貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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善意の白狼

あれから何日が経過したのか。

取り敢えず壁にある横1文字に縦線4本の数を

目測で数えただけで10以上はある

恐らくこれからもどんどん増えていくのだろう

貴方は射し込む光が月のソレである事を確認した

それにしても博麗霊夢はいやらしい性格だ

鉄格子の向こうに机があるのだが、そこに貴方の

ウエストバッグに愛刀、そして黒光りする銃が

見えるのだ。貴方は最初取りに行こうとしたが

手が届きそうで届かない。

本当にいやらしい性格をしている

ここに何か書き記すか?

…いや、どうせ閉じ込められるのは貴方以外に

いる筈が無いだろう。それに眠気も凄い。

だから、貴方は祈る事しか出来なかった

これまでの道程を見て、神は何を定めるのか。

 

 

 

 

 

 

…ヒュン

貴方はその風を切る音に眠気が覚めた

それが机に突き刺さって貴方は初めてそれが矢

だと認識した。

それに加えて机が今にも倒れそうじゃないか。

というか今ガタンと音を立てて倒れた。

それと共に愛刀が手が余裕で届く位置に落ちる

貴方はそれを手にする

…偶然か?こんな事、あるのか?ご都合主義か?

机が倒れて刀が手の届く位置に来るって…

まぁ運が良かったのだろう。そう思いながら貴方は

鉄格子をガリガリと削る

幾らか削ると貴方は鉄格子を押す、すると鉄格子は

カランと音を立てて石畳に倒れた

もう1つの鉄格子を削れば脱出する事が出来るだろう

貴方はガリガリと音を立てながら鉄格子を削る

数分した後、鉄格子は自然に倒れた

やっと出る事が出来る…!貴方は鉄格子から足を

踏み出して外に出る。

地面に落ちているウエストバッグを腰に装着し

使う事はあってほしく無いが、麻酔銃のスライドを

引いていつでも撃てるようにする

…ここの住民に撃っても避けられるような。

でも初見殺しにはなるだろう…いや眠るか。

貴方は愛刀を腰に差すと久しぶりに背伸びをする

やっと自由か。

今は夜だ、彼女は寝ている筈。今すぐ脱出しよう

 

 

 

 

…なのに

 

「何処に行こうというの?もしかして逃げようとしてた?」

 

彼女は起きていた。

貴方は体が震えて一瞬身動きが出来なかったが

それを抑えて銃を構える

 

「はぁ…あんたそれでどうにかしようっての?」

 

何処か嘲笑を含めた声で問いかける霊夢

貴方は首を傾げる。それにしても何故か軽い

あれ?まさか…そんな事

 

「あんたが欲しいのはこれかしら」

 

霊夢が握った手をこちらに見せびらかす

…まさかその中に、いやそんな事は無い

彼女は銃なんて知らない筈

 

「私はこの武器の使い方や使い道なんて全く知らない。

 でも私の勘がこれを取り出せって言ってたの。

 勘はあんたの次に信用できるから。」

 

カララと地面に麻酔弾が転がる

え?じゃあ今持っているのは銃の形をした鈍器じゃないか…

貴方はスライドを引いた

 

そこには黄金色の弾丸が見えた

…?これだけ入っているのか?違和感を感じたが

貴方は気にせずに銃を構える

 

「意味のない事をするわね、もしかしてふざけているのかしら」

 

霊夢は面白い…という顔。それにあの黒曜石の様な

光を反射しない黒い瞳

貴方はそれ以上近づいたら撃つと言った

 

「撃ちたいなら撃ってみなさい。どうせ出ないから」

 

霊夢は手を上にあげて降参のようなポーズをする。

これ以上近づいて来るのは流石にダメだ、彼女の

攻撃範囲に入る(もう入っている様なもの)

貴方は「眠れ!」と言うと目を瞑ってトリガーを引く

乾いた音と共にスライドがフルオープンになる

カランと薬莢が地面に落ちた音がした

 

目を開けたら仰向けに倒れた霊夢。

その左横腹…その辺から巫女服が赤きシミを広げる

 

つまり

 

貴方は

 

霊夢を

 

撃った

 

貴方は喘ぎに近い声を出して、霊夢に近づく

先程左肩辺を狙ったのだがどうやら眼を瞑った

時にズレたらしい。

…でもズレてよかったと思っている

もしそのまま撃っていれば霊夢を

貴方はそれ以上は考えず、彼女に一応の応急処置

を施す。このままに逃げても寝覚めが悪いだけである

貴方は霊夢をお姫様抱っこして牢に入れる

…入れても貴方と同じ方法で出るだろうケド。

さて、急いで脱出しよう。そうしないと今度は

何をされるか分かったもんじゃない…

取り敢えず自分の家だ。

貴方は洞穴から体を飛び出すようにして空を駆けた。

 

数分後、貴方の家に着く

貴方は術を発動して今の場所とは違う場所に

家自体をテレポートさせる

ガタン、と家が揺れる。どうやら着いたらしい

外に出ると、ムワッと瘴気が貴方を襲う。

どうやら魔法の森に出たようだ

貴方は顔をムッとさせるだけだった

上を見上げると、とても高い山が見える。

やらかしたかもしれない

あれはどう見ても妖怪の山。

 

つまり文の住処…

貴方は首をブンブンと振って家に入る

そして、囲炉裏に火も付けずに横になった

夜の空気は冷たい。でも、今すぐ寝たい

そんな貴方の願いを叶える様に睡魔は

貴方の意識を刈り取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

貴方は何か起きなければいけない気がした。

ガバリと体を起こす。

窓から差す月明かりを見るにそう時間は経っていない

貴方は未だに付けていたウエストバッグと愛刀を

すぐ側に置いて背伸びをした。

いくら座布団があるといえど硬い畳の上で寝ると

体中がジンジンと痛む。

貴方は外の空気を吸おうと外に出ようとした

まず、靴を履いて戸に手を…

当てる前にガラ…と少し開く

白い手が、添えられて。

あの黒曜石の様な瞳がこちらを見ていて

「よクも……………してクレたワね…」

貴方は怯む、そして次の言葉で。

 

 

 

 

よくも鉛玉をプレゼントしてくれたわね………よくもよくもよくもおおおおお!!!!」

 

 

 

 

 

 

──────────

 

「うわあああああああああああぁぁぁあああああ!!!!」

 

「大丈夫ですか──さん!?」

 

貴方は飛び起きた。あの瞳、声で

死ぬかと思った…とはこういうことを言うのだろう

事実貴方はショック死しかけた。

…にしても貴方は何かフサフサの物が太ももに

当たっているように感じる。

それに加えて貴方の頭の右側…布の感覚とムチッと

した、太ももの感覚。

どうやら誰かに膝枕されているらしい(人生初)

それにいつも間にか囲炉裏に火がついている

貴方は太ももの主に顔を向ける

銀髪に獣耳、赤い瞳にどこか巫女めいた和服。

彼女は貴方を落ち着かせる様に撫でてくる

貴方は「君は…誰だ…」と絶え絶えに言う

 

「私は椛、犬走椛です。椛と呼んでください」

 

「…どうして、ここに」

 

「千里眼で見張りをしていたらいきなり家が…」

 

確かに家が、突然PON☆と出てきたらそりゃあ

探索に来るだろうな…

確かこの術を試験運用した時里で騒ぎになったか…

いやいつの話だよ。

貴方は起きようとするが椛に止められる

 

「待ってください。今貴方は極度の興奮状態です

 少し落ち着くまでゆっくりしましょう」

 

何故か椛の声が遠く聞こえる。そういえば、貴方は

いつ耳かきをしたのだろう

もう覚えていない。

すると椛が貴方は耳が聞こえにくいと感じ取ったのか

 

「ゆっくりするついでに耳かきしましょう

 何処に耳かきがありますか?」

 

貴方はウエストバッグから竹の耳かきを取り出すと

椛に手渡す「痛くしないでくれ」と言いながら

 

「大丈夫。これでもお父さ…いえ、彼の耳かきを

 してみてかなり出来るものですから」

 

そういうと、貴方の左耳穴に耳かきを入れる

耳毛にコリコリと当たりながら掻かれる耳の中。

貴方は大体自分で耳かきをしていたので

こういう経験は無かった。確かにこれは気持ちいい

ペリリと剥がれる耳垢にそれを掻き出す耳かき

 

「大きいのが取れましたよ」

 

椛は近くのゴミ箱にそれを入れながら言う

自分からは見れないけど多分入れているだろう

残りの浅い所にある耳垢を全て取っていく

 

「浅い所は大体取れましたね、それじゃあ…」

 

貴方の耳に生暖かい息がかかる

ピクンと跳ねたがそれも一瞬。

 

「ウフフ…それじゃ反対ですね」

 

ゴロリと寝返り彼女のお腹に顔が当たる

…右側に何か柔らかい物が重力に従ってこちらに…

 

 

そこから先は理性との戦いだった。

 

 

 

 

 

 

────────

「これでおしまいですね」

 

最後の耳垢を取り出し、一仕事した後の様に

フゥーと息をつく椛

…何故か鼻が、ムズムズッ

 

「どうしました──さん?」

 

貴方は離れてと言おうとしたが、時既に遅し

 

「ひゃあ!?」

 

貴方の大きなくしゃみと共に椛の悲鳴が上がる

しかもそれが鼻水が出るver.だったから大変だ

土下座する勢いで謝る貴方(膝枕から退いて)

 

「私は大丈夫ですから…」

 

と椛は言うが服がベトベトだ。

取り敢えず着替えないと

 

「では私の家に来ます?」

 

椛はそう言った。いやいや、いくら膝枕して

くれたからっていくら何でもそれは…

 

「霊夢さんが来るかもですよ」

 

よし行こうすぐ行こう。貴方は速攻で決めると準備をする。

 

「ついてきてください」

 

貴方は戸を開けて、椛についていった。




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