貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
「…」
館が揺れ、天井から埃が落ちる
レミリアは紅茶に入りそうな埃を息で飛ばす
「はあ」
この現象もいつもの物だ
慣れないといけないが、難しい
最初の方こそ驚いたがもう驚愕しない
「お代わりを、咲夜」
「承知しました」
無くなった紅茶をまた淹れる
その水面に自分の顔が映る
…それが妹に見えて体をこわばらせる
「どうかしましたか?」
「いえ…二人も飽きないのねって」
「そうですね」
「あはははははははは!」
ひふっ!ひゃっはははははは!
二人は狂ったように戦う
方や刀を、方や捻れた針を
火花が散り、時たま頬や腕を斬る
しかしそれらは一瞬にして治る
「えいっ!」
あ!腕が…でもこれくらい治るね!はははっ!
飛ばされた腕を取り、切断面にくっつける
さっとそれはくっつく
「まだまだやれるね!」
はははっ!まだまだ!ひはっ!あファッ!
刀を握り直してまた攻撃する
両者にとってこれが普通だ
いつもこんな感じだ
夜は体を絡め合い
朝は起き
そこからは夜まで戦う
それの繰り返し
そんなものを続ければ、狂う
ほら、貴方だってもう狂ってる
最初は理性があった
でももうフランの狂気が覆い尽くしてる
本当の心は夜の運動会にのみ出てくる
「ね、辛かったでしょ?泣きたかったでしょ?」
「もう泣いていいの、貴方はもう"博麗"じゃない」
あの日、初めて泣いた
子供の時から我慢していた分を、全て
今でもあの日のことはよく思い出せる
〇
しまった、という表情をして分身は消えた
これで分身は全て消えた、つまり…
お前で、最後
「…そうだね、私で最後」
少し悲しそうな顔した、吸血鬼
彼女も、貴方の被害者だろう
といっても仕方の無い事だ
惚れ、というものは誰にだってあるのだから
「…これが、最後のカード」
…お前の全力を見せてみろ
刀を空中で低く構え、攻撃に備える
彼女はカードを掲げて宣言する
「…閉じゆくシュワルツシルト半径」
フランの背後に黒い丸が生まれる
それが徐々に大きくなって行く
…!
最初は疑惑だった
自分の髪が風に煽られているなと
しかし…
ここは室内、何故風が吹くのだろうか
そう思った時に、気づいたのだ
徐々に大きくなっているそれがブラックホールだと
貴方は地面に降りていく
何処からか生成された弾幕がブラックホールに吸い込まれていく
吸い込まれれば…
どうなるか…分からない
地面に着地、刀を一本突き刺して柄を持つ
その頃には体が浮くほどの吸引力を発揮していた
ぐぐぐ…
「早くしないと腕がもげちゃうよ…」
貴方は思考していた
刀で弾幕…ダイソンに吸われる
一か八かの攻撃…避けられてダイソン
降参…可愛い嫁の出来上がり
まてこら最後の選択肢要らぬわ
貴方はそう思い、別の事を考える
「早く降参して!苦しむ姿は見たくないの!」
…?
頭の斜め上後ろ辺りで何かの音がした
振り返ると青のワープホールぎあった
そして…そこからSOCOMが出てきていた
貴方は手を伸ばす
そして、その手のひらに…
SOCOMが、着地して
終わりだ
フランの胸に正確に4回、引き金を引いたのであった
それはブラックホールに吸い込まれる
あ
失念だった
弾丸の様な軽い物がブラックホールに吸われない訳が無かった
フランの口が三日月に歪む
「私の勝ち、フォーオブアカインド」
ひ…
4人に増える
動こうにも刀から手を離せばブラックホールに吸われる
それぞれがスペルカードを持つ
「レーヴァテイン」
「スターボーブレイク」
「禁じられた遊び」
3人が唱える
勿論、その猛攻を刀1本で防げるわけも無い
しかも移動制限付きだ
炎の大剣が体を焼く
色とりどりの弾幕が体を貫く
弾幕に挟まれる
筆舌に尽くし難い激痛が体を襲う
焼かれ、貫かれ、すり潰された体が手を開いた
同時にブラックホールが消える
…ぁ
蚊の鳴くような声しか出ない
「私の勝ちっ…ふふふふ…はははっ!」
3人が体を押さえつける
貴方にはまだ力は残っていた
―!―!!
「むー…抵抗しないでほしいなぁ…」
困った顔する
「あ!そうだ」
そういうとフランは顔を首元に近づける
その意図を察し、全力で暴れる
が、既に犬歯が首の皮を貫いていた
「はむ…ずず…じゅる…」
――!――!!!!!
体から力が抜けていく
抵抗していた腕は徐々に動かなくなる
「んんー…美味しい!」
―――…
声が出ない
ただ、体が再生しているのは分かった
血を大量に飲まれて体が吸血鬼になっていっているのだ
吸われる時に変化のそれでもしたのだろう
「これで!兄様は私のモノ!あはははははははは!」
フランの笑い声が響く
それは永遠と思える時間続いていた