貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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安全地帯

貴方は門番に一礼した後門を出る

彼は蹴飛ばされている野次馬達を遠目でみると

こちらの心情を察してくれたのか何も言わずに通してくれた。

こう言う時はそういう対応が一番嬉しい。

ここから見てみれば先程野次馬がいた場所は既に土煙に変わっていて

時たまそこから人が飛び出してくるのだ。

その勢いは遠く離れたこの門まで飛んでくるほどである。

「ありがとうございます!」と何回も聞こえてくるのは幻聴だ

ともかくここから逃げなくてはならない。

貴方は少し早足で道を歩いて行った。

兎にも角にも身を潜めることができる場所に行かなければ。

今のところ貴方が接触していない所に行かなくてはならない

となれば、とウエストバックから地図を取り出す。

河童が開発してくれた物のようでホログラムを使ってより立体的かつ

細かく生成される地図だ(なんでも開発に10年かかったらしい)

素晴らしいデザインで小型だから持ち運びもしやすい。

そういえば椛が「河童がやけに出費するおかげで予算が予定の三倍に

なりました…全く。始末書を書かされる身にもなって欲しいです」と

みすちーの居酒屋で愚痴っていたのでもしかして関係があるかも?

まぁ、そんなことはどうでもよくて

見てみると三段の地図が開かれる、下から地底、地上、天界だ。

測定ができなかった所は所どころあるがそれでも完璧な地図だ

地底は不可侵条約が結ばれているらしいからダメだ。

となれば後は地上か天界だが、飛び続けるのは疲れるので却下だ。

地上で人が寄り付かない場所といえば魔法の森に、迷いの竹林

それに彼岸と太陽の畑や冥界だ。

魔法の森は魔理沙やアリスがいるから候補に入るが山と近い・

迷いの竹林は貴方自身が迷う可能性がとても高い。

彼岸と冥界は死者が集まる場所、生者が行くところでは無い

多分門番や船頭が熱烈な歓迎をしてくれるだろう

そんなことを考えていたが貴方は振り返って手にガバメントを創造し構える

右手にガバメント、左手にナイフだ。

なぜこんなことをしたかと聞かれれば見てみれば丸わかりだ

 

野良妖怪の群れが来ているのだ

何かの気配がするなーっと貴方は思っていたがそれは単体ではなく団体だった

狼の群れで戦闘に一際大きな狼が座っていた。

それはこちらを選別するように見ていた。

よく見てみると右目に切り傷があり、失明していた。

先制してガバメントをソイツの眉間に向ける

鏡のように磨き上げられたフィーディングランプ。

強化スライドだ。

更にフレームとの噛み合わせをタイトにして、

精度を上げているのだ

しかもサイトシステムもオリジナル、サムセイフティも

指を掛け易く、延長してある

トリガーも滑り止めグルーヴを付けたロングタイプだ

リングハンマーにハイグリップ用に付け根を削りこんだトリガーガード

 

それだけでなくほぼ全てのパーツが入念に吟味され

カスタム化されている

普通、銃というのは戦場で落として無くしてしまったり

もしくは壊れてしまったりする消耗品だ。

しかし、貴方が作り出したこのガバメントとはそれらを

ちゃんと頭に入れながらもカスタムを盛っているのだ。

といっても貴方が作ったので貴方の考えだが

 

片目狼がクイッと首を振ったかと思うと

それに反応して部下(と思われる)狼が2匹、こちらに走る

貴方は銃口を向けると、そのまま撃った。

2発の乾いた音が日の暮れる幻想郷に響く。

こちらに走ってきた狼2匹は倒れた。

貴方は狼の群れが驚いている隙に思い切り駆け出した。

 

太陽の畑へと

 

 

 

 

 

 

 

 

「──さん。そんなところに…」

 

赤い2つの瞳が、貴方を遠くから捉えていた

 

 

 

 

 

 

 

それに気づいた片目が天に向かって遠吠えをした

すると、先程驚いて混乱していた群れが一瞬で静かになった。

そして群れがこちらに向かって走り出した。

貴方は人間だから、動物の速さに勝てる訳が無い。

しかし、目の前に向日葵の畑が広がっていた。

貴方はその中に飛び込んだ。

入ったのがバレないように向日葵の茎を折らずに。

しばらくすると狼達の息遣いが聞こえてきた

ガウガウとこちらに向かって吠える

終わった、と貴方が思った瞬間

 

「キャウ!?」

 

いきなりビームが狼の足元に着弾する

ソイツは傘を構えてこう言った。

 

「…斬鬼。狩りをするのは良いけど、ここまではこないでっていったわよね。」

 

「そうか?獲物が居たのでな、逃げるのでここまで追いかけてしまった」

 

「この子は私がどうにかするから他の獲物を探しなさいな」

 

「そうかよ…」

 

片目は軽く舌打ちしてこちらを見た。

 

「命拾いしたな。小僧」

 

くるりと踵を返すと群れを率いてどこかに行ってしまった

…日本オオカミって絶滅していなかったか?

貴方は銃を緑髪の女性に向ける。

追い払って(?)くれたとはいえここは彼女の縄張りかもしれない

物凄い妖気だし。

 

「貴方、安心しなさい別に取って食いはしないわ」

 

 

「信用ならないって顔ねぇ…ま、いいわ」

 

クイクイと手を降ってくる女性。

 

「貴方は花達から聞いているわ、お疲れ様ね

 私は風見幽香、フラワーマスターよ」

 

どうやら敵意は無いようだ。

貴方は銃をウエストバッグに入れると幽香に近づく。

 

「これからよろしくね──。」

 

貴方と幽香は握手を軽くした。

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