貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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ガルチェロの幻想入り書きたいなぁ




おろろろろろろろろろろ …

 

「…なんかせん。すまん」

 

思い切り、腹の中の物を全て吐き出さんばかりに吐く

原因は無論の事というか確実に酒である

頭がギンギンっに痛い

二日酔いとかがマシに思えるくらいに

勇儀が背中をさすっているのでもっとマシだ

今いるのはあの街から少し出たところである

街中で吐く程貴方の道徳心は薄れていない

 

「とりあえず水でも貰うか…地霊殿行こう」

 

…分かった、うぷ

 

それを言うのが精一杯だった

常に食道になにかが登ろうとしているのだ。

腹の中でぐちゃぐちゃになった酒がグルグルしている

本当に胃の中でチャプンチャプンと音を立てているのだ

タンクいっぱいの水を飲み干した気分だ…つまり最悪だ

歩こうとしたらフラフラとなってろくに歩けない

 

「私が担ごうか、ほら」

 

よろしく…

 

なんとか勇儀の背中に上がると周りの視界が移動する

このスピード感、最悪である

しかし揺れが少ない(無い訳では無い)ので吐き気は少ない

ともかく今は本当に最悪な気分だ

例えれば朝起きて歩いたらタンスの角に小指をぶつけ外に出て歩きスマホをしていたら電柱にぶつかって

さらに学校に来たかと思えば男と女が出会い頭していたり授業で朗読していたら盛大に噛んで恋人に会いに行こうとしたら元々カレと元カレが喧嘩していて何故か巻き込まれたり

そしてようやく放課後になり帰ろうとしたら彼女が浮気していたり

下校途中にガキやらヤクザに絡まれたり

いきなり頭に卵が降ってきたり

何故かホームランのボールがヘッドショットしたり

公衆電話で電話をかけようとしたら少女の声が聞こえたり

間違えたと認識したらなぞなぞしてきたり

間違えたと言って切って親に電話をかけて公衆電話から出ようとしたら後ろに緑髪の幼女がいて…

でその後勝手に気に入られて同棲されていたり

まぁ恋人がクズだと分かったので良かったけど…

ともかく気分は最悪である

上記のような例えが伝わればいいと貴方は思った

そして気づく頃には目の前に建物が見えてきた

 

「よー!さとり!こいつだ」

 

「勇儀…開けるならノックくらいしてください。別に良い訳がないでしょう」

 

…覚妖怪

 

「えぇ、そうです私がそれです…ともかく預かります」

 

「頼むよ」

 

「水はお燐に任せるとして…ともかく横になっては?」

 

 

「部屋には私が連れていきましょう」

 

貴方がなにか言う前に答えられた

会話が楽で助かる…そういえば彼女は

 

「私は古明地さとり。さとりで結構です」

 

さとりは大きな扉を開けると中に入っていった

貴方は腹を抑えながらついて行った

入った先はエントランスだった

紅魔館に似たような感じのそれだ

違うところは目に優しいのと照明が地面に埋め込んである色とりどりの石と電気だけだ

たしか妖怪の山の近くになんとかセンターってのがあったような…

それにしても動物が多いな

白いドットの犬や猫、それにニホンオオカミ(!?)とライオン

それだけでなく名前の知らない動物が多い

エントランスでこれだとそれ専用の部屋となるともっとだろう

いうてしまえば沢山だ…

 

「こちらへ…あとこれを」

 

…助かる

 

さとりが手渡してきた水を受け取ると腹に流し込む

腹の中でグルグルしていた汚物が浄化された気がした

ちゃんと消化しきれていないと思うけど。

一応1人で歩けるくらいには回復したので何とか階段を登る

赤いカーペットが敷かれているのは紅魔館と同じだ

しかし雰囲気はこう…もの悲しいというか…

 

 

 

似ている…というか…

 

 

 

 

 

物思いに耽っていながらさとりについていくと突然止まった

いや、止まったのではなく誰かにぶつかったのだ

視線を下ろしてみるとそこに緑髪の少女が居た

こちらをマジマジと見て止めない

どこかで見たような服装と顔をしているような

外の世界で同棲していた幼女に似ている気がする

貴方はチラリと見たあとその子の横を通ってさとりについていく

その子はいつの間にか貴方の袖を握って、離さなかった

 

「ここです」

 

さとりが部屋の前で止まった

貴方は用があれば呼ぶと心の中で言った

 

「わかりました…なにかあれば」

 

そういうと背を向けて…貴方は部屋の中に入った

中は普通の部屋だ、これと言って特徴的なものは無い

普通のベッドに机と椅子、明かりは既に点いていた

ウエストバッグとナイフの入ったホルスターを置いた

そしてベッドに腰掛けると隣の存在に問いかける

 

…誰だ、お前は

 

「わたしー?」

 

見てみると先程の緑髪の子が袖を弄っていた

そいつの顔を近くで見て、ようやく気づいた

外の世界で同棲を勝手にしていた

 

古明地、こいし

 

「そうだよ、私はここの生まれなの」

 

勝手に外の世界出て何も言われなかったのかよ

 

「地上で放浪していると思われているの…多分」

 

曖昧な…

 

貴方は無意識にナイフに手を伸ばしていた、確かこいしの能力は『無意識を操る程度の能力』だったはず

何をいつされるか分からない

人がそこらの小石を気にしないように、貴方も彼女を気にしない…事は出来ない

あの時…こいつの気分で殺されそうな身としては、だ

そんなに警戒していてもいつの間にか頭から抜けるのが厄介だ

貴方は下に向けていた視線をこいしに向けた

 

 

 

 

 

 

 

貴方は押し倒されていた

刹那の出来事だった…それこそ間髪を容れずという言葉の通りに。

顔を上げるとお腹の辺りにこいしが居た、「んふふー」と笑っている

何故こんな事をするのだろうか

困惑していると扉が開いてさとりが入ってきた

 

「どうして、という顔をしていますね」

 

「簡単です…少し思い出して貰うだけです」

 

「安心して!私が無意識にして、記憶に残らないようにするから!」

 

それと同時にさとりから伸びるサードアイが光ったかと思うと、貴方の意識は闇へ沈んでいった。

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