貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
「危ない!」
霊夢が警告する
そいつは手を上げて…
貴方は一瞬で振り返り、そいつの上げた腕を逆手に取り
そのまま背負い投げの要領で投げる
狭い洞窟だったせいかそいつは洞窟の壁にビターンした
見て嘆息するような見事な大の字である…あ、落ちた
「どうして…私が…挨拶しようとしただけなのに…」
「…可哀想な奴だぜ」
何か呟いている土蜘蛛
魔理沙は合掌するとこちらを見た
その抗議するような視線を貴方と霊夢は無視した
ともかくこいつから何か有用な情報を得なければ
「ヤマメー何処に…」
上から声が降ってきた、と同時になにかが来る
貴方は煩わしい様子でSOCOMを向けて3回引き金を引く
ゴトン!という音ともになにかが落ちてくる
それは桶だった、緑色の頭が出ている
「今度は釣瓶落としねぇ…本当に忌み嫌われた者達がいるのね」
「…あの、これはどういう…ちょっと引っ張らないで…!」
中から白い着流しを着た幼い女が出てくる
貴方は無理やり引きずり出すと拘束し、ナイフを喉に当てる
「ひゃ…ひゃあ…!」
今から言うことに素直に答えてくれれば命は保証する
「もし、答えなかったら…?」
貴方はナイフで頭の上に星を回している土蜘蛛を指す
お前の喉を掻っ切った後あいつもだ、妖怪なら再生するだろう?
「わかった…!分かったから…!」
魔理沙と霊夢はやり過ぎじゃね?という視線を向けていた
無論のこと貴方はこれに意識を向けすぎて気づいてない
2人の照らすライトの光をナイフが反射する
その反射光がさらに少女の怯えを大きくしていく
ここで何をしている?
「自殺者とか…落ちてきたのを食べたり…」
妖怪は人間を食べる
それはこいつらが生きる上で必要な事である
自分達が肉や魚を食べて生きていくように、だ
これが人間と妖怪の共存を望む者にとって1番の邪魔物だ
人の心を食べる者と人を食べる者
前者はそこまで危険では無い。精々驚かせてくるくらいだから
後者は大問題である。
いくら殺人鬼が丸くなっても受け付けられない様に人食い妖怪は受け入れられないのだ
いくら綺麗でも中身は…
地底には何が居る?
「ここには…鬼とか…忌み嫌われた者達が静かに住んでいる…」
そうか
そう言うと貴方は少女を解放した
そしてSOCOMを突きつけながら聞く
お前は?
「私は…キスメ。釣瓶落とし。そいつは黒谷ヤマメ」
貴方は銃口を下げるとヤマメに近づく
ヤマメは未だに星を六個尻尾を追う犬の様に回していた
近くにしゃがみ、肩を叩く
起きろ
「うん…」
どうやら壁ビターンが相当効いたらしい
星が無くならないどころか増えている
逸話では星の数だけいい夢を見られるらしい
ならばこいつはいい夢を見られているだろうと貴方は思った
貴方はヤマメを抱えると顎で洞窟の先を指す
地霊殿まで案内しろ
「分かった…」
キスメはビクビクしながら先導した
貴方は振り向いて霊夢と魔理沙に付いてくるようにサインする
それまで八卦炉を弄っていた魔理沙が気づき走ってきた
霊夢は最初からこちらを見ていたらしい…何処か不満な顔をしている
そんな事はどうでもいい
そう言えば最近寺子屋の臨時教授をやることになった
1回フランを寺子屋に行かせた時慧音先生が休みだったからやったのだが
これが生徒たち結構好評だった
「先生の歴史面白い!」「短くてわかりやすい」「簡潔で良い」
等だった
ともかく慧音先生が休みの時にやっているのだが…
最近妙に先生が休むんだ
なんでも毎回部屋の墨が倒されてその片付けが忙しいらしい
ポルターガイストでも居るのか!?と叫んでおられた
毎回生徒たちが上手くいったね!と言っているがどういう事だろうか
要ハサミだ
そんな事はどうでもいい。どうでもいいと言っているだろう!
「…ねえ」
どうした
急にキスメが話しかけてきた
彼女は前を見て歩きながら聞いてきた
「どうしてここに来たの」
仕事だ
「その仕事ってなんなの?」
人間に害をなす妖怪を懲らしめに来たのさ
「そうなの…」
それきりキスメは何も言わなくなった
聞こえてくるのは重低音、各個の息遣い、いびき、歩を進める音。
そしていびき、いびき、いびき…
「うるさい!」
「ぎゃあ!?」
遂に霊夢がキレた
大幣を振りかぶってヤマメのケツに叩きつけた
その衝撃が余程凄まじかったのか彼女は起きた
確認した後投げた
そぉい
「へ?…ブベラッ!?」
顔面から思い切り凸凹のある洞窟の地面に叩きつけられた
その時の姿と言えばマヌケその物である
まるで魔理沙が着地に失敗して博麗神社の目の前で醜態をさらしたような…
ように見えている。
「もうこいつほっといて行こうぜ」
せやな
「右に同じく」
3人はヤマメを置いて進み出す…
「待て待て待て待て待て待て!」
が、思い切りヤマメが跳ね上がって土下座した
足をきっちり合わせた、従来の土下座だ
「私なら!案内できるから!そこのとは違うから!」
「誰がそこのよ!?」
おう分かった騙したら生きて帰れると思うな
「まかせんさい!」
それにしてもこの土蜘蛛。何処かおばさんのような口調だな
長く生きているとこんなにも違和感があるのか?
いや、それなら紫は(この言葉はスキマ送りにされました)
なぁ
「どうした?紫の年齢の事か?」
それもあるが…口調が(削除)
「ん?」
「貴方規制かかっているわよ」
バカヤローあいつの年齢は(スキマ送り)
「(スキマ送りにされました)」
「口パクしか出来ないけど伝わるわね、これ」
「(スキマ送りにされました)」
「(スキマ送りにされました)」
「(スキマ送りにされました)」
「貴方達…」
まだだ!まだ終わってないっ!