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エセアルラウネを三枚下ろしにし、次の階層に進んだ琴葉、ハジメ、ユエの三人。迷宮攻略に勤しんでいる内に、遂に、次の階層で最初にいた階層から百階目になるところまで来た。
その一歩手前の階層で三人は拠点を作った。ハジメは装備の確認と補充にあたっている。相変わらずユエは飽きもせずにハジメの作業を見つめている。というよりも、どちらかというと作業をするハジメを見るのが好きなようだ。今も、ハジメのすぐ隣で手元とハジメを交互に見ながらまったりとしている。その表情は迷宮には似つかわしくない緩んだものだ。
(おやおや……これはこれは)
その様子を、投影魔術の鍛錬をしながら視界の隅に捉えた琴葉はニマニマと心の中で笑っていた。遺憾なく下世話属性が発揮されている始末である。
ユエと出会ってからどれくらいの日数が経ったのか、時間感覚がないためわからないが、最近のユエはよくこういうまったり顔というか安らぎ顔を見せている。露骨にハジメに甘えてくるようにもなった。
特に拠点で休んでいる時には必ず密着している。横になれば添い寝の如く腕に抱きつくし、座っていれば背中から抱きつく。吸血させるときは正面から抱き合う形になるのだが、終わった後も中々離れようとしない。ハジメの胸元に顔をグリグリと擦りつけ満足げな表情でくつろいでいるのだ。
琴葉はその様子を微笑ましく見守っていた。二人をくっつけるべく、何かと理由をつけてハジメとユエを二人きりにすることもあった。とことん下世話である。心の中で、香織に謝りながらではあるが、辞めるつもりは毛頭ないらしい。何故か、と聞かれると、「恋は戦争。取ったもん勝ち」と答えるだろう。何よりも、女の子にとって人の恋事情程の好物は無いのだから、是非も無いと言えばそうなのかもしれない。
その裏で、ハジメはユエによって理性をガリガリと削られていることがあるとかないとか。そんなことは琴葉の知る処ではないのだが。
「ハジメ……いつもより慎重……」
「うん? ああ、次で百階だからな。もしかしたら何かあるかもしれないと思ってな。一般に認識されている上の迷宮も百階だと言われていたから……まぁ念のためだ」
最初にいた階層から八十階を超えた時点で、ここが地上で認識されている通常の【オルクス大迷宮】である可能性は消えた。奈落に落ちた時の感覚と、各階層を踏破してきた感覚からいえば、通常の迷宮の遥かに地下であるのは確実だ。
銃技、体術、固有魔法、兵器、そして錬成。いずれも相当磨きをかけたという自負がハジメにはあった。そうそう、簡単にやられはしないだろう。しかし、そのような実力とは関係なくあっさり致命傷を与えてくるのが迷宮の怖いところである。
故に、出来る時に出来る限りの準備をしておく。ちなみに今のハジメのステータスはこうだ。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:76
天職:錬成師
筋力:1980
体力:2090
耐性:2070
敏捷:2450
魔力:1780
魔耐:1780
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解
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投影魔術の精度が上昇し、尚且つその他の戦闘術も円熟してきた琴葉。彼女の瞳に慢心は無く、まだ足りない、とでも言うように夜な夜な鍛錬を繰り返していた。それもあり、動きの無駄も無くなり、今では効率よく戦闘が行えるようになっている。ちなみに、今の琴葉のステータスはこうだ。
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衛宮琴葉 17歳 女 レベル:85
天職:弓兵
筋力:1780
体力:1890
耐性:1850
敏捷:3950
魔力:2860
魔耐:1650
技能:魔術・投影魔術[+解析][+複製][+強化][+改造][+憑依経験][+壊れた幻想][+無限の剣製]・弓術[+命中精度上昇]・軽業・破壊工作・気配遮断・鷹の瞳[+戦術効果]・転移・心眼・過程省略・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・気配感知・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解
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ステータスは、初めての魔物を喰らえば上昇し続けるが、固有魔法はそれほど増えなくなった。主級の魔物なら取得することもあるが、その階層の通常の魔物ではもう増えないようだ。魔物同士が喰い合っても相手の固有魔法を簒奪しないのと同様に、ステータスが上がって肉体の変質が進むごとに習得し難くなっているのかもしれない。
しばらくして、全ての準備を終えた三人は、階下へと続く階段へと向かった。
その階層は、無数の強大な柱に支えられた広大な空間だった。柱の一本一本が直径五メートルはあり、一つ一つに螺旋模様と木の蔓が巻きついたような彫刻が彫られている。柱の並びは規則正しく一定間隔で並んでいる。天井までは三十メートルはありそうだ。地面も荒れたところはなく平らで綺麗なものである。どこか荘厳さを感じさせる空間だった。
三人が、しばしその光景に見惚れつつ足を踏み入れる。すると、全ての柱が淡く輝き始めた。ハッと我を取り戻し警戒する三人。柱は彼らを起点に奥の方へ順次輝いていく。
しばらく警戒していたが、特に何も起こらないので、三人は先へ進むことにした。感知系の技能をフル活用しながら歩みを進める。二百メートルも進んだ頃、前方に行き止まりを見つけた。いや、行き止まりではなく、それは巨大な扉だった。全長十メートルはある巨大な両開きの扉が有り、これまた美しい彫刻が彫られている。特に、七角形の頂点に描かれた何らかの文様が印象的だ。
「大きい……」
「……これはまた凄いな。もしかして……」
「……反逆者の住処?」
いかにもラスボスの部屋といった感じだ。実際、感知系技能には反応がなくともハジメの本能が警鐘を鳴らしていた。この先はマズイと。それは、ユエも感じているのか、うっすらと額に汗をかいている。琴葉もまた、油断なく前を見据えていた。
「ハッ、だったら最高じゃねぇか。ようやくゴールにたどり着いたってことだろ?」
ハジメは本能を無視して不敵な笑みを浮かべる。たとえ何が待ち受けていようとやるしかないのだ。
「……んっ!」
ユエも覚悟を決めた表情で扉を睨みつける。
「そうね……。やってやろうじゃない」
琴葉も腹を括り、いつでも戦えるように身構えた。
そして、三人揃って扉の前に行こうと最後の柱の間を越えた。
その瞬間、扉とハジメ達の間三十メートル程の空間に巨大な魔法陣が現れた。赤黒い光を放ち、脈打つようにドクンドクンと音を響かせる。
ハジメと琴葉の二人は、その魔法陣に見覚えがあった。忘れようもない、忘れようとしても忘れることの出来ない、あの日、奈落へと落ちた日に見た自分達を窮地に追い込んだトラップと同じものだ。だが、ベヒモスの魔法陣が直径十メートル位だったのに対して、眼前の魔法陣は三倍の大きさがある上に構築された式もより複雑で精密なものとなっている。
「おいおい、なんだこの大きさは? マジでラスボスかよ」
「まさしく
「……大丈夫……私達、負けない……」
ハジメが流石に引きつった笑みを浮かべ、琴葉は冷や汗を流すが、ユエは決然とした表情を崩さず二人の腕をギュッと掴んだ。
ユエの言葉に「そうだな」と頷き、苦笑いを浮かべながら二人も魔法陣を睨みつける。どうやらこの魔法陣から出てくる化物を倒さないと先へは進めないらしい。
魔法陣はより一層輝くと遂に弾けるように光を放った。咄嗟に腕をかざし目を潰されないようにする三人。光が収まった時、そこに現れたのは───
───体長三十メートル、六つの頭と長い首、鋭い牙と赤黒い眼の化け物。例えるならば、神話の怪物ヒュドラ。
「「「「「「クルゥァァアアン!!」」」」」」
不思議な音色の絶叫をあげながら六対の眼光が三人を射貫く。身の程知らずな侵入者に裁きを与えようというのか、常人ならそれだけで心臓を止めてしまうかもしれない壮絶な殺気が叩きつけられた。
同時に赤い紋様が刻まれた頭がガパッと口を開き火炎放射を放った。それはもう炎の壁というに相応しい規模である。
三人は同時にその場を左右に飛び退き反撃を開始する。ハジメのドンナーが火を吹き電磁加速された弾丸が超速で赤頭を狙い撃つ。弾丸は狙い違わず赤頭を吹き飛ばした。
まずは一つとハジメが内心ガッツポーズを決めた時、白い文様の入った頭が「クルゥアン!」と叫び、吹き飛んだ赤頭を白い光が包み込んだ。すると、まるで逆再生でもしているかのように赤頭が元に戻った。白頭は回復魔法を使えるらしい。
ハジメに少し遅れてユエの氷弾が緑の文様がある頭を吹き飛ばしたが、同じように白頭の叫びと共に回復してしまった。
その様子を見ていた琴葉は冷静に、頭の中で戦術を組み立てていく。狙うは、
〝ハジメ、ユエ。よく聞いて。まずは白い頭を倒すわ。ぶち抜くから、他の頭の気を引いて〟
〝了解!〟
〝んっ!〟
返答を確認した後、琴葉は黒い洋弓を携え、"空力"で空間を駆け回りながら絶好のポジションを探す。勿論、攻撃も回避しながら。
青い文様の頭が口から散弾のように氷の礫を吐き出し、それを回避しながらハジメとユエが白頭を狙う。わざと白頭を狙うことで、他の頭の注意を引く算段だ。
ドパンッ!
「"緋槍"!」
閃光と燃え盛る槍が白頭に迫る。しかし、直撃かと思われた瞬間、黄色の文様の頭がサッと射線に入りその頭を一瞬で肥大化させた。そして淡く黄色に輝きハジメのレールガンもユエの"緋槍"も受け止めてしまった。衝撃と爆炎の後には無傷の黄頭が平然とそこにいてハジメ達を睥睨している。
(
ポジションを決め、"気配遮断"によりヒュドラの索敵に引っかからないようにしながら弓に剣を番える琴葉は、眼下の状況、並びにヒュドラの頭の役割に舌打ちする。
頭は全部で六つ。その内わかっている役割は四つ。赤は火炎放射、白は回復役、青は氷結、黄は盾役だ。残りの二つは目下不明。その不気味さに、琴葉は矢を放つのをどうしても躊躇ってしまう。
(どうする……? 今、放ったとしても、思わぬ反撃が来る可能性がある……)
嫌な汗が額を伝うのを琴葉は感じ取っていた。
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完結後、カルデア召喚編やる? やるとしたら琴葉はどのクラスで召喚する?
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やれ。クラスはセイバークラスで。
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やれ。クラスはランサークラスで。
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やれ。クラスはアーチャークラスで。
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やれ。クラスはライダークラスで。
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やれ。クラスはアサシンクラスで。
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やれ。クラスはキャスタークラスで。
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やれ。クラスはバーサーカークラスで。
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やれ。クラスはルーラーで。
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やれ。クラスはアヴェンジャーで。
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やれ。クラスはムーンキャンサーで。
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やれ。クラスはアルターエゴで。
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やれ。クラスはフォーリナーで。
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やらなくていいんじゃない?