楽しんでいってね!
意地と意地のぶつかり合い。
最後にそれを制したのは琴葉であった。
琴葉は干将・莫耶をエミヤの胸から引き抜く。
「ホントに負けちゃうなんて……予想外だわ、全く」
ハハハ、と苦笑するエミヤ。すると、自身の傷口に手を触れ、何かぶつぶつと呟くと、傷口が塞がった。
「ハァ!? 何それズルイ……」
琴葉はその光景に語気を強める。
「落ち着きなさいっての……。ほら」
エミヤはゆっくりと立ち上がり、琴葉に触れる。すると、たちまち琴葉の傷も癒えていった。
「治癒魔術よ。女の子の身体に傷がついちゃいけないものね」
「は、はあ……」
「そう固くならないの。……こっちはもう敵意は無いもの」
さてと、と区切り、エミヤは咳払いをする。
「すぐにでもここから出しても良いんだけど……それだと不安が残るわね。そうね、しばらくここに残りなさい。色々教えなきゃだし」
「……?」
「付け焼き刃に近いその戦闘技術をここで確固たる物にするのよ。それと、私の記憶と固有結界の引き継ぎもしなきゃいけないし。それとも何? そのままほっぽり出されて死にたいの?」
「それはイヤ」
「なら、しばらくはここに留まっておきなさいな」
その後はすぐに訓練が始まった。
投影魔術の精度上昇や戦闘技術の向上、各種魔術の取り扱い等だ。
判ったことは、切嗣が敢えて間違った魔術を教えていたことであった。その理由としては、「血に塗れた魔術の世界に琴葉を巻き込みたくない」という親心だろう。真意を理解した琴葉は、心が温かくなるのを感じ取っていた。
戦闘と座学、そして実戦。琴葉はすぐに理解し、吸収していった。
そして、卒業の日が来た。
「うん。これ以上教えることは無いわね。ここまで、よく頑張ったわ」
「まあ、アンタがスパルタだったってのもあるケドね」
ふふふ、とイイ笑顔で、無言の圧を琴葉に掛けるエミヤ。これまでの訓練を思い出し、すぐに黙る琴葉であった。
「……良い? どんなことがあっても、『それでも』と言い続けるの。自分を見失ってはダメ。判った?」
「……ええ」
「『心』を無くさないで。『心』が、自分自身を決められる唯一の部品だから」
「……判ったわ」
それを聞くと、エミヤはふふっと笑った。
「なら、安心した。大丈夫、貴方なら出来る。なってみせなさい、『正義の味方』に」
「ええ」
琴葉の瞳には決意が。エミヤはそれを確かに受け取った。
エミヤは琴葉の頭に触れる。
「少し痛むけど、我慢して」
記憶と固有結界の引き継ぎだ。
「ぐっ……!?」
琴葉の頭を鋭い痛みが襲う。数秒の後、それは止んだ。
エミヤはそれと同時に手を離す。
「はい。引き継ぎはこれで完了。身体に何か異常は?」
琴葉は自身の身体に解析を掛けて異常を探る。どうやら、問題無いようだ。
「そう。なら問題無しね」
すると、突如としてエミヤの身体が黄金の粒子に包まれていく。
「……別れの時ね」
「別れって……どういうこと?」
「『座』に帰還するのよ。そして、また次の世界に私は呼ばれる。……そんな顔しないで。私はもう、大丈夫だから」
エミヤは天を仰ぐ。その瞳に憂いは無かった。琴葉の持つ『可能性』を信じる事を決めたのだ。
「頑張りなさいよ! 見守ってるからね!!」
最後は飛び切りの笑顔で。
「……お達者で!!」
琴葉もそれに笑顔で以て返す。
それを見届けた後、サムズアップしてエミヤは消えていった。
世界が光で塗りつぶされていく。
「戻ってきた、か……」
英霊の座。
死した後、英霊はそこへと招かれる。エミヤもまた、その一人であった。
無数に突き立つ剣の砂漠。少女は一人、赤い外套をたなびかせ、佇む。
「うん。大丈夫。あの子なら、きっと」
かつて絶望と虚無に満ちた少女はもういない。
その表情は安堵を浮かべていた。
「この『思い』は間違いなんかじゃない、か……。確かに、その通りだわ」
少女はふと、赤く焼けた空を見上げる。
「呼ばれたか……」
抑止力からの呼び出し。
それはエミヤの『抑止の守護者』としての任務が与えられたことを意味していた。
「頑張ってみるから。だから……貴方も負けないで」
徐々に身体が黄金の粒子で包まれていく。
「この先、数え切れないほどの絶望が貴方を襲うでしょう。それでも、貴方は独りじゃない。それに、貴方は強い。例え、折れてしまったとしても、立ち上がることが出来る」
ここにはいない少女へと向け、エミヤは微笑む。
「だから、頑張りなさいよ。応援してるから」
そう言い残し、エミヤは次の世界へと旅立った。
「う……」
ぼんやりしていた意識は急速に覚醒へと向かい、琴葉は暗闇の中で目を覚ます。
「……戻ってこれたんだ」
発破を掛けて掘った穴の中、琴葉はポツリと呟く。
先程までの出来事は夢では無い。身体の芯から溢れる力がそれを如実に表していた。
「あ、そうだ。ステータスプレート」
琴葉は自身のステータスを確認すべく、ポーチを探る。
探し出したステータスプレートを見つめ、琴葉は唖然とした。
───自身のステータスの急上昇に。
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衛宮琴葉 17歳 女 レベル:28
天職:弓兵
筋力:450
体力:440
耐性:440
敏捷:520
魔力:470
魔耐:440
技能:魔術・投影魔術[+解析][+複製][+強化][+改造][+憑依経験][+壊れた幻想][+無限の剣製]・弓術・軽業・破壊工作・気配遮断・鷹の瞳・転移・心眼・過程省略・言語理解
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奈落に落ちる前よりも、段違いでステータスが伸びている。更に、技能も幾つか増えていた。
琴葉は、つい、本心が漏れてしまった。
「…………なんでさ」
歯車は回り始める。
もはや、止めることは出来ない、
感想、評価を頂けると嬉しいどす。
完結後、カルデア召喚編やる? やるとしたら琴葉はどのクラスで召喚する?
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やれ。クラスはセイバークラスで。
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やれ。クラスはランサークラスで。
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やれ。クラスはアーチャークラスで。
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やれ。クラスはライダークラスで。
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やれ。クラスはアサシンクラスで。
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やれ。クラスはキャスタークラスで。
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やれ。クラスはバーサーカークラスで。
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やれ。クラスはルーラーで。
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やれ。クラスはアヴェンジャーで。
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やれ。クラスはムーンキャンサーで。
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やれ。クラスはアルターエゴで。
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やれ。クラスはフォーリナーで。
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やらなくていいんじゃない?