貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
次は…お前だ、フラン
「よろしくね、お兄様」
フランが軽くお辞儀をする
レミリアは玉座で手当をされていた
咲夜は働き者だ、それにプロポーションもよろしい
貴方はそう思いながら柄に手を伸ばす
やる事は、分かっているな
「分かってる、始めましょう」
ふわりとフランが浮かぶ
そして彼女が最初のスペルカードを発動した
「フォーオブアカインド」
分裂か…分身?
「分身だよ」
「分身!」
「皆分身」
「寝たい」
フランが4人に増える
分身を三人作るスペルカードの様だ
どうやらそれぞれが意志を持っているらしい
つまり…別々が違うスペルカードを使う事も可能…?
貴方は首を振る
そんな事は考えていられないと
さぁ、来い
「行くよ!禁忌・レーヴァテイン!」
「行くよ行くよー?」
「きゃっきゃ!楽しくなりそう!」
「あはっ!やろうよやろう!」
炎の大剣が凄まじいスピードで回転する
熱気とオレンジ色の弾幕が散っていく
貴方はそれを避けながら分身に近づいていく
…ハッキリ言ってどれが本物か分からないけど
それを阻止する為か、分身達は弾幕を放つ
下にロールして避けたり止まって避けたりと忙しい
こちらの身はひとつなので同時に何かをする事はあまりできない
「禁弾・スターボウブレイク」
…!
フランの翼にある宝石が発光し、そこから宝石と同じ色の弾幕が放たれる
その威力が軽く消し飛ぶ事を察すると貴方は刀を構える
「…へぇ」
ふんっ
自分に向かって来る弾幕を切り消し、進む
ある弾幕は受け流し、ある弾幕は弾き飛ばす
とてつもなく力が働いていると言っても、斬るのは簡単だ
なんなら赤子の手をひねることより簡単だ
…ただ、斬れる場所に刃を置くだけ
竹がパッカーンと割れるように、筋を狙えば斬れる
「やっぱり面白い!」
「強い!」
「楽しいわ!あはっ」
「ひゃー!」
…
少し動きが止まったが、何の問題もない
貴方は分身の一人を斬る
するとそいつはパッと消えた
「わぁー!一人ヤラレチャッタ!」
「凄いすごーい!」
「きゃっきゃっ!」
一人やられたというのに楽しそうにしている
どうやらコレが純粋に楽しいらしい
ほら、まだ始まったばっかりだ
「たーのしー!」
「凄いぃ!あははっ!」
「きゃっきゃ!」
子供の様に騒ぐフランと分身達
無邪気なのがこれまた厄介だ
来い
「いっくよー!」
分身の一人が突っ込んでくる
アレは来る前に目配せをしていたので、タイマンをするつもりだ
捻れた針のような物を創り、突っ込んでくる
斬れるかは兎も角防がなくてはならない
「やぁ!」
っ…
強い
吸血鬼の純粋な力が響く
腕が一瞬動かなくなっていた
獲物を持ち直し、斬る
「ひゃあ!危ないなぁ」
それを後ろに動いて避ける
そこを突きで攻撃する
「うわぁ!?」
悲鳴を上げて、分身は消えていった
チリも残さずに粒子を散らして
貴方は刀に血が着いていない事を確認すると、構える
…
「いくよー?禁忌・禁じられた遊び」
フランの…多分分身からパパパと弾幕が飛び散る
そして7個ほどの光る物体が飛んでいき、各々の場所で制止する
そこから十字のバーナーが発射される
…厄介な
絶妙な位置に配置されている為避けにくい
それに飛び散っている弾幕も絶妙にウザイ
まぁ良けれない訳ではないので、やろうか
…
「んんーいい動きねぇ」
左ロール、右ロール
回避行動を続けざまに発動していく
今貴方は
いや、これは
何の不思議な事でも無く、供述するまでもなかった
貴方はそう自己解決をしてフランに近づいていく
そして、射程圏内に彼女が入った
喰らえ
「ああっ!」
しまった、という表情をして分身は消えた
これで分身は全て消えた、つまり…
お前で、最後
「…そうだね、私で最後」
少し悲しそうな顔した、吸血鬼
彼女も、貴方の被害者だろう
といっても仕方の無い事だ
惚れ、というものは誰にだってあるのだから
「…これが、最後のカード」
…お前の全力を見せてみろ
刀を空中で低く構え、攻撃に備える
彼女はカードを掲げて宣言する
「…閉じゆくシュワルツシルト半径」
フランの背後に黒い丸が生まれる
それが徐々に大きくなって行く
…!
最初は疑惑だった
自分の髪が風に煽られているなと
しかし…
ここは室内、何故風が吹くのだろうか
そう思った時に、気づいたのだ
徐々に大きくなっているそれがブラックホールだと
貴方は地面に降りていく
何処からか生成された弾幕がブラックホールに吸い込まれていく
吸い込まれれば…
どうなるか…分からない
地面に着地、刀を一本突き刺して柄を持つ
その頃には体が浮くほどの吸引力を発揮していた
ぐぐぐ…
「早くしないと腕がもげちゃうよ…」
貴方は思考していた
刀で弾幕…ダイソンに吸われる
一か八かの攻撃…避けられてダイソン
降参…可愛い嫁の出来上がり
まてこら最後の選択肢要らぬわ
貴方はそう思い、別の事を考える
「早く降参して!苦しむ姿は見たくないの!」
…?
頭の斜め上後ろ辺りで何かの音がした
振り返ると青のワープホールぎあった
そして…そこからSOCOMが出てきていた
貴方は手を伸ばす
そして、その手のひらに…
SOCOMが、着地して
終わりだ
フランの胸に正確に4回、引き金を引いたのであった
「…私の、負けか」
フランはぐったりと座っていた
貴方はSOCOMをホルスターに戻す
…残念だったな
「…そうだね」
貴方は手を伸ばす
だがな、お前を嫌いになった訳じゃない
「…ありが、とう」
ポロリと涙が落ちる
それはやがて決壊をおこし、洪水を呼んだ―