貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

37 / 97
親の顔より見たドS

貴方は地上に降り立つと花を探した

それはやけに目立つ金色の花の近くにあった

どこか汚花の雰囲気を漂わせている。

これ以上見ていると胸糞悪くなってくるので貴方は花を取ると

辺りを見渡したのだった

 

周辺は文の放った竜巻でめちゃくちゃだ。

直立しているのは戦闘範囲外のところだけだ

戦った場所は更地と化していた

木が根元から折れてぶっ倒れているし草も生えてない

どうやら少々やりすぎたようだ

貴方は凹んだ地面でヤムチャしている文を背負うと

一旦文の住処である妖怪の山に戻ることにした

確か今日はミスティアが店を開いていた筈。

これだけ派手にやったのだから奢られても文句は言えまい…

 

そういえば彼女は今何をしているのだろうか

 

 

貴方はふと、そう思ったのだった

 

 

 

 

「…はぁ」

 

私は飛行しながらため息をついた

あんなに酷く言うつもりはなかったのだ。

嘲笑して、酷く煽ってしまったけれども

あの時はその場の流れに流されてしまったけども…

でもこれは仕方無い事だと思ったのだ

彼は博麗霊夢の裏だ

里の人達はああやって普通に接しているけれど裏を知っている人は違う

いつの時代にも博麗の巫女には裏が居たのだ

弾幕ごっこでは無く本当の殺し合いとか…暗殺とか…

慧音は裏を全て知っている上で優しく接している

 

私は表で皆にチヤホヤされて妖怪のように畏れられる

 

彼は裏で全ての妖怪達に恐れられる

 

発音が同じでも実態は全く違うのだ。

畏怖の念が私の場合はあるけれど彼は恐怖の恐れだ

紅霧異変や春雪異変に萃夢想の時もそうだったのだけれども

彼は大体1体1を好むのだ

相手が誰であろうと1体1の決闘を申し込む。

大体がそれを受け入れて…負けていく。

そうなのだ。彼が負けたところを1度も見た事がないのだ

西行妖とかいう桜が暴走した時も彼が援護を受けながら…ほぼ1人で抑えた

そしてそのまま私の札を使って封印したのだ

 

無茶苦茶すぎる

 

あんな死を振りまく桜に接近する時点で自殺行為だ

ちゃっかり冥界の主と仲良くなってるし…

目の前でイチャイチャされると何故か胸が痛くなる

心臓を鷲掴みにされているような不快感を覚えるのだ

少し弾幕を加えたけれど、亡霊がこの程度でくたばる訳ないでしょうね

 

…そういっていたら見えてきたわね。

ここだけいつも向日葵が咲いている

もしかしたらここの主がやったのかもしれないのだ

 

疑わしきは罰せ。

 

これは私のモットーだ

畑の真ん中にある道に着地する

 

「あら、こんにちは」

 

後ろを向くと緑髪の女が居た

 

「…風見幽香?」

 

「そうよ。私がフラワーマスター」

 

私はその言葉を聞いて確信した

コイツはこの異変に絶対に絡んでいる

 

「早くこの異変を終わらせてくれないかしら?」

 

「あら?これは異変じゃ無いのよ?」

 

「はぁ?」

 

似たようなことを慧音が言っていたような気がする

意味が分からない

 

「まぁ、聞きたいのなら…」

 

「…弾幕ごっこって事?」

 

「そうよ…最近は雑魚しか来ないから。」

 

「それならさっさと終わらせるわ」

 

私は大幣と札を構えて姿勢を低くする

幽香は少し飽きた様子で言う

 

「本当なら殺し合いがいいのだけれど…ね」

 

「それなら妖怪で暇を潰しなさいよ」

 

「よく暇って分かるわね…まぁそこらのじゃ相手にならないの」

 

「私は弾幕ごっこなら骨はあるわよ?」

 

「面白い。」

 

「ふんッ!」

 

私は思い切り地を踏んで大幣を振りかぶった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美味しいですねぇ」

 

「ウチの味はいいでしょう?」

 

美味すぎる。もっと食わせろ

 

「私が払うんですけど…」

 

敗者が何か言ったか?

 

「取り消して下さいよ…!今の言葉…!」

 

みすちー焼き鳥三本追加で

 

「烏天狗の横で鳥を頼むとはいい度胸ね?」

 

おん?やるか?また汚い花火になるか?

 

「…もうあれは懲り懲りよ」

 

屋台の椅子に腰をかける2人

貴方と文が酒を飲みながらツマミも食べている

戦いでお腹が空いたのでちょうど良かったのだ

ここの食べ物は完売したら次開店するまで食べれない

今日は運が良かったらしい

支払いは無論の事文が全額払うことになっている

 

人の金で食う焼肉は美味い。

 

「戦いを申し込まなきゃ良かった…」

 

爽やかな笑顔で焼肉を食べる貴方とは相対的に文は暗い笑顔だ

瞳からハイライトが消えているのを見ると相当らしい

ま、貴方は悪くないよね。

自業自得、インガオーホーって奴だろう

そろそろ本題に入ろう。食べに来たついでにだ

 

で、霊夢は。

 

「霊夢さんなら太陽の畑に…イデデデデデ!?」

 

思わず貴方は文の腕を九十度ひん曲げていた

コイツが言うには霊夢は太陽の畑に行ったと言った

つまりあの戦いの時かその後に霊夢は行った

無駄の戦いをしなければ会えたかも知れなかった

今すぐコイツの〇〇〇に刀突き立て子供産めなくしてやろうかと考えたが

やっぱり苦痛を与えるなら拷問の方がいいよね?

刀の峰を構えるながら聞く

 

お前はそれを承知の上で?

 

「ええ、そうで…イッタアアアアア!?」

 

峰で背中をぶっ叩きながら言う

 

お前…!今すぐ…!天狗達の前…で!アラレもない姿を…!晒されたい…か!?

 

「や、やめえてええええええええ!?」

 

50回程叩いていると何とか気が収まった

ともかく勘定はコイツに任せてさっさと行こう

置いていた花を持つと太陽の畑へと飛んでゆく

気が収まったとは言えムカムカとした気持ちは収まらなかった

誰か、自分と渡り合える強者はいないのだろうか。

 

 

 

 

 

 

「…あれ?ちょっと!?勘定は私が全部!?ええ!?」

 

 

 

しばらく…というか1時間くらいでようやく着いた。

やはり文の提案に乗るべきでは無かった。

しかし、そのイライラが無くなるほどこの景色は凄い

向日葵が絨毯の如く広範囲に広がっているのだ

所々違う花も咲いているがそれでもだ。

貴方は降り立つと近くの向日葵を見た…綺麗だ

この景色に見蕩れていたからか後ろから来る気配に気づかなかった

 

「あら?ここに人間が来るなんて、さっきぶりだわ」

 

…!?

 

貴方は思わず刀を右手で引き抜く

しかし緑髪のソイツは少しを手元の花を見ると目を細めた

 

「…霊夢のあれくらいどうって事無いわ」

 

…どうして分かった

 

「私は花と会話が出来る…といえば満足かしら…せん

 

コイツは貴方の事を知っている

退治屋の中でもあの天狗が異変解決者として新聞をばら撒くからか

自分が知れ渡っているというのはどこかむず痒い

花から聞いたとすれば何しに来たかも知っている

 

「礼なんて要らないわ…まぁ、受け取って置くけど」

 

と、何処からともなくツルが生えて花を何処かに攫う

風見幽香の能力は花を操る程度の能力…さしずめツルの花を操ったところか

ところでどうして花を攫ったのだろうか

まるでそれが戦うのに邪魔だと言わんばかりに

 

「貴方の事はよく知っている…博麗の影、博麗の裏の顔」

 

そういうこと…か

 

「全力で戦えるのは…ふふ、ゾクゾクしてきたわ」

 

仕方ない…な。こちらもゾクゾクしてきてしまった

 

「どうやら私たち…」

 

『…似た者同士』

 

幽香は傘を構え、貴方は2振りの刀を構える

両者とも歪な笑顔をしていた

 

 

 

 

 

 

久しぶりの殺し合いだ。楽しもうか






さぁ、ゲームを始めよう


滲んでいるのは貴方の名前です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。