貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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楽園の素敵な巫女―博麗霊夢―

最初の攻撃は貴方

刀を構え、霊夢に向かって飛びかかる

 

「はあっ」

 

それを大幣で防御する

彼女の霊力がみなぎっているのを、幻視した

右の刀を上から振り下ろし、左から刀を振る

流石に防げないと感じたのか後ろに避ける

そこに蹴りをいれるが、さらに避けられる

 

「…」

 

 …

 

双方、無言だ

当たり前だろう、言葉なんて発せない

疲れている訳では無い

むしろ高揚していて、疲れが吹っ飛んでいる

 

「はっ」

 

 せいっ

 

小競り合い

弾幕を交えて近接戦をこなす

刀で攻撃していると、陰陽玉から弾幕が放たれる

それを斬るのは簡単な事だ

 

だが、霊夢が厄介だったのだ

 

見てわかる通り、既知の攻撃が通じない

 

だが、時たま通る攻撃がある

まちまちすぎて分からないが、やるしかない

 

「封魔陣」

 

 っ…

 

目の前を覆い尽くす光

地面なら光の柱が立っていた

霊夢のスペルカードだ

 

それを切り裂いて攻撃する

 

「…」

 

体を捻り、それを回避すると大幣を振るう

それを蹴飛ばしさらに攻撃を加える

 

「危ないわね」

 

 いつもの事だ

 

そう、これはいつもの事だ

ここでの仕事での、日常茶飯事

何度も見た光景だ

 

「さ、行くわよ」

 

 来い

 

攻守交替

今度は霊夢が攻める

陰陽玉を援護として使い、攻めてくる

手を捻り弾幕を生成する

それらを斬るか避けるかしていなす

 

「流石」

 

 言う程

 

そういう事だった

これくらいできて当たり前だ

 

「まだまだ」

 

大幣を刀の鍔に当てる

それに意味は無いように思う

 

 …あっつ!?

 

驚いた熱が流し込まれていた

 

「貴方が使う熱の術よ」

 

 そこまで使った覚えは無いが

 

反動で短刀を落とす

刀に両手を添える

 

 いざ

 

横からの斬撃

それは意図も容易く大幣を斬る

そんなに驚くことも無く、刀を霊夢は殴る

余りの強さに刀を落とす

 

「肉弾戦よ」

 

 いいね

 

拳を握る

もはや空を飛ぶという事はしなかった

簡単な事だ、"卑怯だから"だ

今あるのはわかりやすく言えば男の友情だ

それを貴方と霊夢に当てはめただけだ

 

右手をしならせるように殴る

それを左手で防ぎ、下からアッパーをかます

後ろに避け、追撃よ蹴りを蹴りで相殺する

 

「中々」

 

 得意じゃないだろう?

 

左手で真っ直ぐにパンチ

右足で腹を蹴る

 

霊夢は少し顔を苦痛で歪ませたあと、同じ技で攻撃する

小鳥の囀りは止まることが無かった

戦闘中、一定のリズムで鳴る

 

「はっ!」

 

 ぐばっ

 

思い切り顔面に蹴りを頂く

受身をとり、態勢を立て直す

 

横腹に蹴りを入れる

それを右手で撃ち落とし、追撃する

激痛が走る、呻き声を漏らす

 

だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、思い切り霊夢の胸に拳を入れていた

 

倒れる楽園の巫女

 

貴方は思わず手を差し伸べていた

 

それに構わず、彼女は仰向けに倒れていた

 

 

 

「…やっぱり、勝てないか」

 

私は諦めた声で言う

最初から、兄に勝てる訳がなかった

 

幻想郷最強には弾幕最強は勝てなかった

 

彼は私の横に膝立ちになっていた

 

 …諦める気になったか

 

なれなかった、とは言えなかった

どうしても言いたくなかった

諦めた、なんて言いたくなかった

だから私は無言を使った

 

 …そうか

 

彼は私の体に手を回す

 

あぁ、安心する

気持ちいい、ずっとこのままでいたい

でも、もう無理なんだろう

 

 …霊夢

 

そんな私の絶望を打ち砕くように彼は言う

 

 好きだ、昔も、これからも

 

「…いいの?」

 

私は聞く

本当に、いいのか

私の様な女が一緒でいいのか

 

それに対して、貴方は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大好き

 

 

 

いいよ、の代わりにこの言葉で答えた

私の見ているものがブレる

 

いや、違う…これは涙だ

 

「あ…あぁ」

 

 好きだよ、ずっと

 

「…私も!大好き!」

 

思い切り彼を抱きしめる

その心は、とても暖かった

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