貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
「はぁ!」
2人の拳がぶつかり合う
真正面からの肉と肉のぶつかり合い
それは人間にとって直視できるものでは無い
「…」
それをレミリアは窓から眺めていた
この光景はもはや何時ものものになっている
「お兄様頑張れー!」
無邪気に応援するフラン
彼女達は2人が付き合っている事を知っている
恋愛では無い
…戦いの時に、付き合っているのだ
恋愛の感情は戦いの時のみに生まれる
「…むぅ」
それが分かっていても、モヤモヤとした感情が生まれる
まだ、彼に固執している証拠だろうか
いや、無いだろう
博麗の巫女と既に結婚している
彼は純粋な戦闘を求めていた
それと同じようなのが美鈴だった、だけだ
美鈴の蹴りが放たれる
それをしゃがみ、躱すと下から拳を振り上げる
足払いで貴方をこかしてそれを回避する
いい判断だ
後ろに回転し、立ち上がる
だが、まだ始まったばかりだ
また、構え直す
美鈴と貴方はあまり言葉を戦闘中に交わさない
全て"分かる"のだ
相手が何を思うか
どうしたら気分が高揚するか
貴方は飛び蹴りを行う
それを拳で止める
少し飛び退き、そこから攻撃を行う
「…楽しそうね」
両者の顔には歓喜が浮かび上がっていた
それもその筈だろう
殺し合いを見ているのに、スポーツを見ている気分だ
両者にはスポーツの様な一体感があったのだ
殺意は無い
単純に戦い合う、善も悪も無い戦い
「非合理的ね」
パチュリーはその意図を察し呟く
男同士の仲、では無い
異性同士版の男の友情とでも言おうか
ともかく説明がしにくいものだ
「彼も彼ねぇ、浮気かしら」
「貴方が1番しそうね」
「そんなこと…ないわ」
少し自信が無くなる
そんな間にも戦いは続いていた
…それはもう最後だったけど
貴方のパンチが顔面にめり込む
そのまま吹っ飛ばされ、土煙が上がる
貴方は煙草を咥え、ZIPPOで火を付けた
「…負けたぁ」
今回はいい動きだった
煙を吐き出す
それじゃあ、また今度な
「いつでもきなさい」
覚えておくよ
そう言うと貴方は神社へと飛ぶ
美鈴は汗を拭う
「さて、仕事の続きをしますか」
いつもとは、打って変わって仕事をし始める
どうやら気分が同じままのようだ
「毎日あれだったらいいのに」
「この幻想郷なら、あれくらいがいいわ」
殺し合いの必要ない幻想郷なら、だ
勿論無知の妖怪を追い返す為にある程度の実力は要る
彼女はその実力を持っているからこそここに居る
その光景はいつも、見るものとなっているのだ
そして、彼女はこう思うのだ
空を見上げて
晴れ渡る空に、虹が煌めいている…と
アンケートの終わりは十票溜まった時かなぁ