貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

28 / 97
♪encounter


拳対拳

どこからともなく聞こえた何かが湖に落ちる音でそれは始まった

貴方が滑るように踏み込んで拳を2回顔面に放つ

美鈴はそのときに怯んだので回し蹴りをした後その慣性に従って

一回転し、さらに回し蹴りを顔に向けて蹴っ飛ばす

 

「ぐぶぁ!」

 

悲鳴をあげたがすぐに美鈴は立ち上がって構える

 

「そうだ、それでいい。」

 

美鈴は満足そうな顔で続ける

 

「戦いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない。」

 

 

その姿がまるで虫のような強化骨格に覆われた戦士に見えた

それも一瞬で次にはそれの上半身裸の男性が見えた

貴方は困惑したがいつの間にか美鈴が突っ込んできていた

拳が叩き込まれるが霊力を纏わせた腕を交差させて防ぐ

それに休む暇も無く蹴りが下から来る。

体を捻って避けると後ろに下がる

 

「やはりそこらの雑魚とは違う」

 

殴られた頬を手の甲で拭う

そしていつもの役立たない門番がするとは思えない

口が三日月の様に獰猛な笑顔になる。

 

「久しぶりだよ、こんな充実した接近戦は…」

 

口調は男そのものだが、声は美鈴だ。

彼女が男の様に(何処とは言わないが)平たく

体つきががっしりとして髪が短ければ男としか

貴方は思えないくらいのものだった。

 

「さぁ、そろそろ本気を出していこうか!」

 

というか弾幕ごっこが普及した今では拳対拳なんて

そうそう無かったのだろう。

接近戦をしたのは右手で事足りるくらいだ。

好奇心で寄ってくる野良妖怪や貴方。

逆に言えば彼女は常に不利な条件で戦っているのだ

美鈴の得意な分野は接近戦の上に拳法。

どちらも遠距離からの攻撃になる弾幕ごっことは

相性が良くないのだ。

例えれば、大艦巨砲主義と航空主兵主義である。

帝国がずっと戦艦を極めたのに対して

合衆国は空母を極めた。

結果的に帝国は敗北して合衆国は勝利した。

量より質ではなく、質より量だ。

大きな昆虫が小さな蟻の集団に負けるように。

彼等も空母を研究したが、慣れない物をするべきでは無い

しかも自国で不仲だったのであきつ丸なんてものがある

任せておけんとかそういう問題ではないだろうて…

ともかく攻撃力に重点を置いた上にそれが殺し合いなどに

使われるものになるとごっこには使えない。

だから慣れない弾幕を放って負ける。

 

「考え事をしている場合か!」

 

顔面に右ストレートを思い切り食らう。

ものすごく早かった。

残像なんて見えない程の速さ。

人が殴る時にはまず構えて腕を曲げて殴る

この手順が普通である…と思う。

しかし美鈴はそれらを無視するというよりそれらが

構えた時点で既に殴っている程早いのだ。

つまるところ構えているのが分からないほど早い

貴方はそれに怯むと共に驚愕した為に追撃が入る

脇腹に右の拳が入り、左肩に左の拳。

そして回転蹴り。

3回の追撃によって貴方は倒れ込みそうになった。

これらも予備動作は一切無い。

改めて思うとこれが門番の実力である。

外敵から守る為に戦闘に特化したのだからそりゃ強い。

貴方は蘇生剤を左胸に思い切り刺して注入。

途端に体の負傷部分が再生し、戦えるようになる

 

貴方は構える。

 

「面白い薬だな?」

 

何も答えずに疾走。

右ストレートを顔面に入れようとするが左腕で防がれる

それは想定済みなので今度は横から体制を崩すように左を回り込む形で殴る

それは右腕で弾き飛ばされ、更に右腕のパンチが来る

貴方は身体を捻って交わすと頭を蹴り飛ばすように蹴る

その考えが珍しく一致したのか美鈴もおなじように蹴った

2回立て続けに蹴って回転蹴りと予備動作の無いパンチ。

お互い力を打ち消し合いながら、譲らない。

連続したパンチを腕で流しながら美鈴は反撃を入れる

それを右足で蹴り飛ばすと左足で顔面を狙う

しかし、後ろに下がる事で避けられる

 

睨み合い。

 

だが、それも数秒で終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

霊夢が貴方の名前を叫びながら出てきた、隠し扉から。

もしかして咲夜はやられたのだろうか。

少し不安になりながらも構える

が、美鈴が前に出る。

 

「私が足止めする、早くいけ」

 

どうして

 

「せっかく戦える相手出来たのに奪われるのはいやだからな…

 まぁ、私の心配はしなくていいですから。」

途中からうっかりさんの口調に戻る

 

後を頼む

 

「任せてください。」

 

貴方は空へ駆け出した。

その道筋は、無意識にとある場所へと向かっていた

 

 

 

 

 

太陽の畑。

 

この時は何も思わなかったけど。

 

行って良かったと、後に思った。




咲夜のその後は死亡以外でご自由に想像を。
おぜうに永遠亭に運ばれたもよし
パッチェに回復魔法をかけられたもよし。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。