貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
あれから何日が経過したのか。
取り敢えず壁にある横1文字に縦線4本の数を
目測で数えただけで10以上はある
恐らくこれからもどんどん増えていくのだろう
貴方は射し込む光が月のソレである事を確認した
それにしても博麗霊夢はいやらしい性格だ
鉄格子の向こうに机があるの
そこに貴方のウエストバッグに愛刀、そして黒光りする銃
貴方は最初取りに行こうとしたが手が届きそうで届かない。
本当にいやらしい性格をしている
ここに何か書き記すか?
…いや、どうせ閉じ込められるのは貴方以外にいる筈が無いだろう。
それに眠気も凄い。
だから、貴方は祈る事しか出来なかった
これまでの道程を見て、神は何を定めるのか。
〇
「あ、ああぁ…!」
「ええ、椛、あんたのやろうとした事はよく分かるわ」
私の手があらぬ方向に曲がる
体がゴミのように投げられた
「彼を守るため、彼を逃がすのは分かるのよ」
「じゃあ…どうして!」
「逃げたら、捕まえるのが面倒だから、よ」
怠惰な彼女からおなじみのセリフが出てくる
面倒だから
常に浮いている彼女らしいセリフだった
「ぐ…」
「あんたが協力するなら、命の事を考えてあげない事もないわ」
私の頭に足を置く
既に服はボロボロだった
弓は弦が切れて、しかもバラバラに折れている
刀の置かれた机に矢を打とうとしたら襲撃された
あっという間だった、私は未熟だ、ごめんなさい
「何を…」
せめてもの時間稼ぎに問う
その答えは
「私が彼を拘束する事、異議はあるかしら?」
「…っ!」
思わず拳を握り
「あがっ!?」
手の甲に針が突き刺さった
更に逃げられないように両足にも針が刺さる
「うぐ…うぐぐう…あぅ…」
その退魔の力が込められた物に対抗出来る筈がない
私は唸るような、呻き声しか出せなかった
「協力してくれたら、触れ合うことだって許してあげる」
「彼を、出させない…気、でしょう…」
それに首を振る巫女
「彼とこの世界を見て回りたいもの、時が来れば解放するわ」
「…」
私は迷った、迷ってしまった
彼の事を思えばここで首を振りたい
だが、彼を自由に…"触れ合うこと"ができる
「…触れ合うことの、内容って…」
「あら?協力してくれるのかしら?」
「あぅ…」
何も言えなくなる
素直に内容が言われるかと言えば、ないだろう
こちらが頷くのを待っているのだ
頷かなければ、殺される
私は、私は…
「…内容を、教えてください」
恐怖と、己の欲望に勝てなかった
「彼を自由にしていいわ、でも、優しくしてあげてね?」
「ヤっていいんですか?」
「言ったでしょ?優しくしてって」
…ごめんなさい
どうか私を許してください
…貴方
〇
もう、どれだけここにいるかわからない
おりのそとからきこえるこえ
そばからかんじるといきとささやき
だいすき、だいすき、だいすき
あなたは、あなたは、あなたは
わたしのもの、わたし"たち"のもの
もうたんじゅんなことしかかんがえられない
あなたになにかがいつもおおいかぶさる
それからかんじるかいらく
あぁ、もう、うごけない
だれか、だれか、だれか
…貴方はもう、逃げられない
だから、大人しく"こう"なって?
私の、私の、大好きな
お兄ちゃん? 旦那様?
次回作かぁ…アンケートしよう!