貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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私の時間

紅魔館に亡命してから二週間

今のところ彼女達には見つかっていない

椛が時たま確認に来るくらいで、それ以外は特に、だ

襲撃の如く文と霊夢が来るが一種の脅しだろう

 

普通に暮らしている

 

フランが布団の中にいつも居て

 

みんなと笑って食事して

 

執事としてベッドメイキングして

 

夕飯の手伝いをして

 

フランと遊んで

 

大図書館で仕事して

 

ベッドで眠る

 

ちょっと前ならありえない事だった

外の世界でやっていた仕事も仕事だ

ただ、こんな仕事はやったことが無い

 

…そんな事は今関係無かった

 

そんな事よりも

 

そんな事よりも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十六夜咲夜に入れられたこの監禁部屋から脱出する

 

それだけを、考えなければ

 

 

この部屋に入れられたのはある時だった

 

 …これくらいか

 

貴方は最後のベッドメイキングを終わらせる

手で額の汗を拭き取り、部屋を出る

 

「お疲れ様」

 

咲夜がドアの前にいた

いつの間に、という驚愕があなたを襲う

 

 そちらこそ

 

反射的にその言葉が出る

大体の事をしているのは咲夜だ

それ故に貴方は彼女に敬意を表す

 

「今から寝るの?」

 

 仮眠かね

 

フランが遊びを強請るだろう

 

「…そう」

 

貴方は背筋をぐっと伸ばし、己の部屋へと向かう

 

その足が三歩目を踏み出したその時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お休み、私の」

 

 え

 

貴方は何処かの部屋に居た

長方形の部屋だ、ベッドや机等の家具が置かれてある

 

それよりも、ここは

 

「何処か?でしょう?」

 

目の前に現れる咲夜

 

 これは、どういう

 

困惑を隠しきれない

そんな表情をした貴方に咲夜は微笑む

 

「大丈夫です、妹様と遊ぶ時には出してあげます」

 

 …

 

「ええ、勿論…それ以外では出しませんけど」

 

嗤う

 

 何故

 

「貴方が好きだから、本当に好きだから…」

 

顔を赤らめてそういう咲夜

何が何か、まだ飲み込めない

 

貴方は隙を見て、部屋の状況を把握する

 

どうやら、背にしている壁にドアがあるようだ

 

「…貴方の事を、愛したい、抱きつきたい」

 

貴方は彼女が見ていない隙に扉に手をかけ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、扉は無かった

 

 んな…

 

ありえない、どうして扉が無いんだ

 

「無駄、無駄ですよ、」

 

直ぐ後ろから彼女の吐息と、声がする

 

震えで体が動かない

 

声からは怯えの呻きがたれ流される

 

「今、私から逃げようとしましたね」

 

 ち、ちが

 

「そんな貴方にお仕置をしないと」

 

首元に当たる冷たい感触

それが咲夜のナイフとわかるまでに時間はかからなかった

 

 ひ、はひぃ!

 

「まずはこうして…」

 

咲夜の持っているナイフが腕に向かう

そのまま間をおかずに刺さる、痛い

 

 あがっ!?

 

また刺される

 

 いぐっ!?

 

痛覚が悲鳴を上げる

 

 うきがぁ!?

 

何度も、何度も何度も

 

また、意識が無くなるまで、ずっとそれは続いた

 

 

 

「ねぇ!」

 

「なに?」

 

妖精メイドが、友人を呼ぶ

その友人が行くとワラワラと妖精が集まっていた

 

「あの部屋いこうよ!」

 

「禁じられた部屋?」

 

「そう!」

 

この紅魔館には開かずの扉がある

そこには主である姉妹が毎日通う他情報が全く無い

 

だからこそ、好奇心の塊である妖精が興味を寄せるのは当たり前だ

 

「この中でジャンケンに負けたのが行くの!」

 

「わーい」

 

「いぇーい」

 

妖精達が輪になって、手を出す

 

「さーいしょーはぐー」

 

拳を握る

 

「じゃーんけーんぽん!」

 

開いたり、閉じたりした

 

「あー!?」

 

「わーい!1人負け!」

 

「うわーん!」

 

そして、哀れな妖精メイドは、1人で向かった

 

「…うぅ」

 

しかも夜にである

雨が降り、時々雷も鳴る

それが怖くて仕方なかった

早く終わらせて帰ろう

 

「っと、ここかぁ…」

 

辿り着いたのは一角にある部屋

 

妖精は意を決して鍵を開ける

 

「…え?」

 

困惑

 

その部屋を開けると居たのは

 

男…ただ一人の男

 

机に座り、何かを書いているようだ

 

 …

 

彼がこちらを見る

 

「あ、えっと…」

 

 …

 

彼は何も言わずに手元に目を戻す

少し不気味だ、機械なのだろうか、この男は

よく見ると半袖と長ズボンだ

机の上にウエストバッグが置かれている

鉄の筒に横から鉄の棒が生えて木が付けられた物もある

式001の刻印が見えた

書いているものは…日記?

 

「あ、あのー…」

 

「何をしているの?」

 

「ひ、ひ!?」

 

後ろから聞こえる声

 

「め、メイド長!こ、これは!」

 

「ええ、大丈夫、全て分かってるわ」

 

「じゃ、じゃあ!」

 

その言葉を放った後には妖精の首にナイフが刺さっていた

血を散らさず、パタリと"部屋の外"に倒れる

 

バタンと扉が閉じた

 

「ただいま、貴方」

 

 おかえり、今日はどうだった?

 

「いつも通りよ」

 

コツコツと音を立てて貴方に近づく咲夜

そして後ろからぎゅうと抱きしめる

 

「じゃあ、今日もしましょう」

 

 激しいね

 

「始めるわよ?」

 

時を止めてベッドに2人で入る

そして、2人を襲う快楽

 

これが、日常だった




ヘビースモーカー君(fnf)

多分短い

100式の刻印に関しては…知らん
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