貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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人里に紛れて

霧の湖に一直線の波ができる

それはまるで飛行機雲のようにしかし速く進む。

それを作っているのは…貴方。

急いでいる理由は単純で捕まりたくないから。

貴方が愛用していた二振りの刀も今や椛の家に忘れた

早苗というマトモな人間に会えたから安心したというのもあるが

それでも忘れてはいけないだろう。

今のところ持っているものは注射器と残弾の少ないソーコムだ。

 

少し振り返って紅魔館を見た

 

紅魔館は至る所から黒い煙が出ていて象徴的な時計塔も

今や止まってしまっている。

 

裏口付近ではこんなに離れていても見える程明るく黒い弾幕が見える。

時折「破ッ!」と聞こえた後に衝撃波がここまでくる。

やはり美鈴は接近戦では屈指の強さなのだろう。

彼女は心配しなくていいといっていたが大丈夫なのかと心配したくなる程

弾幕の殺意は高く、本当にごっこなのか分からないほどだ。

 

というより見ている暇なんてない。

何処か、奴らが干渉したくてもできないところに行かなければ。

貴方は考えて一つの案が頭に浮かぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

人里に紛れればやり過ごせるかもしれない。

貴方はそんな希望を胸に秘めて、飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐふっ…あ…」

 

「はい、楽勝ッと…速くしないと誰かに取られるかもしれない…

 させないから、絶対に誰にも渡さない」

 

「おやー?それじゃあ同盟は破棄と言うことで?」

 

「はっ、元からあんたと同盟なんて組んでないわ。

 くたばりなさい鴉天狗。」

 

「あややや…やはりあなたとは相入れない存在みたいですねぇ。

 人間ごときが、天狗に敵うとでも?」

 

『死ね!』

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに人里へ来た。

ただ、今は紅魔館から黒い煙が上がっているので小さなお祭り騒ぎになっている

野次馬が屋根に登って「ア、アレハナンダー」「!!ああああああわう」なんて

意味のわからない単語ばかりを叫んでいる。

貴方は「ざわ…ざわ…」と口で言っている野次馬の1人を足で転かすと人混みに紛れて

そこから退散したのだった。

 

あそこにだけ人が集中していたらしく他はガラーんとしている

そのおかげでいつもは結構人がいる居酒屋さんが空いていたので

みたらしと三色団子を頼んだ(居酒屋で)

 

「どうも。ピッタリ勘定もらったよ」

 

赤い服で身を包んだ女将は奥に行った

赤蛮奇という名前で妖怪だ。

たまたま枝垂れ桜の下で見てしまったのだ。

あれは不可抗力だと貴方が言っても納得してくれるまでに時間がかかった。

今は美味しい酒やつまみなどを(金を払えば)ちゃんとくれる。

それと時たま車椅子に乗った人魚がやってくる

貴方を見るたびに引きずって霧の湖まで連れて行こうとする変人。

ぼっちだからってあそこまでしないと思うと貴方は思う。

 

「はいどうぞ。」

 

貴方は礼を言うと串を手に取って食べる

この時貴方は疲れた体には美味しいものが一番染み渡ることを理解した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

団子を全て食べ終えると立ち上がって店から出る

 

「あいどうも、またよろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

店を出た後にしばらく歩いていると二振りの刀を腰に下げた女の子と出会った

その子は貴方の前で止まるとこちらを覗き込むようにして見てきた

感情の読めなくて、深い青色の目。

こちらを見るのをやめると何かをぶつぶつと呟いて飛んでいった。

 

…幽々子様に報告ってどう言うことだろう。

 

それからあまりにも人がいなかったので路地裏を通ることにした

にしてもなぜ貴方はこんな目に遭っているのだろう。

おそらく博麗の巫女やブン屋は普通だった筈だ。

なのに何故か貴方という一個人に依存している。

貴方はいつもどうりに会話しただけだ。

それを繰り返すだけでこうなってしまった

心のそこから怒りが湧いてくる

しかしその怒りは誰にもぶつけることができない

仕方なく長屋の壁を殴っていた

 

「おい」

 

それでも怒りは収まらずに

 

「おい」

 

ただ力が強くなっていくだけ…

 

「おい!」

 

その声ではっとした。

見てみると、無精髭を生やして帽子を深く被った男がいた

着ているものは布を使ったフードのある燻んだ色のジャケットを着ていて

ズボンはダボっとしていて靴も相当履いているのかヨレヨレだ

ただ、両太腿に刀と両刃剣があるのを見て独特な鞘の付け方だなと思った。

彼は口を開く

 

「俺はシェードって名前だ。ダレイット・シェード。

 とにかくこれで落ち着いたらどうだ?」

 

シェードはあるものを貴方に差し出す。

それは一本の棒。指と指の間で挟めるくらいの

つまりはタバコである。

彼も点火済みのタバコを咥えている。

 

「ふぅ…とりあえず吸ったらどうだ?落ち着くぞ。」

 

貴方はタバコを受け取ると咥える

タバコが体に悪いとわかっているけど、この時だけはそれを忘れていた。

ピンと水平に伸ばすとクイクイと指を数回曲げる

何をして欲しいのか察したのかシェードはポケットからジッポーを取り出す

そして親指で蓋を開けるとそのまま火を点ける。

金属が擦れる音がした後親指くらいの長さをした火が点く。

その火の先っぽをタバコの先端と合わせる。

すると口の中に煙が充満してくる

それが吸収されると、心が落ち着いてくる。

そろそろ息が続かないと感じた頃にタバコを指で挟んで、息を吐く。

すると、蛍光色の煙が貴方の口から出る

それに驚いているとシェードが笑った。

 

「はっはっは…皆最初は同じような顔をするもんよ。」

 

彼は顔を近づけると言う。

この時だけ少ししか見えなかったが瞳が見えた

まるで貴方の心の中を読むような

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タバコは程々にな?ニコチンあるからな。それ」

 

遅いぞお前…

 

貴方は軽く笑うと路地裏を後にした

と言うより、里を後にした。

霊夢が野次馬を蹴散らしているのが見えたから。

 




刀の名前何にしよう…
それから評価は感想みたいなの書か無くてもできます。

それからカタカナを無くしてみました。
悪ければ感想で言ってください

余談ですが時たま出てくるオリキャラ、一回出るとその作品では
もう出てこなかったリたまに出てきたりします。
うちの作品はパラレルワールドのようになっていて別作品のキャラがいたり。
例を言えばダイナ君とかですな。彼は愉快で危険な仲間たちのキャラですし。
このキャラは…!ってなったりする(かも)
まぁ完結したらもっと面白くなるんでしょうけど。
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