僕と兄貴と銀河天使と   作:HIGU.V

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第七話 ミルフィーは絶叫マシンでも髪飾り外さなかったよね………

まさか、新設の戦闘機部隊に配属されるとは思わなかったぜ………まあ確かにエンジェル隊は国の象徴の近衛隊だから、臨時階級で入れるわけないか………うん、だからここまでは納得するよ。だけど、何でこんなに書かなきゃいけない書類が多いんだ!! 1つ書き上げると、横にいるレスターに頼まれた人(事務担当の人らしい)が、次の書類を送ってくる。そんな感じのくりかえしです。あ、一応、なんか個人用の携帯端末でやってます。支給されたので。

 

 

「軍に入ったら書類はお友達。お友達を待たせては失礼だろう?」

 

 

とか、いわれて、ルフト准将の囮イベントも見れなかったし、まだエンジェル隊にも合えてない!! やばい、急がないとヤバイ。僕が今いるのはブリッジの隣にあるミーティングルーム。すでにクロノドライヴに入ってしばらく経っている。原作だと、タクトがティーラウンジに行ってから30分後にクルーのほぼ全員でピクニックなのだ。それにはぜひ参加したい。

エンジェル隊全員との親睦を深めるためにも。くそ、急げ僕! 今急がずに何時急ぐ!!

 

 

 

 

 

────────

 

 

タクトはミルフィーによって一通りエルシオールの中を案内された。行く先々でエンジェル隊の面々が、思い思いに方法で各々の時間をすごしているのが解った。食堂のほかにティーラウンジがあるエルシオールに驚いていたタクトは、クジラルームや展望公園といった施設には最早言葉が出ない衝撃を受けたものだ。

一通り終わったので一度ブリッジに戻ったがお前が居てもすることが無いと副官であるレスターに言われ、ティーラウンジに向かっていたのである。

 

 

「あ、あそこにいるのは、ミルフィー達だ。お「それにしても、フォルテさん、新しい司令官のことどう思います?」」

 

 

そんな彼がちょうどティーラウンジに続く廊下を歩いていた時に、エンジェル隊の彼女達が談笑している場面に遭遇した。彼は声をかけようと、口を開きかけたが、彼女らの話し声が聞こえてきたので、思いとどまった。そのままついつい聞き耳を立ててしまう。彼にとって運が良かったのか、彼女たちは人ごみの中で良く通る声で、離れた場所で聞けたためミントに心を読まれて気取られることはなかった。

 

 

「そうだねー、さっきの指揮も悪くはないみたいだし、まだ意見を出せるほどじゃないね」

 

「まー、そうですけど。私的には外見と違って、指揮はなよなよしてなかったから悪くないとは思ったので」

 

「あら、ランファさんもなかなか高評価じゃありませんこと」

 

「そうだね。ランファが初対面の男をルックス以外で褒めるなんて珍しいじゃないか」

 

「そんな事ないですよ。ただ悪くないだけで。別に褒めてるわけじゃあ」

 

「まあこれから先の戦い命を預けてもとりあえずは安心できそうですわ」

 

「へー、そういうミントだって、高評価じゃないか」

 

「あら、私は最初に申し上げましたわ。『ランファさんも』と」

 

「そうですよ、フォルテさん、タクトさんはいい人ですよ」

 

「ミルフィーにかかれば、どんな人もいい人でしょ」

 

「ランファー、それどう言う意味よー」

 

「そのままよ。お気楽極楽能天気娘」

 

「ヴァニラさんは、どうですか?」

 

「……別に、ただ悪くは無いと」

 

 

タクトはそこまで聴いて、一息つく。よかったー。とりあえず嫌われてるわけではなさそうだと、自分の評価に安堵したのだ。なにせ、彼としては、先ほどの戦闘で全力を出したつもりだ。もし、ここで頼りないとか、この先不安とか、言われた場合、現状どうしようもない実力不足という評価を受ける事になる。特に彼は、平時よりも戦闘時に働くタイプの軍人なので、実戦は彼の貴重な点数稼ぎの場なのである。最も彼自身は、日々の地道なコミニュケーションこそを大事にしたいと思っていたが。要するにサボりたいだけだ。

最も、これは彼女達のような美少女とお近づきになりたいという、マイヤーズ家男子の血が出てくる欲望でもあったが。

 

そんな、タクトは彼女達の評価を聞いて気を抜いて居た為にか、若干周囲への警戒がおろそかになっていた。レスターに見られた場合、軽く小言を言われるようなミスである。その故にミルフィーが接近してきたことに気付けなかったのである。

 

 

「あれタクトさん? どうしたんですか? こんなところで」

 

「え! ……あ! ミルフィー。えーと、いや、そのね……」

 

「………あのーもしかして聞いてました?」

 

「えーと、………そのごめん。わざとじゃなかったんだ」

 

 

タクトは、目の前にいるミルフィーユに素直に頭を下げた。彼は、貴族のお坊ちゃんという立場だが、きちんと相手に対して謝り頭を下げることが出来る。特に女性に対しては。ミルフィーユは、頭を下げたタクトをしばらく見つめると、ふと笑顔を浮かべてタクトに話しかけた。

 

 

「いいですよ。私タクトさんのこと信じます」

 

「ミルフィー……」

 

「だって、タクトさんは盗み聞きするような人じゃないもの」

 

「……ありがとう。ミルフィー…」

 

 

ミルフィーのその言葉にタクトは、これだけ信じてくれる彼女を決して裏切らないようにしないとと思ったのである。後にタクトは、この時から、オレとミルフィーの運命は始まっていたとのろけるのだが、それは置いておこう。いつもの事なのだから。つまり、タクトは彼女のその人の良さに、心底感謝したのであった。

 

 

「いえ、そんな……あ! そうだ。あの、これからピクニックしませんか? 私お弁当作りますから」

 

「え? ピクニック?」

 

「はい。ほら、タクトさんとエンジェル隊の皆。後出来れば、さっきのパイロットさんで」

 

「うーん、いいんじゃないかな? ちょうど顔合わせにもなるし」

 

「それじゃあ、私はお料理作りますので、タクトさんは皆に知らせてきてください!! 楽しみにしててください、私お料理には自信あるんですよ」

 

「うん、わかった。お腹すかせて待ってるよ」

 

 

ミルフィーは、タクトにピクニックを提案た。彼女なりにいろいろ考えた結果であるが、その過程は常人にはなかなか理解しがたく、やや突飛な発想にタクトは少し面食らってしまう。しかし、提案自体は悪くないのでそれを了承する。女の子たちと合法的にピクニックである。そのまま二人は分かれてそれぞれの行動を始めるのであった。

 

 

 

 

 

「ラクレット、ちょっといいかい」

 

「なんですか、マイヤーズ司令?」

 

「そんなに硬くなくてもいいよ、タクトでいいさ」

 

「それでは、タクトさん。僕に何か御用ですか?」

 

 

ラクレットが四苦八苦しながら何とか書類に必要事項を書き込んでいる時に、艦内を歩き回って、エンジェル隊に連絡しているであろうタクトがやって来た。ラクレットは恐らくタクトの用件はピクニックの話しだなとあたりをつけ、にやける顔をどうにか抑えつつタクトに返答した。

 

 

「うん、実はね、この艦の主力であるエンジェル隊の皆がピクニックをするんだ。君との顔合わせにもちょうどいいし、是非来て欲しくてね」

 

「僕が行ってもご迷惑になりませんか? エンジェル隊の方々とはお会いしたいとは思っていましたけど」

 

「もちろんさ。それじゃあ30分後に、展望公園に来てくれよ」

 

「はい、わかりました」

 

 

タクトの30分後という科白に自分が一番最初に誘われたのか? などとどうでも良い事を考えつつ、ラクレットは了解した。

 

 

「それでなんだけど、ちょっといいかい?」

 

「なんでしょう? 」

 

「実は……」

 

 

タクトは、ラクレットが書いている書類、電子化されてはいない物的に残すべき者達でも相当な量あるそれを一瞥し、軽くラクレットにピクニックの時の指示をして部屋から出て行った。ラクレットは若干釈然としないものを感じつつも了承したので、先ほどから黙っているお目付け係の中尉に確認をとる。

 

 

「あのー。中尉、30分で終わりますかね?」

 

「君次第であろう、臨時少尉」

 

「ですよねー」

 

 

この後彼は自身の実力を出し切って28分17秒というタイムで書き終えるのであった。最も、彼が費やした時間の合計は、これ以前から取り掛かっていたので、当然の如く数時間程なのだが。最初から最後まで懇親でやればもっと早く終わったであろうにというお小言を貰いつつ、ラクレットは部屋を後にした。

 

 

 

 

 

「はいみんな注目ー」

 

 

エンジェル隊の5人とタクトは、銀河展望公園でピクニックをしていた。彼らはミルフィーユの作った弁当を食べながらレジャーシートに座り談笑している。まだ、他のクルーが"偶然”来る前で、周囲にはのどかな雰囲気が漂っている。空調システムによって再現されている人工の風が、周囲の植物と土の香りを運んでくる。タクトはあたかも本当に地上の公園に居る様な錯覚を覚えていたのであった。

 

 

「いきなりなんですか? タクトさん」

 

「うん、実は、皆も気になってると思うのだけど、さっきの戦闘機のパイロットが、正式にエルシオール所属になってね。ミルフィーにはもう伝えたけど。ここに呼んでるんだ」

 

「あら、何時の間に呼びましたの?」

 

「えへへ、実はタクトさんに頼んで皆を呼んでもらうときにはもう頼んでたんだ」

 

「へー、あんたにしては積極的じゃないの」

 

「うん、さっきのお礼も言いたかったし」

 

「はいはい、一回こっち見てね。それじゃあ、とりあえず本人に来てもらうか。ラクレット入ってきて」

 

 

途切れる事無く会話を繋げる彼女達の間にやや強引に入ったタクトは、手元の端末からラクレットに通信を入れる。すると公園の入り口のほうから、ラクレットが歩いてきた。彼女たちは改めてラクレットを観察する。体躯はフォルテより小さいがタクトよりは大きいといった所か。学校の制服に白い布でできた着物(陣羽織)を羽織っている若干奇抜な加工であるが、何処にでもいるような青年である。

 

 

「それじゃあ、自己紹介をどうぞー」

 

「はい、このエルシオールの新設戦闘機部隊に配属しました。ラクレット・ヴァルター臨時少尉です。エンジェル隊の皆さんには、前から憧れていたのでお会いできて光栄です」

 

 

ラクレットはこの転校生状態に疑問を持ちつつも、別に悪印象与えないからいいかなと考え、純度50パーセントの作り笑いで自己紹介を終えた。彼の自己紹介はシンプルにして質問を受けて広げていくスタイルである。自分に相手が興味を持ってもらえる確証(というか思い上がり)が無いとできないようなものでもある。

 

 

「よーしそれじゃあ、エンジェル隊の皆も自己紹介をお願いするよー」

 

 

「アンタは何処の先生よ」

 

 

「まあ、いいじゃありませんこと。こういう所でもユーモアを忘れてはいけませんわ」

 

 

ランファが、タクトの謎のテンションに突っこみを入れるものの、それを制したのは、意外にもミントであった。もっとも彼女は彼の心がうまく読めないということで興味を持ったからであったのだが。それを全く表に出さないあたり、彼女の性格と声質が窺える。

 

 

「はーい! 私はミルフィーユ・桜葉、ラッキスターのパイロットです。さっきはありがとうございました」

 

「蘭花・フランボワーズ。カンフーファイターのパイロットよ」

 

「トリックマスターのパイロット、ミント・ブラマンシュですわ」

 

「フォルテ・シュトーレンだ。エンジェル隊のリーダーをやってる。ミルフィーも言ってたが、さっきは助かったよ」

 

「……ヴァニラ・Hです。ハーベスターのパイロットです」

 

「はいどーも、オレはさっき自己紹介したからいいか。よーしそれじゃあ今度は、質問タイムだ!」

 

 

異様にテンションの高いタクトにラクレットは微妙に引いたが、とりあえず今自己紹介をしてくれたエンジェル隊のメンバーを見る。先ほども思ったが、画面の外から見てるのよりずっと綺麗だと改めてそう感じた。ミルフィーの笑顔は本当にタクトの言ってたとおり大輪の花のようだし、蘭花はさらさらと流れるような金髪に、バランスの取れたプロポーションを持ってる。ミントは小さいけど(すごく失礼である)本物のお嬢様のような雰囲気が伝わってくるし、フォルテの胸には視線が行かないようにするのに一苦労だ。そしてヴァニラは完成された彫刻のような相貌で佇んでいて、それがまた絵みたいだと思った。

 

 

「質問タイムですか…?」

 

「そうそう、俺とラクレットがエンジェル隊に、エンジェル隊の皆が俺とラクレットに質問をするんだ」

 

「はあ……」

 

「よーし、それじゃあまず俺から、君達のスr「あのあの、タクトさん僕から先に質問させてもらいますね!! えーと、皆さん! 年はお幾つですか!! 」

 

 

ラクレットはタクトがいきなり聞こうとした事を、知識からすばやく判断してそれを遮った。彼の記憶では、なぜかこのタイミングでスリーサイズの質問があったことを覚えていたのである。原作では、クルーのメンバーに遮られて最後まで聞けなかったが、今はまだ周りにそのような気配はない。とっさに遮るには最悪の質問だなと思いつつも彼はタクトの質問をさせなかった。このまま質問をさせてしまった場合、確実にとは言えないものの結構な確立でタクトの信頼度か好感度が落ちてしまう。

そうラクレットは考えたのである。

 

『タクトがヒロインの誰かとくっついて貰わないと高確率で、この世界は滅びる』

 

エオニアはちとせルートならかろうじて何とか成るかもしれないが、その後に控えている敵は、正直強大でそう簡単に勝てる相手ではないのだ。

こんな些細なことでどうにかなるとも思わないが、なったので死にましたでは笑えない。

 

もっとも、チキンな彼は選んでないから知らないが、原作でスリーサイズの質問は、冗談だと思われて流されるだけなのであったが…またもうひとつの理由はカップリングの嗜好の問題であった。ラクレットは、タクト×ミルフィーと、レスター×ちとせが好きなのであった。アルモに謝るべきである。

 

「いきなり、ずいぶんな質問だね」

 

ピロン フォルテの好感度が下がった。

 

「女性に年齢を聞くのはデリカシーに欠けましてよ」

ピロン ミントの好感度が下がった。

 

ラクレットの頭の中にはそのような効果音が聞こえてきてしまう冷たい声であった。実際にはそのようなことはないのだが。

 

 

「え!! あ! いえ、そのえーと、いや、僕はただその、皆さんが皇国でも最強の戦闘気乗りの部隊なのにずいぶん若いなと思ってですね!」

 

 

かなり苦しいフォローであったが、彼にしてみてはコレが精一杯であった。なぜなら彼はヤラハタの上位ジョブ魔法使いであるのだ。前世というアドバンテージで得たことの一つがこの高位ジョブである。ちなみに彼女もいない。学校でも3歳下の少年でしかも時々変なことを呟いたり、奇妙な行動をとるのだ。あまり近寄られないのである。格好も一般的な目で見れば、なかなかにユニークな『格好良い』ものであるし。

 

 

「そう言うアンタはいくつなのよ」

 

「あ、そうそう私も気になってました!」

 

「え? 僕ですか? えーと……先月14になりました」

 

 

ラクレットは、先月誕生日を迎えていた。もっとも、本人も忘れていて、両親も収穫祭の仕事で忙しくてすっかり忘れてしまったのだが。ちなみに誕生日プレゼントは宇宙イルカの絵画のジグゾーパズルであった5000ピースのそれは、本人が始める前に渡した両親の手によって完成された。

糊付けもきちんとされていて、現在彼の部屋に飾られている。

 

 

「へぇ」

 

「あら」

 

「ええ!? 何! あんた、そんな外見してヴァニラと一つしか変わらないじゃないの! てっきり私か、ミルフィーと同じくらいだと思ってたのに!」

 

「すごーい、ラクレット君って、私より年下なのに紋章機に乗れるんだ!」

 

「……ミルフィーさん。私も紋章機に乗れます」

 

 

フォルテとミントは単純に驚き、蘭花は、外見から予想していた年齢との差に大声をあげた。ラクレットの身長は現時点でタクトより少しだけ大きいのだ。ミルフィーユはまた微妙にずれた発言をして、ヴァニラは微妙に拗ねた様なな目でミルフィーユを見上げていた。つい咄嗟でしてしまった、初対面の女性に対するしてはいけない質問のベスト3入りするであろうものを繰り出してから、この程度で済んだのはなかなか幸運であろう。

これもミルフィーに会ったからなのかととくだらないことを考えつつ、安堵するラクレットである。

 

 

「うん、俺も最初に聞いた時は驚いたよ。よーしそれじゃあ今度はエンジェル隊からの質問だね! さあ、どーんとこい!」

 

「では私が、さきほどの戦闘、かなりの腕をお持ちみたいですが、紋章機はどうやって入手されたんですの?」

 

「あ、それはうちが元々管理していたものに僕が適正があっただけです。五歳になったら、代々動かせるかどうかのテストをするので。上にいる兄二人も父も駄目だったみたいだったのですが、なぜか僕は動かせたので……その後はまあ、結構な頻度で乗っていたので、搭乗時間は500時間を越えてます」

 

「ラクレットは、白き月の聖母様の許可証を貰っているから、法的には何も問題ないみたいだよ、ミント」

 

 

ラクレットは、その質問には慣れているのか、すらすらと答えた。最も最後に少しだけ軽く自慢を入れてみたのだが。それをタクトは先ほど自分が確認した事で補足した。ミントは二人を、特にラクレットを少しだけ見つめた後に、「そうでしたか。ありがとうございました」と言って一歩下がった。

 

 

「よーし今度こそオレの番だ! みんなの「あれ?マイヤーズ司令もピクニックですか?」

 

 

タクトが質問をしようとしたらまたしても、邪魔が入った。話しかけられた方向を見るとそこに立っていたのは、整備主任のクレータだった。彼女の右手にはれじゃシートを抱えており、後ろには他の整備班の面々もいる。台詞からも考えるに、展望公園へ来た目的はピクニックであろう。

 

 

「あ、もしかして、クレータさん達もピクニックですか?」

 

「ええ、そうよ、ミルフィーさん。あ、君は!」

 

「今日からエルシオールの新設戦闘機部隊に配属しました。ラクレット・ヴァルター臨時少尉です」

 

 

ミルフィーユの問いかけに笑顔で返した、クレータは、その会話に加わっている、ラクレットを見つけて少々驚いた。まだ彼がいるのは知っていたが、まさか公園にいるとは思わなかったのである。

 

 

「あら、そうだったの。私は整備主任のクレータ・ビスキュイよ。これからあなたの機体を見ることになるから、よろしくね」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

「ああそうそう、あなたの機体の事で少し聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」

 

「ええ、もちろん。申し訳ありませんが少しはずしますね、タクトさん、僕の機体ちょっと特別なもので」

 

「ああ。わかったよ」

 

 

ラクレットは、クレータ率いる整備班の面々に付いて行ったが、タクトはエンジェル隊の面々とのピクニックを続けるのであった。

 

 

「あ、そーだフォルテ、ラクレットは一応君の部下って事になるから、エンジェル隊の下につく形で配属だからね」

 

「了解したよ司令官殿」

 

 

フォルテはタクトの言葉にうなずいた。他の隊員もそれを見ていたため唯一ミントだけが、ラクレットの背中を見つめていたのには誰も気付くことが出来なかった。


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