手渡した。

 

「?」

「…………凝血ヒーロー、ステインだ。何かあったらこの番号へ電話しろ」

「ありがとう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、ステインはいつものようにテレビを見ながら夕食を摂っていた。

 

「ハァ………この芸人面白くないな」

 

 ステインはテレビに出演している芸人の愚痴を垂れる、いつまでも単調で抑揚の無い芸はつまらないのだ。

 ちなみに今日の夕食はたらこパスタである。

 

「……今日のたらこパスタはちょっと味付けがくどいな」

 

 ステインは今日自分が作った料理に講評を述べる、駄目な所は駄目と言うことが最高の料理に繋がるのだ。

 

ピンポーン♪

 

 次はどういった事を改良しようかと、思案していると、ステインの部屋のチャイムが鳴った。

 

「(ハァ……この時間に一体誰だ?宗教勧誘か?セールススか?………怪しいな、ナイフを一本持っていこう)」

 

 突然の来訪をステインは怪しみ、戦闘用のナイフを取り出し隠し持つ、チャイムを鳴らした相手がヴィランならばナイフで傷を付けさえすればこちらの物だ。

 

「ハァ………宗教勧誘ならお断りだぞ……っ!」

 

 ステインは驚き、目を見開く、なにせドアを開けると無精髭を生やした小汚ないおっさん、イレイザーヘッドがそこにいたからだ。

 イレイザーヘッド、同じアングラ系ヒーローとして少し馬が合い、チームアップを何度かしたことがある、だがイレイザーヘッドは雄英高校の教師になったはず、何故ここへ?

 

「ハァ……何故ここが分かった……何の用だイレイザー」

「ここでは話せない、家の中へ入れてくれ」

「……分かった」

 

 ステインはイレイザーヘッドを家へと上げた。

 

「ハァ………で、どうした」

「単刀直入に言う、ステインお前に雄英の教師になってほしい」

「…………ハァ?」

 

 ステインは驚きのあまりすっとんきょうな声をあげてしまう。

 雄英高校、ステインが憧れているオールマイトをはじめ、エンデヴァーやベストジーニストなど著名なヒーローはここを必ず出ていると言っても過言ではない程の有名なヒーロー養成高校だ。

 そんな高校の教師を何故俺が?ステインは訝しんだ。

 

「………何故俺が?」

「その話は僕から話すのさァッ!!??」

 

 イレイザーの捕縛布から謎の生き物が飛び出す。

 ステインは半ば反射的にスローイングピックをその生き物に投げる、ステインが投げたスローイングピックは生き物が着ていた服を巻き込み、机の上へと刺さる。

 

「……誰だ」

「待てステイン、その人は雄英高校の校長だ」

「…ハァ?」

 

「んしょ!抜けた!HAHAHA!ネズミなのか熊なのか…………その正体は校長なのさ!!」

 

「……申し訳ありません」

 

 ステインは深く謝る、知らなかったとはいえあの雄英高校の校長に危害を加えてしまったからだ。

 

「いや!大丈夫さ!逆に君の勧誘の理由が一つ増えたよ!」

「理由……とは?」

 

「先程の類希な反射神経、身体強化系の個性では無いにも関わらず圧倒的なスピードとパワー、そして適切な場所へ的確な攻撃が出来る冷静な判断力と攻撃技術……………それに拳銃の腕も良い」

 

 そこまで知っているのか、とステインは校長を見る。

 ステインは拳銃を持っている、どうしても仕留めきれない敵の足や腕を撃って足止めするために。もちろん警察などに許可は取っているし違法ではない、たが基本ステインが銃を使うのは人目に付かない場所だし、普段は拳銃は隠し持っている為分からないはず、それでもステインの帯銃を知っているのは恐らく校長が警察かヒーロー公安委員会などに太いパイプを持っているからだろう。

 

「ですが……俺はこんな風貌ですよ?」

 

 ステインは自分の身体を指差す。

 

「HAHAHA!!だからなんだって言うんだい!!既に君の素性は知れてるからね!入ってくるのさ!」

 

 ガチャリとドアが開けられ、入ってきたのは今朝会った金髪の男だった。

 

「あ、あなたは…!?」

「ごめんねステイン君、君を騙すようなマネをして」

「…気にしていないから大丈夫です」

 

 ステインは心の中でこの金髪の男が雄英教師なのに納得していた、だから背中に回られたとき気づかなかったのだろう。

 

「………君は信頼出来る、だから私の事も話そう」

 

 すると金髪の男がみるみる大きくなり─────

 

「HAHAHA!!私が来た!!」

「オッオオオオッオッオ!!?」

 

 ステインは目の玉が飛び出るぐらい驚愕する。

 なにせ、目の前には憧れでありステインの原点であるオールマイトが金髪の男だったのだ、でもなぜあんなガリガリの姿だったのか?やはり最近活動頻度が少なくなっているから弱ったのか?

 と、考えているとオールマイトが口を開いた。

 

「五年前にあるヴィランとの戦闘で傷を負ってね、1日にオールマイトで居られる時間は少ないんだ」

「…………五年前、毒々チェーンソーですか?」

「君も良く知っているね!でもあんなチンピラには負けないさ!………その傷はこれだよ」

 

 オールマイトはふたたび縮み、服を捲り、傷を見せた。

 

「!!……それは」

「胃袋全摘、左肺半壊………大怪我さ、リカバリーガールでも治せないらしい」

 

 リカバリーガール、かつてステインもお世話になった治療系の個性を持つヒーローだ、その個性は強力でちょっとした怪我ならすぐに治せるし、かなり重い怪我でも治してしまう、相手の体力があればの話だが。

 

「話をもどすよ………私はこの姿で君に接触し、君の人格や素性を見て、判断したのさ!」

「君は誰にも感謝されなくても!誰が居なくても一人でゴミ拾いをしていた!!まさにナチュラルボーンヒーローだよ!!」

 

「……まぁ、こういう訳だ、頼むぞステイン」

 

 騒がしい二人を横目に見ながらイレイザーヘッドがステインに言う。

 

「ハァ………だが俺は教員免許など持ってないぞ」

 

 ステインは教員免許を持っていない、資格は何個か持っているが、まさか自分が雄英高校の教師にスカウトされるなど思いもしなかったからだ。

 ちなみに先々月、ステイン調理師免許を取った。

 

「そこは大丈夫だ、お前には実技の担当をして貰う、オールマイトは教師に成ったばかりで甘い評価を付けるかも知れないからな、シンリンカムイやデステゴロに指導したことがあるお前なら大丈夫だ、辛口の評価を頼むぞ、合理的にな」

 

「………………分かった、俺も教師になろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────というわけで雄英の教師をすることになった」

 

「「「どういうことだよ!!」」」

 

 シンリンカムイ、デステゴロ、Mt.レディは私服姿でステインと共に居酒屋で飲んでいた。

 そしてステインの急なカミングアウトに三人は酔いが醒め、芸人に勝るとも劣らないツッコミを入れた。

 ちなみにオールマイトの事は喋っていないので安心されたし。

 

「ステインさんが実技教師か、来年の新入生にはお気の毒だな」

「ああ、かわいそうに」

 

「どういう事ですか先輩?」

 

 シンリンカムイとデステゴロの二人は肩をビクッと震わせ、口を開く。

 

「容赦が無いのだ……ステインさんの特訓は厳しすぎるんだ」

「ああ、あれは思い出したくない」

 

 Mt.レディはどんな訓練だったのか、という質問が喉を出そうになるが、押さえ込む。

 

「ハァ………お前達、ヘドロ事件…見たぞ」

 

「「「!?!?」」」

 

 三人の身体がビクッと震える、いつか言われると思ったが、今とは思わなかったからだ。

 

「ハァ………何故挑まなかった」

「そ、それは有利な個性が無かったから……しかも私、二車線以上は無理で……」

 

「それは甘えだ……ハァ……Mt.レディ、普通の時も戦えるようにしておけ、巨大化を封印されたらどうするんだ……それに小麦粉かなにかを掛ければあのヘドロも水分が奪われつかめるようになるだろう、柔軟な発想をいつでも出来るようにしておけ」

 

 三人は心の中で深く反省した、そんな簡単な事を思いもしなかったからだ。

 

「「「すみません」」」

 

 

 

 

 この後、ステイン以外の三人は酒の飲み過ぎでステインに迷惑を掛け、怒られるのだがそれはまた別のお話

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