貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
昔、ある所に博麗の巫女という女性が居ました
彼女は外の世界から来た男と恋仲になりました
幻想郷の番人である彼女はそれを心の奥にしまいます
ですが、会う度に大きくなる恋心
ついに耐えきれずに彼を無理やり犯してしまいます
愛を囁きながら、彼の顔に自身の顔を近づけます
彼はどこか悟った顔をして、それを受け入れました
彼女は妖怪の賢者と話し合い、式を上げます
昔からの友人や、妖怪
皆が彼女達を祝ってくれました
そして、ある日ついに彼女は子供を産みます
それは奇跡的な事に双子でした
今代の博麗の巫女は一人っ子でした
彼と彼女は我が子に付ける名前を考えます
男の子と女の子、とても悩みます
そして何日も経ったある日、彼は思いつきました
彼は仕事を終わらせて神社に急いで帰ります
「こんな名前はどうだい?」
それは男の子の名前だった
彼女は少し驚いた顔をします
「女の子名前はこんなのでどうかしら」
何と女の子の方の名前を思いついていたのです
そして、彼女と彼はこう名付けられます
博麗霊夢と博麗せん…と
〇
あれから何日も経ちました
2人はすくすくと成長していきます
「大きくなった」
彼はにこやかにそういいます
「…そうね」
少し複雑な顔をした彼女
それもそのはず、彼にとって望まれた子では無いのですから
それを感じ取ったのか、彼は笑います
「気にしてないよ、大丈夫」
「…貴方」
「おかーさん!」
そこにせんが声を掛けます
子供の幼い声が2人を癒します
「どうしたの?」
「あのね!今日霊夢に術で勝ったの!」
「…まけた」
霊夢は不機嫌な顔で、せんはニッコリと言います
「本当、貴方に似た笑顔ね」
「霊夢の性格も似てるよ」
「んー?」
霊夢とせんは睨み合います
「つぎはかつ」
「何時でもどうぞ!」
言葉はせんが覚えるのが早かった
博麗の術で言えば五分五分だ
だが、せんは剣術に長けていた
2人はワタワタし合う2人を見る
「…彼も」
「僕と同じようになるだろうね」
「…そうね」
博麗の刺客として、それは鍛えられる
また紫が来て二人を鍛えるというのをこの夫婦は知っていました
なんなら自分達が教えたい、でも仕事で忙しい
あの妖怪に教えるのは気が進まないようですけど
スキマ妖怪というのは十の言葉を放てば八は嘘と言われる妖怪です
彼女には妖怪としての威厳、があるのでしょう
ですが、それが逆に仇になっていると、皆思っています
噂をすればほら…
「はぁーい、呼んだかしら」
「呼んでない」
「うーわ、子供見て癒されていたのに」
思わず引く2人
妖怪は見た目によらず、物凄く歳を取っています
この妖怪の場合、何1000年を生きてきたのか
それを知っているからこそ、2人はこのような反応をするのです
「気持ち悪い、早く帰れ帰れ」
「嫌われたものですねぇ」
扇子で口を隠し、笑う紫
それは知る人にはとても気持ち悪い笑でした
「…貴方、仕事よ」
「場所は」
紫の顔が真剣になったのを見て、彼は真顔になります
「魔法の森の近く、左腕を怪我している奴よ」
「了解」
次の瞬間には彼は居なくなっていました
父親が消えたのを見て、せんは聞きます
「お父さんは?」
「お仕事よ、坊ちゃん…ぎゃ!?」
感情の無い目で紫を斬る
そこに慈悲などなかった
いや、こいつに掛ける慈悲なんてあるだろうか
「ひ、酷い」
「もっとやったら今日はご馳走よ」
「わーい!」
「いや!?ちょっと!?見えな」
甲高い音を立てて紫は散ります
これは弾幕ごっこでGAME OVERになった時の演出です
せんの実力は妖怪の賢者にまで及ぶのでしょうか
「いたーい…」
「腹立つなぁ…」
「まって、構え直さないで」
せんはイライラした顔で刀を構え直します
紫には傷1つありませんでした
それが彼にとって気に入らなかったのでしょう
言葉や術を覚えるのが早くても、心は成長していないのです
「お兄ちゃん」
「どうしたの」
「針のむしろにしようよ」
「賛成」
「え」
霊夢が眠そうな顔でとんでもない事を言います
2人の年齢は約10歳
まだまだ、慈悲の心が育っていない頃です(?)
「拘束して」
「分かった」
「ひゃ」
せんは紫を押し倒します
「これで動けないね」
「ちょっと…破廉恥よ…」
赤面する紫
「「「うわきっも」」」
「…」
撃沈する紫
その間にも体に針が刺さっていきます
「わ、ちょ…あれ」
「紫様…何をしていらっしゃるのだ…」
「尻尾、触る」
霊夢が目の色を変えて九尾の尻尾に抱きつきます
彼女の名前は八雲藍、紫の式です
「あー!ズルい!」
せんも同じように抱きつきます
「全く、困ったものだ」
「紫に?」
「どっちもだ」
「あらそう」
藍は針のむしろにされた紫を見て、ため息をつきます
当たり前でしょう、己の主人が情けない姿を晒しているのですから
「天狗辺りにばらまいて貰おうか」
「手伝いますよ…って消えましたね」
パッと瞬時に消える紫
どうやら恥をかくのは嫌だったようです
「はぁ…」
「もふー」
「もふー!」
暖かそうに顔を緩める2人
その顔は確かに幸せに染まっていました
…そう、染まっていたんだ