赤き弓兵、錬鉄の記憶   作:ハウンド・ドッグ

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ドーモ、ハウンド・ドッグです。

楽しんでいってね!


Ep.09 別れの時

 意地と意地のぶつかり合い。

 最後にそれを制したのは琴葉であった。

 琴葉は干将・莫耶をエミヤの胸から引き抜く。

 

「ホントに負けちゃうなんて……予想外だわ、全く」

 

 ハハハ、と苦笑するエミヤ。すると、自身の傷口に手を触れ、何かぶつぶつと呟くと、傷口が塞がった。

 

「ハァ!? 何それズルイ……」

 

 琴葉はその光景に語気を強める。

 

「落ち着きなさいっての……。ほら」

 

 エミヤはゆっくりと立ち上がり、琴葉に触れる。すると、たちまち琴葉の傷も癒えていった。

 

「治癒魔術よ。女の子の身体に傷がついちゃいけないものね」

 

「は、はあ……」

 

「そう固くならないの。……こっちはもう敵意は無いもの」

 

 さてと、と区切り、エミヤは咳払いをする。

 

「すぐにでもここから出しても良いんだけど……それだと不安が残るわね。そうね、しばらくここに残りなさい。色々教えなきゃだし」

 

「……?」

 

「付け焼き刃に近いその戦闘技術をここで確固たる物にするのよ。それと、私の記憶と固有結界の引き継ぎもしなきゃいけないし。それとも何? そのままほっぽり出されて死にたいの?」

 

「それはイヤ」

 

「なら、しばらくはここに留まっておきなさいな」

 

 その後はすぐに訓練が始まった。

 投影魔術の精度上昇や戦闘技術の向上、各種魔術の取り扱い等だ。

 判ったことは、切嗣が敢えて間違った魔術を教えていたことであった。その理由としては、「血に塗れた魔術の世界に琴葉を巻き込みたくない」という親心だろう。真意を理解した琴葉は、心が温かくなるのを感じ取っていた。

 戦闘と座学、そして実戦。琴葉はすぐに理解し、吸収していった。

 そして、卒業の日が来た。

 

「うん。これ以上教えることは無いわね。ここまで、よく頑張ったわ」

 

「まあ、アンタがスパルタだったってのもあるケドね」

 

 ふふふ、とイイ笑顔で、無言の圧を琴葉に掛けるエミヤ。これまでの訓練を思い出し、すぐに黙る琴葉であった。

 

「……良い? どんなことがあっても、『それでも』と言い続けるの。自分を見失ってはダメ。判った?」

 

「……ええ」

 

「『心』を無くさないで。『心』が、自分自身を決められる唯一の部品だから」

 

「……判ったわ」

 

 それを聞くと、エミヤはふふっと笑った。

 

「なら、安心した。大丈夫、貴方なら出来る。なってみせなさい、『正義の味方』に」

 

「ええ」

 

 琴葉の瞳には決意が。エミヤはそれを確かに受け取った。

 エミヤは琴葉の頭に触れる。

 

「少し痛むけど、我慢して」

 

 記憶と固有結界の引き継ぎだ。

 

「ぐっ……!?」

 

 琴葉の頭を鋭い痛みが襲う。数秒の後、それは止んだ。

 エミヤはそれと同時に手を離す。

 

「はい。引き継ぎはこれで完了。身体に何か異常は?」

 

 琴葉は自身の身体に解析を掛けて異常を探る。どうやら、問題無いようだ。

 

「そう。なら問題無しね」

 

 すると、突如としてエミヤの身体が黄金の粒子に包まれていく。

 

「……別れの時ね」

 

「別れって……どういうこと?」

 

「『座』に帰還するのよ。そして、また次の世界に私は呼ばれる。……そんな顔しないで。私はもう、大丈夫だから」

 

 エミヤは天を仰ぐ。その瞳に憂いは無かった。琴葉の持つ『可能性』を信じる事を決めたのだ。

 

「頑張りなさいよ! 見守ってるからね!!」

 

 最後は飛び切りの笑顔で。

 

「……お達者で!!」

 

 琴葉もそれに笑顔で以て返す。

 それを見届けた後、サムズアップしてエミヤは消えていった。

 

 世界が光で塗りつぶされていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戻ってきた、か……」

 

 英霊の座。

 死した後、英霊はそこへと招かれる。エミヤもまた、その一人であった。

 無数に突き立つ剣の砂漠。少女は一人、赤い外套をたなびかせ、佇む。

 

「うん。大丈夫。あの子なら、きっと」

 

 かつて絶望と虚無に満ちた少女はもういない。

 その表情は安堵を浮かべていた。

 

「この『思い』は間違いなんかじゃない、か……。確かに、その通りだわ」

 

 少女はふと、赤く焼けた空を見上げる。

 

「呼ばれたか……」

 

 抑止力からの呼び出し。

 それはエミヤの『抑止の守護者』としての任務が与えられたことを意味していた。

 

「頑張ってみるから。だから……貴方も負けないで」

 

 徐々に身体が黄金の粒子で包まれていく。

 

「この先、数え切れないほどの絶望が貴方を襲うでしょう。それでも、貴方は独りじゃない。それに、貴方は強い。例え、折れてしまったとしても、立ち上がることが出来る」

 

 ここにはいない少女へと向け、エミヤは微笑む。

 

「だから、頑張りなさいよ。応援してるから」

 

 そう言い残し、エミヤは次の世界へと旅立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……」

 

 ぼんやりしていた意識は急速に覚醒へと向かい、琴葉は暗闇の中で目を覚ます。

 

「……戻ってこれたんだ」

 

 発破を掛けて掘った穴の中、琴葉はポツリと呟く。

 先程までの出来事は夢では無い。身体の芯から溢れる力がそれを如実に表していた。

 

「あ、そうだ。ステータスプレート」

 

 琴葉は自身のステータスを確認すべく、ポーチを探る。

 探し出したステータスプレートを見つめ、琴葉は唖然とした。

 

 

 ───自身のステータスの急上昇に。

 

 

 

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衛宮琴葉 17歳 女 レベル:28

天職:弓兵

筋力:450

体力:440

耐性:440

敏捷:520

魔力:470

魔耐:440

技能:魔術・投影魔術[+解析][+複製][+強化][+改造][+憑依経験][+壊れた幻想][+無限の剣製]・弓術・軽業・破壊工作・気配遮断・鷹の瞳・転移・心眼・過程省略・言語理解

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 奈落に落ちる前よりも、段違いでステータスが伸びている。更に、技能も幾つか増えていた。

 琴葉は、つい、本心が漏れてしまった。

 

 

「…………なんでさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歯車は回り始める。

 

 もはや、止めることは出来ない、




感想、評価を頂けると嬉しいどす。

完結後、カルデア召喚編やる? やるとしたら琴葉はどのクラスで召喚する?

  • やれ。クラスはセイバークラスで。
  • やれ。クラスはランサークラスで。
  • やれ。クラスはアーチャークラスで。
  • やれ。クラスはライダークラスで。
  • やれ。クラスはアサシンクラスで。
  • やれ。クラスはキャスタークラスで。
  • やれ。クラスはバーサーカークラスで。
  • やれ。クラスはルーラーで。
  • やれ。クラスはアヴェンジャーで。
  • やれ。クラスはムーンキャンサーで。
  • やれ。クラスはアルターエゴで。
  • やれ。クラスはフォーリナーで。
  • やらなくていいんじゃない?
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