貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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博麗神社

貴方は暖かい布団の中にいた

チュンチュンという鳥のさえずりで目覚める

ぬくぬくとして暖かい、今は冬では無かったと思う

貴方が起き上がろうとすると何かがそれを止めた。

誰かが腕を抱きしめている…?

貴方はペラリと布団をめくった

 

…巫女装束に身を包んだ女性がいる

貴方はその顔を見て、彼女が博麗霊夢と思った

自分は霊夢と一緒に仕事していたような

頭がモヤモヤとして、何も分からない。

貴方は水を浴びようと霊夢にバレないように

そっと腕を引いた。

 

「…ん」

 

貴方は氷を背中に当てられた様な感覚を味わった。

ぼんやりとした貴方の前で霊夢は起き上がる

そして、こう言う

 

「あら、おはよう。よく眠れた?」

 

貴方は途切れ途切れに返答しながら立った

すると、それに合わせるように霊夢も立つ。

貴方が困惑していると、霊夢が顔を寄せる

「どうしたの?」

彼女の息がかかる程近い

貴方は自分の顔を見ることは出来ないが、多分

真っ赤になっているのだろう

そんな貴方に霊夢は言う

 

「何か言えないことがあるの?」

 

うん?と貴方はなった。

何がどうなって何か言えないことになるのか

霊夢の頭がブラックボックスしていると

貴方が考えている間にズイと霊夢が顔を寄せる。

 

「他の女の事かしら…?」

 

その目は文と同じ…

貴方はガクガクと震えていた

ガクンと視界が揺れる

手は押さえつけられ、霊夢に乗られている。

どうやら押し倒されたらしい

モゾモゾと体を動かす貴方に霊夢は顔を寄せる

 

「次、考えたら…ね?」

 

鳥肌が立つような、同じ人間の筈なのに

 

妖怪と同じ誘惑の声が、貴方の脳内に響く

 

耳の穴から入り、鼓膜を通って頭の中へ

 

こんな声を聞いていたら、狂ってしまいそう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

それを阻む様に貴方のお腹と、霊夢のお腹から

何とも言えない気の抜けた音がでる

そういえば貴方は川流れをしてから1回も

食事をした覚えが無い。

それを改めて認識すると、更に気の抜けた音が響く

霊夢が何とも筆舌に尽くし難い顔でこちらを見ている

霊夢は溜息をつくと、貴方から降りる

 

「あなた、食事してないのかしら。仕方ないわね

私が作ってあげる。」

 

そう言うと霊夢は障子を開けて行ってしまった

霊夢に食事をしていないなんて言ってもない。

貴方はこれが博麗の巫女の勘かと思った

貴方は起き上がると、霊夢が進んだ方向に進む

外では桜と思われる木が生えている。

貴方は園側に座るとよく観察した

外の世界でよく見る桜とは違うらしい

外の桜よりも大きく、立派だ。

開花したらさぞかし美しいのだろう

そうやって考察する貴方に声がかかる

 

「出来たわよ。早く来なさい」

 

振り返ると、エプロン姿の霊夢が居た。

貴方は巫女装束の上に着ていいのか、と

考えてしまったが、ここは幻想郷。

常識に囚われてはいけないのだ

が、霊夢は貴方の考えていた事を理解したらしく

 

「別に良いじゃない。」

 

と手で誘いながら言ってきた。

貴方は立ち上がると誘いにのる

食卓を見ると、いかにも和食という物があった

湯気をたてる味噌汁と白米に、

お焦げが付いた美味しそうな銀鮭。

鮭に関しては誰かから頂いたのだろう

この巫女は守銭奴だ。

貴方はじょじょに彼女との思い出がでる

 

「何してんのよ。手を合わせて、ほら」

 

が、霊夢に邪魔される。

貴方は手を合わせると、言う。

日本人が食事をする前に言うその言葉を

 

『いただきます。』

 

箸でご飯を挟むと、口に運ぶ。

口の中でホクホクとした米の美味しさが、伝わり

貴方は頬を綻ばす。

霊夢も美味しそうにご飯等を食べている。

貴方は味噌汁、鮭、ご飯と順番に食べていく

貴方は久々の食事に嬉しさを隠せていなかった

気分が高揚していた。

だから気づかなかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歪んだ目で、ウットリと貴方を見る霊夢に

 

 




霊夢が料理下手といつから勘違いしていた?()
最近モチベがよろしく無いので
期間が開きそう

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