貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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心読み

館の中を歩く

地霊殿は思ったよりも明るい

そしてなにより目に優しい

ここに来てから何日だろうか

彼女達も来なくてかなり平和だ

 

「そうですか、気に入りました?」

 

 一応

 

さとりがこちらに歩み寄る

今までで自宅の様に安心する

これまでが酷すぎただけかもしれない

 

「そうかもしれないせんね」

 

こうやって賛同してくれる奴がいるのも初めてだ

少し…嬉しい

 

「…そうだ」

 

さとりは踵を返す

そして首をこちらに向ける

 

「紅茶でもいかが?」

 

 頂こう

 

貴方はさとりについて行く

絵画が所々貼られている

どれもこの地底をモチーフにしているようだ

 

鬼が人間と戦っている絵

 

お空が熱を管理している絵

 

お燐が猫車で死体を運んでいる絵

 

様々な絵が並んでいる

 

絵の大きさは大体同じだ

そう思いながらついていくと、さとりの部屋に着いたようだ

 

「こちらへどうぞ」

 

かちゃり、と扉を開けて中に入る

そこは意外と普通の部屋だった

 

「ここは私の私室です、公室ではないので」

 

そういうと彼女は椅子に座り、紅茶の入ったポッドを持つ

その対面に椅子があるのを確認して、それに座る

 

「粗末な味かもしれませんが」

 

 気にはしない

 

その会話中にカップに紅茶が注がれる

スコーンがあれば、英国人の気分になれるな

 

「なりたくはないですね、それ」

 

カップを傾け、彼女は先に紅茶を飲む

貴方はそれを見た後に紅茶に口をつけた

 

 …美味しいな

 

「粗末ではないようで」

 

にっこりとさとりが笑う

それにつられて口が緩む

 

「良かったです」

 

 …口にあっ…

 

そこで体の異変に気付く

 

震えが止まらない

 

ヒトが太古から持つ1つの本能が声を上げている

 

それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         「恐怖、ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ…ひぃ、ひぃいいい…

 

口から怯えた声が出る

目の前に見えるのは、幻覚だ

そう分かっていても拭いきれない

 

「そう、それが貴方のトラウマ…面白い」

 

彼女は手を顎に当てる

 

 な…にをした…!

 

それに怯えながら貴方は聞く

彼女は簡単に答える

 

「貴方の心が不安になる薬を入れただけです」

 

 それだけで…

 

「覚である私にはそれで十分です」

 

カップに亀裂があれば、そこから内容物は漏れる

逆に言えばそこから入れる事もできる訳だ

 

 ぐあ、!ああああああああ!

 

心が軋みを上げる

これ以上、心を抑えられない

 

 やめ…やめろっ

 

「いやです、これが私の性なので」

 

 …あ

 

 

 

 

 

その恐怖が最大になった瞬間、心が割れた

 

 

 

 

 

糸が切れた人形の様になった彼を見る

その瞳は何も移さず、心は助けてと叫んでいる

私はその心に温もりを与えた

 

 …あ

 

「どうでしょう?暖かいですか?」

 

今までの美しい記録

楽しい記録を彼の心に流す

ヒトは、これだけで心が安定する

 

「貴方は、私のモノ」

 

その耳に声を掛ける、体が震える

その目から涙がツゥーと流れる

 

「心」

 

私は呟く

 

「貴方の心は本当に面白い…」

 

覚としての本能が疼く

 

彼を暴きたい

 

彼を正直にさせたい

 

体から生えるコードの一部を引き抜く

そのサードアイのコードの先端ががその首に迫る

 

…刺さる

 

 ―――!?!!!!!??!

 

おそろく激痛が走っている

 

「あはっ、その姿、顔をよく見せて」

 

私は彼に跨る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        「私の、大事な人?」




女嫌いになりそうだからそろそろ書くか…

にしても何故女嫌いなのだろう(素朴な疑問)
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