貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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妬ま

某スキマ妖怪の年齢について議論していたら拳骨を落とされた

振り返ってみてもそこには誰もいなかった…霊夢や魔理沙も同じ被害に会ったそうだ

こんなことができるやつなんて限られるな

一体どこのスキーマの仕業なのだろうか

 

「こっちだよ」

 

ヤマメが指さした方向には薄い明かりが見えた

この先に異変の首謀者がいるのだろうか

なんだろうか、今回の異変はすごく嫌な予感がする

 

「私、帰る」

 

「また後でね、キスメ」

 

「また後で会えるのか?お前は」

 

無理そう

 

「右に同じく」

 

彼女が変なことをしようとしたら“また“は無い

洞窟を抜けると上下にすごく広く横にも広い空間に出た

真っ暗ではなく薄明かりが天井から照らしている

真ん中に大きな赤い橋があった

その下にからは水の流れる音が聞こえる

ここから落ちても死ぬことは無いだろうが…

 

「この先に地底の街が?」

 

「うん、今は旧都って言われているけど」

 

人が住んでいるのにか?

 

「ここは元地獄なの」

 

「そういうことかぜ」

 

その町まで案内しろ

 

「はいはい…そうせかしさんな」

 

最近の若者は…と言いながらヤマメは歩いた

 

「そうそう」

 

赤い橋の目の前に来た時ヤマメが振り返った

貴方は質問する

 

どうした

 

「この先少し面倒なのがいるけど気にしないでね」

 

「どんな奴なの?」

 

「会話が面倒」

 

意味がわからない

 

会話が面倒って文字通りなのだろうか

もしかしていつもハイテンションなのだろうか

脳裏に想像が浮かぶ

 

 

 

 

「YO!私の名前は〇〇!ここで橋を守っているZE☆

 ここを通りたいなら私と一緒にラップバトルゥ!

 もし勝ったら私は退くぅ、負けたらお前が退くぅ

 今の気持ちは最高潮!歓喜の頂きDA☆YEAH!

 そこでぼーっとしてないで来いYO!!

 さぁやろうZE☆」

 

 

 

 

「絶対無いと思うわ」

 

「同じくだぜ」

 

「そこまで…じゃないかもなぁ」

 

そうかぁ…

 

外から流れてきた本にあったパリピを想像してみた

なんでも騒ぎまくる若者の事を言うらしいのだがそれだと宴会の時は全員パリピなのだろうか

いや、ほぼ皆がその若者の年齢を超えているだろう

自分は酒は静かに飲むのが1番だと思う

 

 

…飲まされるのは例外だ

 

 

 

「まぁ、いいさ。おーい!」

 

ヤマメは手を振った

その先には腕を組んだ黄色髪の女が居た

通せんぼ、という事だろうか?

橋にいる妖怪なんて聞いたことが無い

 

よう

 

貴方は挨拶をした。妖怪で有ろうと人語が話せるなら言うべき礼儀である

それに対してその女は

 

 

 

 

 

 

 

「律儀に挨拶なんて、妬ましい」

 

は?

 

地下住人記念すべき3人目の第一声がこれである

どうやら妖怪に礼儀なんて無かったらしい

貴方は刀の持ち手に手を掛ける

 

が、霊夢が手を貴方の腕にそっと置いた

その瞳を見てみると「やめとけ」という思いが聞こえた

そして手を離すと1歩前に出る

 

「橋姫かしら?本当に嫉妬深いわね」

 

「よく知っているのね、妬ましい」

 

橋姫ねぇ…

 

元は橋の守護神みたいなものだったようだ

この橋を渡る時に女や他の神の事を話したり、名前は忘れたが歌を歌ったりすると恐ろしい目にあうらしい

ただ、今では神ということは忘れられ嫉妬だけが残ったようだ

人妖例外無く嫉妬を駆り立てる彼女は嫌われているだろう

 

「まぁいいわ、邪魔するなら容赦しないわよ」

 

「あぁ、怖い怖い。妬ましい」

 

最後要らないだろ…

 

「駄目よ、これは私の存在意義だから。妬ましい」

 

「パルも着いてくるかい?」

 

ハル?君もオタクかい?

 

「私は水橋パルシィよ」

 

名前は挨拶の後に聞くはずだったのにどうしてこうなった

いや、第一声が酷すぎたのだろう

ここまで嫉妬深い奴は初めて見たものだ

 

「それで?着いてくるのかしら?」

 

「暇だし行くわ」

 

守護神の性格は吹っ飛んだようだ…もう嫉妬神でいいんじゃない?

貴方はそう思いながら念の為に刀に手を掛ける

不意打ちには慣れているが無傷では済まない

 

「さぁて行こうかね」

 

「私、空気だな」

 

貴方達は赤い橋を渡り終えるとその光景を見た

 

「こいつは…すげぇな」

 

魔理沙が言葉を発したのも無理はない

そこには大きな都市が鎮座していた

旧地獄というだけあってかなり大きな場所だった

そこには跡地に建てられた様々な建物があった

燃えない様にする為か木造は意外と少ない

ただ、そこに居る鬼達の声が聞こえそうな都市だった

特筆すべきなのは数箇所から湧き上がる白い煙だろう

あそこにはおそらく温泉が湧いている

 

「帰るかい?」

 

ヤマメは最終確認をした

 

「そんな気はないわ」

 

そうだな

 

「帰る気なんてないぜ」

 

3人はそう答えた

それを見てヤマメは少し笑った

 

「そうかい、街の中に入ったらあそこを目指しな」

 

指さした方向には暗いが大きな建造物があった

 

「そこに地底の主…的存在がいるから、よろしく」

 

「ともかく行きましょうか」

 

肩を解しながら霊夢は言った

 

「パル、行くよー」

 

「はいはい、妬ましい」

 

2人はそう言うと都市に飛んでいってしまった

さて、今からあそこに行く訳だが大丈夫だろうか

なんだか嫌な予感しかしない

 

「鬼に合わなければいいな、私達じゃ死んでしまうかもしれないぜ」

 

「そうね、まぁよっぽどの事がない限り合わないわ」

 

空を飛んで行こう

 

「行くぜー!」

 

「あ…早いわねぇ」

 

全くだ

 

魔理沙に続くように飛んでゆく霊夢と貴方

地上から空中の相手に弾を当てるのは難しいと言う

ただ、この幻想郷ならどうだろうか

 

 

 

ここでは非常識が常識になり、常識が非常識と化す




ボートを用意しろ
水と食料は要らん。妖怪なら我慢出来るだろう
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