赤き弓兵、錬鉄の記憶   作:ハウンド・ドッグ

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ドーモ、ハウンド・ドッグです。

楽しんでいってね!

思いの外「続けろフェイカー」が多くて驚いているよ……
と、いうわけで、連載します。
よろしくお願いします!


Ep.01 召喚

 教室が光に包まれる。

 時刻は昼時。琴葉達クラスメイトは昼食を取っている時間であった。それなのに、この事態だ。

 突如、クラスの陽キャ筆頭である、本人無自覚のご都合解釈の塊、天之河 光輝(アマノガワ コウキ)の足元に幾何学模様が現れたと思ったら、あっと言う間に拡散。魔法陣を形作り、眩い光を放ち、今に至るのだ。

 教室にいた畑山 愛子(ハタケヤマ アイコ)先生が「皆!教室から出て!」と叫ぶが、それも虚しく、クラスメイト達は教室から姿を消した。

 その場には蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消したのだ。

 この事件は、白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだが、それはまた別の話。

 

 

 

 

 

 眩い光がやみ、琴葉が目を開くと、そこはどこかの宗教施設のような場所であった。彼女らクラスメイトは台の上にいる。

 周りには法衣に身を包んだ聖職者と思しき集団が。その中でも、ひときわ煌びやかな装束をした老人が前に出た。彼はイシュタル・ランゴバルドと名乗った。

彼の話を要約するとこうだ。

 まず、この世界はトータスと呼ばれている。そして、トータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族である。

人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしい。

 この内、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。

 魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近、異常事態が多発しているという。

 それが、魔人族による魔物の使役だ。

 魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々も正確な魔物の生体は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で凶悪な害獣とのことだ。

 今まで本能のままに活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使役できても、せいぜい一、二匹程度だという。その常識が覆されたのである。

 これの意味するところは、人間族側の″数″というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。

 

 

 どこか、恍惚とした笑みを浮かべながら、″エヒトルジュエ″なる神性存在から賜った″神託″を語るイシュタル。琴葉はその様子に薄ら寒さを感じていた。

 

 愛子先生は″戦争をさせる″というニュアンスを含んだイシュタルの言葉に激昂し、声を上げるが、それもイシュタルの放った言葉により撃沈してしまう。

 

───帰れないのだ。

 

神なるエヒトルジュエの意志無しには帰れないのだ。

 

 誰もが狼狽え、パニックに陥る中、イシュタルは特に口を挟むでもなく静かにその様子を眺めていた。

 だが、琴葉は、なんとなくではあるが、その目の奥に侮蔑が込められているような気がした。今までの言動から考えると「エヒト様に選ばれておいてなぜ喜べないのか」とでも思っているのかもしれない。

 未だパニックが収まらない中、光輝が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。光輝は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん?どうですか?」

 

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

 

「俺達には大きな力があるんですよね?ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

 

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

 

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

 ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。

 同時に、彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮した。絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。光輝を見る目はキラキラと輝いており、まさに希望を見つけたという表情だ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている。

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

 

「龍太郎……」

 

「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」

 

「雫……」

 

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

 

「香織……」

 

 いつものメンバーが光輝に賛同する。後は当然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。愛子先生はオロオロと「ダメですよ~」と涙目で訴えているが光輝の作った流れの前では無力だった。

 

(選択肢なんて、始めからあって無いようなモノ、か……)

 

 渋々ではあるが、彼女もまた、それに同意した。

 結局、全員で戦争に参加することになってしまった。おそらく、クラスメイト達は本当の意味で戦争をするということがどういうことか理解してはいないだろう。崩れそうな精神を守るための一種の現実逃避とも言えるかもしれない。

 

 そんな中、琴葉には一つ、気に掛かることがあった。

 法衣集団の後ろで控えていた、シスターとみられる女性達の中で、その服を着崩した白髪の若い女性がこちらを、主に琴葉の方を静かに見据えていたのだ。先程からずっと。

 何となく不気味なものを感じた琴葉であったが、正直、今気にしたところでどうにもならないので、それを意識の外に追いやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日を境に、彼女の『Fate(運命)』は動き出す。




感想、評価を頂けると嬉しいどす。

完結後、カルデア召喚編やる? やるとしたら琴葉はどのクラスで召喚する?

  • やれ。クラスはセイバークラスで。
  • やれ。クラスはランサークラスで。
  • やれ。クラスはアーチャークラスで。
  • やれ。クラスはライダークラスで。
  • やれ。クラスはアサシンクラスで。
  • やれ。クラスはキャスタークラスで。
  • やれ。クラスはバーサーカークラスで。
  • やれ。クラスはルーラーで。
  • やれ。クラスはアヴェンジャーで。
  • やれ。クラスはムーンキャンサーで。
  • やれ。クラスはアルターエゴで。
  • やれ。クラスはフォーリナーで。
  • やらなくていいんじゃない?
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