貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
「先手必勝!くらえ、恋符「マスタースパーク」っ!」
「 先に負けるとも言うわね」
最早様式美と化した弾幕を張る
キラキラとしたそれは魔理沙の心の様だ
「はっ」
針をその弾幕分飛ばし、相殺、接近する
今の霊夢の思考は読める。
どうせさっさと終わらせるといういつものなのだろう
「おっと」
「ちっ」
「くらえ」
振り下ろされた大幣を避け弾幕を発射
吹き飛ぶ威力にだけ変えているので霊夢は吹き飛ぶ
気絶してくれれば時間が稼げる…が
「そうもいかない、か」
「全てが上手くいかないなんて思わないこと、親から習わなかった?」
「悪いが親とは縁を切っているんでな、ハハ」
思わず失笑してしまう
あの出来事はあまり思い出したくは無い
でも、両親はまだ自分に優しくしてくれる
人里がもう少し保守を捨てたら、勘当なんてしなかったのだろうか
それはどうでもいい
今は目の前に集中しよう
自分に託された物の意味を忘れる訳にはいかない
左に回り込みながら弾幕を放つ
星々が絡み合い、散る
散った弾幕にも勿論攻撃判定はある
しかしそれを容易く避けるのが博麗霊夢
「流石博麗の巫女と言ったところか…負けてられないな!」
「来なさいよ、私は早くせんのところに…」
「そう、急くなよ、お前」
そうして魔理沙は弾幕を止めずに懐から1枚の紙を取り出す
「こいつはパクリじゃ無い、オマージュだッ」
一瞬弾幕を止める
「証拠に威力が本家より強いぜ?
恋符「ノンディクショナルレーザー」!」
魔理沙を囲うように5色のレーザーが発生、回転していく
その隙間に入り込む霊夢に魔理沙は弾幕を加える
「いやらしい弾幕ね」
「お?なんの事だ?」
「徐々にレーザーに寄せる弾幕…好きじゃないけど嫌いだわ」
「えぇ…そりゃないぜ」
少し残念そうにいうが、それに反してレーザーの光と弾幕は濃くなっていく
気に入られなかったのが嫌だったのか?知らんけど
「そこ、夢想封印・瞬」
「ぐわっ!?」
早い
虹色の大きな弾幕が発生したのまでは見えた
だが、それから向かって来るのは見えなかった
「厄介な…!」
「降参したら?危害は加えないわ」
「悪いがこちらにも引けない理由はあるんでね…!」
スペルカードを持った手のひらを返し、唱える
「魔符・スターダストレヴァリエ」
弾幕を展開する七つの、七色の弾幕が開く
霊夢は外側に居ると危険だと判断したのか内側に接近する
内側では七つの弾幕が花弁の様に広がっていた
「やられっぱなしは嫌いだわ」
スペルカードを掲げる
「夢符・封魔陣」
赤の弾幕と同じく赤の弾幕が発生する
大幣を魔理沙に向ける
赤と七色の弾幕がぶつかり合う
先に消えたのは七色の弾幕だった
「ちっ、蹴散らすか!」
二倍はいつだって強い
「彗星・ブレイジングスター!」
彗星の如く弾幕を撒き散らして突撃する
「彗星じゃなくて桜花がお似合いよ、魔理沙」
するりと横に避ける霊夢
おまけの弾幕もしっかり躱していく
「私は星が好きなんでな」
「そう?夜空が好きなのかしら」
「それじゃ夜空でも見てな」
ブレーキを掛けて止まるとそのまま足を振る
ガキんと足に衝撃が走った
見れば霊夢が大幣で攻撃を防いでいる
「やるな、だが終わった訳じゃないっ」
「上等よ」
「魔十字・グランドクロス」
「おい」
光の点が展開される
黄色の弾幕をまたおまけとして数十個配置する
「くっ」
刹那霊夢の腹に光の針が刺さる
光の点が十字に変わっていた、その先端が腹を貫いたのだ
「油断したわ、なかなかやるわね」
「お前とどれだけ異変解決したと思っているんだ、ん?」
「さぁ?星の数よりは少ないでしょうね」
魔理沙は苦笑する
「あんなに異変は怒って欲しくないな、はは」
霊夢は一旦弾幕を展開しながら下がる
それを丁寧に避けながら霊夢に魔理沙は近づいていく
「夢符・二重結界」
それを拒むように札が展開される
霊夢の周りに紫色の四角形が二重に生成される
スペルカードの通り結界だ
「くそ、近づけない!」
結界なので破壊するかブレイクするまで耐えるしかない
破壊するには火力が必要、なら…
「これは弾幕ごっこじゃないからな!恋符・マスタースパーク!」
ビームを発射する
これは殺し合いだ
ごっこではない
だから禁じ手だって使っていいのだ
光りすぎて最早白色に変わったビームが結界を破壊する
魔理沙のその行動にやっと気づいたらしい
「そうだったわね、これは殺し合いだったわ」
「降参したらどうだ?」
「いやよ、無想転生」
霊夢から陰陽玉が霊夢を囲うように6個出現
衛星の様に回り始めたかと思いきや今度は霊夢の姿がブレる
「ちっ、使いやがったか!」
「どうせこうなる事はわかっていたでしょうに」
「はっ、その前に倒すつもりだったさ」
魔理沙は構えた
今から霊夢は無敵状態になる
空を飛ぶ、だけじゃ無いのだ
彼女はこの世から浮いた
「ぬおおお!」
陰陽玉から発射される無数の弾幕
先程からグレイズしか出来ないこの状況
しかもその1つ1つに殺傷能力がある
もし気を抜けば、死ぬ
「手加減くらいっしろっ!」
魔理沙は叫ぶがそれに対しての反応は無い
霊夢は目を瞑り、宙に浮いている
髪や服はそれぞれがヒラヒラと舞っている
今は目の前の障害を退けることしか考えてえないのだろう
「霊夢がその気ならこっちだって!」
やるしかない
このまま避け続けているといつか落ちる
一か八か、賭けてみるしかない
「うおおお!彗星・ブレイジングスター!」
弾幕を潰しながら進むならこれが1番だ
「いっけぇー!」
彗星の如く、光の尾を引きながら突き進む
魔理沙を包むように弾幕が生成される
それにぶつかる多数の札
ガキンガコンと凄まじい音を発していた
「ぐぎぎぎ…」
札が大量に当たって徐々に速度が無くなっていく
…魔理沙は、無くなる前に、霊夢の懐に入り込んだ
「くらえ!恋符・ファイナルスパークッ!」
失明するかと思う程の閃光
気が付けば魔理沙は地面に落ちていた
顔を上げると大きなクレーターが出来ていた
その中心には…
「へっ、これで私の勝ちだな。霊夢」
うつ伏せになった、博麗霊夢
だが、死んだ訳じゃない
ファイナルスパークといっても弾幕ごっこ用、殺傷能力は無いに等しい
だから、多分気絶しているのだろう
「弾幕はパワーだぜ!」
魔理沙は得意気に言った